子どもの将来のために投資をしたい NISAは何歳から使える?ジュニアNISA廃止後にできること

株式投資

「子どもの教育資金、将来のためにNISAで増やしてあげたいけど、子ども名義でも口座って作れるの?」

「昔は『ジュニアNISA』ってあったよね?あれ、もう使えないんだっけ…」

結論から言うと、現在のNISA制度は18歳以上の方が対象で、子ども名義でNISA口座を新しく開くことはできません。かつてあった「ジュニアNISA」も2023年末で新規の買い付けが終了しています。ただし、方法がまったくないわけではなく、親のNISA枠を活用する考え方や、未成年名義の証券口座(課税口座)を使う選択肢があります。また、政府・与党では18歳未満も使える新しい制度の検討も進んでいます。この記事では、子どものための資産形成を考えている方に向けて、現時点(2026年7月執筆時点)で知っておきたい選択肢と注意点を整理します。

※ 本記事は制度の一般的な仕組みを解説する情報提供が目的であり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。制度・税制は変更される可能性があるため、必ず金融庁や口座を開設する金融機関の公式情報で最新の内容をご確認ください。

なぜ「子どものための資産形成」に関心が集まっているのか

近年、教育費や生活費の水準が変化してきていることもあり、「早いうちから子どもの将来資金を準備しておきたい」と考える家庭が増えているといわれています。学資保険だけに頼るのではなく、預金や投資などいくつかの手段を組み合わせて考える人が増えている、という声もよく聞かれます。

一方で、「NISAで子どもの分も非課税にできるのでは」という誤解や、「ジュニアNISAがまだ使えると思っていた」という声も少なくありません。まずは現行制度の正確な仕組みを理解したうえで、家庭に合った準備方法を考えていくことが遠回りを防ぐポイントです。

そもそもNISAは何歳から使える?知っておきたい年齢の壁

まず押さえておきたいのが、NISA制度そのものの対象年齢です。

📰 出典:金融庁「NISAを知る」

現行のNISA制度は、口座を開設する年の1月1日時点で18歳以上の方を対象としています。この年齢要件は成年年齢と連動する形で設定されているため、18歳未満の方が新たにNISA口座を開設することは、現時点ではできません。

つまり、「子ども名義でNISA口座を開いて非課税で運用する」という方法は、2026年7月時点では制度上とれない選択肢ということになります。まずはこの前提を正しく理解しておくことが、遠回りをしないための第一歩です。

かつてあった「ジュニアNISA」はどうなった?

「子ども名義で非課税投資ができた」記憶がある方は、2023年末で新規購入が終了した「ジュニアNISA」を思い浮かべているかもしれません。

📰 出典:楽天証券「ジュニアNISAに残高があるお客様(2024年以降について)」

ジュニアNISAは2023年12月末をもって新規の買い付けが終了しました。すでに保有している残高については、2024年以降「継続管理勘定」に移管され、子どもが18歳になる年まで非課税のまま保有を続けられる仕組みになっています。また、2024年以降は従来あった払い出し制限が撤廃され、必要に応じて非課税のまま引き出せるようになりました。

つまり、すでにジュニアNISAで積み立てた分がある家庭は、慌てて売却する必要はなく、非課税のメリットを引き続き活かせるということです。一方で、これからジュニアNISAを新しく始めることはできません。

制度を整理すると

ここまでの内容を、家庭でよく検討される選択肢とあわせて簡単に整理すると、次のようになります(いずれも2026年7月執筆時点の内容です)。

| 制度・口座 | 対象年齢 | 非課税か | 現在の状況 | |—|—|—|—| | NISA(現行) | 18歳以上 | 非課税 | 利用可能(子ども名義は不可) | | ジュニアNISA | 0〜17歳 | 非課税 | 新規購入は終了、残高は保有継続可 | | 未成年口座(証券会社) | 未成年(0歳〜) | 課税 | 利用可能(親権者の関与が必要) | | こどもNISA(仮称) | 18歳未満(検討中) | 非課税予定 | 検討・要望段階(未実現) |

表のとおり、「非課税で子ども名義の口座を新しく作る」という選択肢は、2026年7月時点では実質的に存在しません。この前提を踏まえたうえで、次に紹介する考え方を検討してみてください。

子どものために今できる4つの考え方

「NISAが使えないなら、子どものための資産形成は諦めるしかない」ということはありません。現時点でとれる考え方を整理してみましょう。

1. まずは親自身のNISA枠を優先して活用する

もっとも現実的なのは、親(保護者)自身の名義でNISA口座を開設し、その中で「子どもの将来のため」という目的を持って積み立てを行う方法です。口座自体は子ども名義ではありませんが、非課税のメリットを活かしながら教育資金や将来の資産形成に充てる資金を育てられます。

家計全体で見たとき、生活防衛資金(急な出費に備える資金)を確保したうえで、無理のない範囲の金額を「教育資金用」「将来のため」など目的別に分けて管理する家庭も多いようです。あくまで一般的な考え方であり、金額や配分の正解は家庭の状況によって異なる点には注意してください。

たとえば、毎月1万円を長期間にわたって積み立てた場合、時間の経過とともに投資元本が積み上がっていくイメージを持っておくと、無理のない金額設定を考えるヒントになります。あくまで一例として、毎月1万円を10年間積み立てると、投資元本の合計は120万円になります。これは値動きを考慮しない単純な元本の合計であり、実際の運用成果(増えるか減るか)を保証するものではありません。将来の成果は市場の状況によって変わり、元本を下回る可能性もある点を踏まえたうえで、あくまで目安として捉えてください。

