フリーランスエンジニアの法人成りについて、一人社長が語るメリデメと節税ノウハウ

エンジニア

フリーランスエンジニアとして活動していると、必ずぶち当たるのが「法人化(法人成り)」の壁です。

多くのフリーランスエンジニアが、1000万周辺の年収帯にあるのではないでしょうか。「1000万を超えたら法人化したほうが良いよ」と言う話もよく聞くことでしょう。

僕自身、フリーランスエンジニアから法人化を選んだ一人ですが、結論から言うと「エンジニアなら、ある程度の売上を超えたらさっさと法人化した方がいい」と思います。

技術一筋の人間にとって、バックオフィス業務は苦痛でしかないかもしれませんが、個人事業主の確定申告と比べて少し煩雑になる程度です。

そしてれを補って余りあるメリットがあります。僕の実体験をベースに、法人化のメリデメから、賢い節税スキームまでをまとめました。

1. なぜ法人化するのか?(メリット・デメリット)

法人化のメリット

  • 信用力の向上:直案件を狙う際、個人事業主とは門前払いされるケースでも、法人なら通る。一人社長とは言え、「代表取締役」という肩書きも、意外と馬鹿になりません。
  • 厚生年金の手厚さ:法人成りすることで、厚生年金に加入できます。将来の備えとして、国民年金より圧倒的に強固です。
  • 個人の所得税をコントロールできる:会社の利益と自分の給与を切り離せるので、累進課税の直撃を避け、戦略的に節税できます。
  • 【重要】離婚時のリスクヘッジ:これは特殊な事例かもしれませんが、もしあなたが離婚をしたいと考えているか、そのリスクがあるなら、法人化は強力な武器になります。経費率の少ないフリーランスエンジニアは、養育費の計算でとても不利です。同程度の会社員の年収と比べて2倍程度になってしまうことも少なくありません。法人化することで、会社員としての養育費計算となります。

法人化のデメリット

  • 給与(役員報酬)が固定される:役員報酬は一度決めると基本的には1年間変更不可です。常に稼ぎ続けるプレッシャーがあります。また逆に、稼ぎすぎた時にも個人に還元できないため、利益として課税されてしまう場合もあります。程よい報酬設計が必要です。
  • 住所履歴が登記簿に載る:法人の登記をすると、本店・支店の住所と、代表・役員の住所は登記簿に公開されます。引っ越しの履歴まで公開されるため、途中で変更しても遡って閲覧されます。代表の住所は非表示化できるものの、本店については履歴を含めて公開されます。そのため、最初の登記時につい自宅を選んでしまうこともありますが、できればバーチャルオフィスなどを用意しておいた方が良いです。
  • 事務作業の煩雑化:個人事業主の確定申告とは比較にならないほど、納税業務が複雑になります。freeeなど、一人でできるSaaSもありますが、できれば税理士に依頼しましょう。

2. 法人化のために準備すべきこと

資本金の準備

会社を設立するためには資本金が必要です。1円以上で問題ありませんが、まず登記時に必要な開業資金も資本金から捻出するため、50万以上はあったほうが良いです。

資本金から費用が足りなくても、役員から借り入れたものとして、個人の財布から出すこともできますが、結局必要になるのならば資本金として計上してしまいましょう。

登記の仕方

  • 自力 vs 司法書士:マネーフォワード会社設立などを使って自力で安く済ませるか、手間を金で買って司法書士に丸投げするか。
    自力でやる場合は登記費用で15万、プロに任せると+15万程度必要です。
    方法の調査などおよそ1週間程度の工数がかかりますので、エンジニアとして仕事をするか、15万円で依頼するかは検討しましょう。
    僕は一度目は司法書士に依頼し、二度目はfreeeを使いました。

給与(役員報酬)の設定

  • 年1回の変更ルール:個人事業主のように「今月儲かったから多く引き出す」はできません。
    そのため、給与をいくらにするかをあらかじめ決める必要があります。
    給与を決めたら、税務署と年金事務所へ申請する必要があります。(司法書士か税理士の方が詳しく教えてくれますし、会社設立のSaaSを利用すると手続きが掲載されています。)
  • 事前確定届出給与の活用:これは、給与が上振れる可能性がある場合に有効ですが、あらかじめ賞与を設定しておき、利益が上振れた時だけ受け取る形にしておくと、利益調整がしやすくなります。ただし、事前確定届出給与は、決まった金額を決まった日にちに振り込まないと無効となり、損金として認められなくなるため、よく調べてから導入しましょう。

納税と社会保険

  • 税理士費用:顧問料として月2〜3万円+決算料15〜20万円程度が相場。これは「安心料」として必要経費と割り切りましょう。
  • 社会保険の強制加入:社長一人でも社会保険(健康保険・厚生年金)への加入義務が発生します。
    報酬として設定した月額のおよそ30%が社会保険として毎月納付することが必要となります。この金額を毎月しっかりと意識できることは、法人化のメリットではないかなと思います。

法人化してからのスケジュール・知識集

年間の支払スケジュール

個人事業主とはタイミングが異なります。キャッシュフロー管理に注意しましょう。

おおよそ年間訪れる納税などのタイミングはこのようになっています。

  • 所得税:1月と7月(源泉徴収の納期の特例を利用した場合)
  • 年末調整:1月)
  • 固定資産税:2月
  • 個人の確定申告:3月(医療費控除・寄付金控除分
  • 住民税(特別徴収):毎月
  • 決算申告:決算月末から2ヶ月以内

鉄板の節税・資産形成スキーム

法人の利益を最大化しつつ、個人にお金を移動する手段、節税のスキームとしていくつか一人社長でも取り入れることができるものを紹介します。

  1. 企業型確定拠出年金(DC):掛け金が全額経費。会社の金で自分の将来を作る最強の仕組み。導入に半年ほどかかります。
  2. 社宅制度:会社で家を借り、役員社宅として住む。家賃の大部分を経費化できるため、手取りが実質的に増えます。法人名義で契約が必要です。
  3. 旅費規程:出張日当を設定。会社は経費になり、個人は非課税で受け取れる「魔法の小銭」です。
  4. 経営セーフティ共済(倒産防止共済):年間240万、最大800万まで全額経費で積み立て可能。利益が出すぎた年の「利益の後回し」に最適。ただし、最大800万までなので、いつ使うかは検討しましょう。
  5. 小規模企業共済:個人事業主でも入れますが、法人代表でも継続可能。個人としての節税となりますが、退職金代わりになります。

4. 補助金・助成金を味方につける

法人化すると、国や自治体の支援を受けやすくなります。 情報を追うのが面倒なら、地元の商工会議所に飛び込みましょう。彼らは会員になれば(年会費1〜2万程度)、補助金の申請支援や融資の相談に乗ってくれます。エンジニアが苦手な「泥臭い交渉」の強い味方です。

まとめ:フリーランスエンジニアこそ「箱(法人)」を持て

法人化は面倒な手続きが増えますが、それは「自分の人生を自分でプロデュースする」ための入場料のようなものです。

もしあなたが「技術はあるが、将来や家庭環境に不安がある」なら、法人という鎧をまとうことを強くお勧めします。

40歳のイケおぢたま

キャバクラ通いしたり合コンに参加したりしてたら20歳と同棲することになった離婚裁判中の40歳のおじさま。

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