
「PERが低いから割安だと思って買ったのに、その後もずっと株価が上がらない…」

「配当利回りが高い銘柄を選んだつもりが、実は業績が厳しい会社だったみたい」
結論から言うと、株式投資で銘柄を絞り込む際は、PER・PBR・配当利回りといった指標をひとつだけ見て判断するのではなく、複数の指標を組み合わせて確認する「スクリーニング」の考え方が基本とされています。ひとつの指標だけに頼ると、見落としてしまうリスクがあるためです。この記事では、初心者向けに株式スクリーニングの基本的な考え方と、証券会社のツールを使った進め方、注意すべきポイントを解説します。 ※ 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資は自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。
そもそもスクリーニングとは?なぜ資産形成に重要なのか
スクリーニングとは、証券会社のツールなどを使って、条件を指定することで数千社ある上場企業の中から候補となる銘柄を絞り込む作業のことです。
📰 出典:SBI証券 投資情報メディア「米国株の銘柄選び&スクリーニング活用術」
一般的に、スクリーニングで使われる指標には次のような種類があるとされています。
- 割安性を見る指標:PER(株価収益率)・PBR(株価純資産倍率)など
- 収益性・成長性を見る指標:ROE(自己資本利益率)・売上や利益の成長率など
- 配当を見る指標:配当利回り・配当性向など
- 規模や流動性を見る指標:時価総額・出来高など
これらはいずれも本サイトの他記事でも解説してきた指標ですが、大切なのは「どれか一つが良ければOK」ではなく、複数の指標を組み合わせて多角的に確認するという考え方です。なぜなら、それぞれの指標には得意・不得意があり、一つの指標だけでは会社の実態を十分に表せないことがあるためです。たとえば配当利回りが高く見えても、実際には株価が大きく下落した結果として利回りが高く「見えている」だけのケースもあり、この記事の[吹き出しB]のような失敗につながることがあります。
株式スクリーニングの進め方 初心者向け5ステップ
1. 銘柄選びの目的・スタイルを決める
まず、「配当を重視したいのか」「値上がり益(キャピタルゲイン)を狙いたいのか」「長期でコツコツ積み立てたいのか」など、自分がどのようなスタイルで投資をしたいのかを明確にしましょう。目的によって重視すべき指標の組み合わせは変わってきます。
2. 広い条件から絞り込みを始める
いきなり細かい条件を何個も設定すると、該当する銘柄が極端に少なくなってしまったり、ゼロになってしまったりすることがあります。まずは「東証プライム市場」「時価総額◯億円以上」といった大まかな条件から始め、徐々に条件を追加していくやり方が進めやすいとされています。
3. 複数の指標を組み合わせて条件を設定する
目的に応じて、割安性(PER・PBR)・収益性(ROEなど)・配当(配当利回り・配当性向)・財務健全性(自己資本比率など)といった複数の観点から条件を組み合わせます。一つの指標だけに極端な条件を設定するのではなく、バランスを意識することが一般的な考え方として紹介されています。
4. 証券会社のスクリーニングツールを活用する
多くのネット証券では、口座を持っていれば無料で使えるスクリーニング(銘柄検索)ツールが用意されています。証券会社によって使いやすさや対応している条件の種類が異なるため、いくつか触ってみて自分に合ったものを見つけるのも一つの方法です。
5. 絞り込んだ後は個別に業績・事業内容を確認する
スクリーニングで候補が絞れたら、そこで終わりにせず、決算短信や有価証券報告書、会社の公式サイトなどで、実際の事業内容や業績のトレンドを確認する一手間を挟むことが大切だとされています。指標はあくまで「入口」であり、最終的な判断材料の一つに過ぎません。
スクリーニング初心者がやりがちなNG行動
- 一つの指標だけで飛びつく:「PERが低いから割安」「配当利回りが高いからお得」など、単一の指標だけを根拠に判断してしまうこと。
- 過去の実績が将来も続くと思い込む:好調な業績や高い配当利回りは、あくまで過去から現在までのデータに基づくものであり、将来も同じ状況が続くことを保証するものではありません。
- 条件を絞りすぎて視野が狭くなる:細かい条件を設定しすぎると、本来注目すべきだった銘柄を見落としてしまうことがあります。
- スクリーニング結果を鵜呑みにして分散を怠る:スクリーニングで見つけた「良さそうな銘柄」に資金を集中させてしまうと、その1社の業績悪化が資産全体に大きな影響を与えてしまいます。
リスクと注意点(必ず確認しましょう)
- スクリーニングはあくまで候補を効率よく絞り込むための手段であり、選んだ銘柄が必ず値上がりすることや、損失が出ないことを保証するものではありません。株式投資には常に価格変動・元本割れのリスクが伴います。
- 指標の数値は決算のたびに更新されるため、スクリーニングした時点の情報が古くなっている場合があります。実際に検討する際は最新の情報を確認しましょう。
- 特定の指標条件に合致したからといって、その銘柄の購入を勧めるものではありません。最終的な投資判断は、必ずご自身の責任で行ってください。
- 個別銘柄への投資に不安がある場合は、値動きのリスクを1社に集中させないよう、複数銘柄への分散やインデックス型の投資信託の活用も選択肢として一般的に紹介されています。
まとめ 指標は「組み合わせて」「入口として」使う
株式投資の銘柄選びでは、PER・PBR・配当利回りといった指標を一つだけ見るのではなく、複数の指標を組み合わせてスクリーニングし、その後で事業内容や業績のトレンドまで確認するという流れが基本とされています。指標はあくまで数千社の中から候補を効率よく絞り込むための「入口」であり、最終的な投資判断は指標だけに頼らず、リスクを理解したうえでご自身で行うことが大切です。まずは少額から、証券会社のスクリーニングツールに触れてみることから始めてみてはいかがでしょうか。

