
「株が急に大きく下がって怖くなってきた。NISAで金(ゴールド)を買う人が増えていると聞いたけど、どう考えればいいんだろう?」

「金って投資信託でも買えるの?NISAでゴールドを積み立てるのはアリなのかな」
2026年6月23日、日経平均株価は前日比2,560円安という歴代5位の大幅下落を記録しました。AI・半導体関連銘柄を中心とした利益確定売りが集中し、市場に急激な動揺が走りました。こうした株式市場の急落を背景に、NISA口座を通じてゴールド(金)投資信託への資金流入が急増しています。
📰 出典:NISA向けアクティブ型投信 残高増加額の首位「ピクテ・ゴールド」|日本経済新聞
新NISA向けアクティブ型投資信託の残高増加額では「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」が首位となり、5月末時点で8,103億円の残高増加を記録。過去1年で6,000億円超の資金が流入し、直近1年のリターンは+46%に達しています。
この記事では、なぜ急落局面でゴールドが注目を集めるのか、ゴールド投資のメリットとリスク、そして個人投資家が冷静に向き合うための考え方をお伝えします。
結論から言えば、ゴールドは「分散投資の一手段」として意味を持つ場面がある一方で、急落時に感情的にポートフォリオを組み替えることは逆効果になりやすいです。まず基本を理解してから判断することが大切です。
※ 本記事は情報提供を目的とするものです。特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資は自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。
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なぜ今、ゴールドへの資金が増えているのか
株式急落が引き金になった
2026年6月は、日本株市場にとって激しい乱高下の連続でした。
日経平均は8連騰で72,831円という史上最高値を更新した直後、6月23日に歴代5位となる2,560円安の急落を記録。翌24日もAI・半導体関連の売りが続き、市場は一時的に混乱しました。
📰 出典:【NISA】「金(ゴールド)」の投資信託で”株式”の急落に備えよう! 人気のピクテ・ゴールドの特徴を解説|ダイヤモンドZAi
こうした急激な値動きを目の当たりにした個人投資家の間で、「株式に偏ったポートフォリオを見直したい」「値動きの異なる資産を組み合わせることで安定感を出したい」という意識が高まり、ゴールド投信への流入が加速しました。
ゴールドが「安全資産」と呼ばれる理由
ゴールド(金)は、株式市場が不安定になるとき「安全資産」として買われる性質を持っています。その背景には、いくつかの理由があります。
1. 会社や政府の信用リスクがない 株式は企業が倒産すれば価値がゼロになりますが、金は実物資産であり、会社の業績や国の財政状況に左右されません。
2. 歴史的に通貨価値の目安として機能してきた 金は何千年にもわたって人類が価値の保存手段として使ってきた資産です。紙幣の価値が下がるインフレ局面でも比較的価値を保ちやすいとされています。
3. 地政学リスクに強い 戦争や国際的な緊張が高まると、投資家は安全資産に資金を移す傾向があります。2026年現在、米イランの停戦協議や国際情勢の不安定さが続いており、ゴールドへの需要を下支えしています。
ただし、「安全資産」と言っても、ゴールドの価格が常に安定しているわけではありません。短期間に大きく価格が変動することもあります。
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ゴールド投資のメリットをきちんと理解する
株式との「相関が低い」という分散効果
投資の基本原則のひとつが「分散投資」です。値動きの傾向が異なる資産を組み合わせることで、一方が下がっても他方でカバーできる可能性が高まります。
ゴールドは、株式市場の動きと相関が低い(同じ方向に動きにくい)とされており、ポートフォリオに一定の割合で組み込むことで、全体の値動きを抑える効果が期待できます。
ただし、これはあくまで「傾向」であり、局面によっては株式とゴールドが同時に下落することもあります。「ゴールドを持っていれば暴落を完全に防げる」わけではない点を理解しておきましょう。
NISAで非課税のまま積み立てられる
「ピクテ・ゴールド」などのゴールド型投資信託はNISAの成長投資枠で購入でき、売却益や分配金が非課税になります。
通常、投資の利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座を使えばこのコストがゼロになります。長期積み立てでは、この非課税メリットが大きな差を生みます。
円安の恩恵を受けやすい(為替ヘッジなしの場合)