2. 未成年名義の証券口座(課税口座)を使う

多くの証券会社では、非課税のNISA口座とは別に、未成年の子ども名義で開設できる「未成年口座」を用意しています。

📰 出典:大和証券「未成年口座を開設するにはどうしたらよいですか」

未成年口座の開設には、親権者が法定代理人として手続きに関与する必要があり、親権者と子どもの続柄がわかる住民票の写しなど、代理権を確認できる書類の提出が求められるのが一般的です。オンラインだけで完結せず、店舗や郵送でのやり取りが必要になる証券会社もあります。

📰 出典:マネックス証券「未成年者の口座開設の注意点」

未成年口座はNISA口座とは異なり非課税の優遇はなく、運用益や配当には通常どおり課税される「課税口座」である点にも注意が必要です。非課税メリットがないぶん、少額から投資の仕組みに親子で触れてみる、といった教育的な目的で利用を検討する家庭もあるようです。

3. 学資保険・預金など投資以外の手段と組み合わせて考える

子どものための資金づくりは、必ずしも「投資」だけで完結させる必要はありません。学資保険や預金、財形貯蓄など、値動きのない手段と組み合わせることで、必要な時期に必要な金額を用意しやすくなる面もあります。

投資は将来の価格を保証するものではなく、元本割れの可能性がある一方で、預金は元本が保証される代わりに大きく増えることは期待しにくいという特徴があります。「いつ・いくら必要か」という時期が明確な資金(数年後に控えた入学金など)ほど、値動きのある商品に偏らせすぎない考え方も一般的にはよく紹介されます。

4. 「こどもNISA」創設に向けた議論を知っておく

📰 出典:金融庁「令和8年度税制改正要望について」

金融庁はこども家庭庁と共同で、つみたて投資枠を18歳未満にも拡大することなどを盛り込んだ税制改正要望を公表しています。

📰 出典:金融庁「令和8年度税制改正について-税制改正大綱における金融庁関係の主要項目-」

2026年度(令和8年度)の税制改正大綱には、18歳未満を対象とした新しい非課税投資の仕組み(いわゆる「こどもNISA」)の検討が盛り込まれており、報道では年間投資枠60万円・総枠600万円程度とする案や、早ければ2027年度からの開始を目指す案が伝えられています。

ただし、これはあくまで2026年7月時点での検討・要望段階の情報であり、対象年齢や非課税枠、開始時期といった詳細は今後の国会審議や法改正を経て決まるものです。「もうすぐ子どもNISAが始まる」と断定せず、今後の公式発表を継続して確認する姿勢が大切です。

検討する際に注意しておきたいポイント

子どものための資産形成を考えるうえで、次の点はあらかじめ押さえておきましょう。

  • 元本割れのリスクがある:投資信託や株式は値上がりが期待できる一方、値下がりして元本を下回る可能性があります。「必ず増える」という前提で計画を立てるのは避けましょう。
  • 未成年口座は課税対象:非課税のNISAとは違い、運用益に税金がかかることを踏まえたうえで、手数料や税負担も含めて検討する必要があります。
  • 必要な時期から逆算する:進学など資金が必要になる時期が近いほど、値動きの大きい商品に偏らせるとタイミングによっては不足するおそれがあります。
  • 制度は変わる可能性がある:こどもNISAのように検討段階の制度は、内容が変更されたり実現しなかったりすることもあります。噂や報道段階の情報を前提に資金計画を組みすぎないことが大切です。
  • 家庭ごとに最適解は異なる:収入や教育方針、リスクに対する考え方は家庭によって違います。この記事の内容を参考にしつつ、必要に応じてファイナンシャルプランナーなど専門家にも相談してみてください。

よくある質問

Q. 子どもの口座で親が代わりに運用しても大丈夫?

未成年口座は子ども名義であっても、実際の売買判断は親権者が代理で行うのが一般的です。ただし、口座の資産はあくまで子どものものである、という位置づけを踏まえ、無理な取引をしない・目的外に使わないといった配慮が求められます。細かなルールは証券会社によって異なるため、開設前に公式サイトやコールセンターで確認しておくと安心です。

Q. 祖父母から子どものために資金援助を受けることはできる?

祖父母から孫へ教育資金などを援助する方法自体は一般的に行われていますが、金額や渡し方によっては贈与税の課税対象になる場合があります。具体的な非課税枠や特例の有無、適用条件は年によって変わることがあるため、まとまった金額を検討する場合は国税庁の公式情報を確認するか、税理士に相談することをおすすめします。

Q. こどもNISAはいつから使えるようになる?

2026年7月時点では、いつから・どのような内容で始まるかは確定していません。報道では2027年度からの開始を目指す案も伝えられていますが、国会での審議や法改正を経て正式に決まるものです。「まだ始まっていない制度」であることを踏まえ、現時点でとれる選択肢(親のNISA活用や未成年口座など)から検討を進めつつ、公式発表を待つのが実用的な向き合い方といえるでしょう。

まとめ 今の制度を正しく理解し、無理のない範囲で長期目線を

子ども名義でのNISA口座開設は、2026年7月時点ではまだできません。ジュニアNISAもすでに新規購入は終了しており、残高がある場合は非課税のまま保有を続けられる、という状況です。そのうえで、親自身のNISA枠を活用する、未成年口座を検討する、預金など他の手段と組み合わせるといった選択肢を、家庭の状況に合わせて考えていくことになります。

「こどもNISA」のような新しい制度の検討も進んでいますが、詳細が固まるまでは断定的に計画を立てず、長期・分散・積立という投資の基本を踏まえながら、無理のない範囲で少しずつ準備を進めていく姿勢が大切です。投資はあくまで自己責任で行うものであり、最終的な判断はご自身(ご家庭)で行ってください。最新の制度内容は、必ず金融庁や口座を開設する予定の金融機関の公式サイトでご確認ください。

タイトルとURLをコピーしました