ピクテ・ゴールドのような「為替ヘッジなし」タイプは、金価格の上昇だけでなく、円安が進む局面でも価格が上がりやすい性質があります。
2026年現在、野村証券の試算では年末の米ドル円レートを152.5円と予測しており、円安基調が続く中でのゴールド保有は為替リスクへのヘッジにもなりえます。
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ゴールド投資のリスクと注意点
1. 配当・利息がない(インカムゲインがない)
株式には配当金、債券には利息がありますが、金そのものには定期的な収入(インカムゲイン)がありません。ゴールド投信は値上がり益(キャピタルゲイン)を狙う資産です。
配当収入を生活費の補助にしたい、安定したキャッシュフローを作りたいという目的には向きません。
2. 価格変動リスクはゼロではない
「安全資産」と呼ばれますが、金の価格は大きく変動することがあります。過去には金価格が数十%単位で下落した局面もありました。「株より安全」という思い込みは禁物です。
3. 信託報酬(コスト)が比較的高い
ピクテ・ゴールドの信託報酬は年1%程度(参考値)と、インデックス投信(年0.1〜0.2%程度)に比べると高めです。長期保有ではこのコスト差が積み重なります。
10年・20年の長期投資では、信託報酬の差が最終的なリターンに大きく影響することを覚えておきましょう。
4. 「急落後に慌てて乗り換える」は危険なパターン
最も注意が必要なのが、株が下がった後に感情的にゴールドへ資金を移すことです。
このパターンの問題点は、「株の底値で売って、ゴールドの高値で買う」という最悪のタイミングになりやすいことです。急落後にゴールドが既に値上がりしていた場合、「安いときに株を売り、高いときにゴールドを買う」という逆張りになりかねません。
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個人投資家が今やるべきこと
NG行動① 急落のたびにポートフォリオを組み替える
「このニュースでゴールドに切り替えよう」「また株に戻そう」という頻繁な組み替えは、取引コストを増やし、タイミングミスによる損失を招きやすいです。
市場は短期的には予測不能であり、感情的な売買が長期的なリターンを下げることが多くの研究で示されています。
NG行動② ゴールドだけに頼る「全集中」
分散効果を期待してゴールドを取り入れることは有意義ですが、資産の大半をゴールドに集中させることは別の形のリスク集中です。
ゴールドは金利がつかない、産業需要が少ないため、長期的な経済成長の恩恵を受けにくい面もあります。
正しいアクション:「事前に」バランスを決めておく
分散投資の基本は、下がった後に動くのではなく、事前に「この割合で持つ」と決めておくことです。
一般的な例として:
- 株式(国内・海外):70〜80%
- 債券:10〜20%
- ゴールド・コモディティ:5〜10%
という配分が語られることがありますが、正解はひとつではありません。自分のリスク許容度・投資目標・年齢・他の資産状況によって最適な配分は変わります。
まずは「なぜゴールドを持つのか」という目的を明確にしてから検討することが大切です。
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まとめ:急落に動じない投資家の考え方
市場が急落するたびに「ゴールドへ」「現金へ」と動揺するのは、長期投資家にとって最も避けるべきパターンです。
ゴールドは、分散投資の一手段として事前に取り入れる意義はあります。しかし、
- 急落後に慌てて組み替えるのではなく、事前にポートフォリオを設計する
- コスト(信託報酬)と目的(守りなのか、値上がり益なのか)を明確にする
- 「今すぐゴールドを買えば安全」という考えは持たない
この3点を心がけることが、長期的な資産形成には重要です。
株式市場の急落は、必ずしも「終わり」ではありません。過去を振り返れば、急落の後に回復した場面も多くあります(ただし、過去の回復が将来を保証するものではありません)。
慌てず、焦らず、自分が納得できるポートフォリオを長期で維持することが、資産形成の基本です。
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本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資は自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。記載の数値・制度は執筆時点(2026年6月)のものです。最新情報は各証券会社・金融機関の公式サイトをご確認ください。
2026年6月の日経平均急落を背景にNISAでゴールド(金)投資信託への資金流入が急増。ピクテ・ゴールドが残高増加首位に。金投資のメリット・デメリットと、急落時に個人投資家が冷静でいるための考え方を解説します。

