
「IPO(新規公開株)の抽選に申し込んでも、いつも外れてばかり…」

「『IPOチャレンジポイント』って言葉をたまに見かけるけど、正直よく分かっていないかも」
結論から言うと、IPOチャレンジポイントとは、一部のネット証券が導入している独自の制度で、IPO抽選に落選するたびにポイントが貯まり、そのポイントを使うことで次回以降の当選しやすさを高められる仕組みです。ただし、ポイントを貯めても当選が確約されるわけではなく、すべての証券会社が採用している制度でもありません。この記事では、制度の基本的な仕組みと、初心者が知っておきたい注意点を解説します。
※ この記事はIPO抽選に関する制度の仕組みを解説する情報提供が目的であり、特定の銘柄・証券会社の利用を推奨するものではありません。投資は自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。
そもそもIPO抽選はなぜ当たりにくいのか
IPO(Initial Public Offering、新規公開株)は、企業が証券取引所に新規上場する際に、上場前の株式を投資家へ売り出すものです。話題性の高い企業が上場する際は申込希望者が殺到し、割り当てられる株数に対して申込数が大幅に上回る「抽選」となるケースが多くあります。
抽選である以上、何度応募しても外れ続けることは珍しくありません。証券会社によっては、この「外れやすさ」を踏まえて、長く申込みを続けている投資家に対して当選しやすくなる仕組みを用意している場合があります。それが今回取り上げる「IPOチャレンジポイント」のような制度です。
IPOチャレンジポイント制度の基本的な仕組み
IPOチャレンジポイントは、SBI証券が独自に導入している制度で、次のような特徴があります。
- IPOの抽選に申し込んで落選すると、1回につき一定のポイントが加算される
- 通常の抽選枠とは別に、貯めたポイントを使って申し込む専用の枠が用意されている
- ポイントを多く保有している人から順に優先的に割り当てられる仕組みとされている
- ポイントを使って申し込んだ結果、落選した場合でもポイントは消費されず手元に残る
📰 出典:SBI証券 よくある質問「IPOチャレンジポイントとはなんですか?(ポイント確認方法)」
つまり、「抽選に外れ続けても、ポイントという形で次につながる」という点が、この制度の特徴です。人気の高い銘柄ほど当選に必要なポイント数は多くなる傾向があるとされていますが、具体的な必要ポイント数(ボーダーライン)は証券会社から公式には公表されていません。ネット上の体験談・情報サイトでは目安となる数字が紹介されていることもありますが、あくまで利用者側の推測・集計であり、確実な基準として保証されたものではない点に注意してください。
証券会社によって制度が異なる点に注意
ここで重要なのは、「すべてのネット証券に同じ制度があるわけではない」ということです。証券会社ごとに抽選方式は異なります。
- 楽天証券:申込者に対して完全に平等な抽選を行う方式を採用しており、落選時にポイントが貯まるような優遇制度はありません。
- 三菱UFJ eスマート証券(旧auカブコム証券):抽選権利は1人1票制で、過去の取引実績などは考慮されない仕組みとされています。
📰 出典:楽天証券「新規公開株式(IPO)・公募増資・売出(PO)抽選方法」
📰 出典:三菱UFJ eスマート証券「新規公開株(IPO)/公募・売出(PO)配分方法」
このように、「ポイントを貯めて当選を狙う」という戦略が使えるかどうかは、口座を持っている証券会社によって変わります。どの証券会社が優れているというものではなく、それぞれ抽選のルールが異なるという事実として理解しておくとよいでしょう。
IPOチャレンジポイントを踏まえた考え方 3つのステップ
1. まずは制度の有無・ルールを自分で確認する
証券会社の制度は変更されることがあります。ポイントの付与条件、有効期限の有無、使用できる銘柄の範囲などは、口座を持っている証券会社の公式サイト・よくある質問ページで最新情報を必ず確認してください。
2. ポイントは「使いどころ」を考える
ポイントを使って申し込む場合、一度に大量のポイントを消費するかどうかの判断が必要になります。人気の低い銘柄で少しずつ試す人もいれば、人気の高い銘柄まで温存する人もおり、どちらが正解ということはありません。あくまで自分の資金計画やリスク許容度に合わせて考える一つの材料として捉えることが大切です。
3. 当選そのものを目的化しない
「せっかく貯めたポイントを使うのだから」と、当選そのものが目的になってしまうと、その銘柄の事業内容や上場後の値動きリスクを十分に検討しないまま資金を投じてしまいかねません。当選はあくまでスタート地点であり、投資判断はそこから始まると意識しておきましょう。
初心者がやりがちなNG行動
- ポイント欲しさに、資金計画を考えず手当たり次第に申し込む:IPOの抽選申込みには、証券会社によって申込証拠金が必要な場合があります。ポイントを貯める目的だけで無理な資金配分をするのは本末転倒です。
- 「ポイントを貯めれば必ず当たる」と思い込む:ポイント制度はあくまで当選の可能性を高める仕組みであり、当選を保証するものではありません。抽選である以上、外れる可能性は常にあります。
- 当選したIPO銘柄を、内容を確認せずに保有し続ける・すぐ売る:上場直後は値動きが大きくなりやすく、初値が公開価格を下回る「初値割れ」となる銘柄も存在します。当選後にどう対応するかも、事前にある程度考えておく必要があります。
知っておきたいリスクと注意点
- 当選の保証はない:ポイントを多く保有していても、必ず当選するとは限りません。抽選方式である以上、不確実性は残ります。
- 元本割れの可能性:IPO銘柄も株式である以上、上場後に株価が公開価格を下回り、投資した金額を下回る「元本割れ」となる可能性があります。
- 制度は変更・廃止されることがある:ポイントの付与条件や使用ルールは、証券会社の判断で変更・廃止される可能性があります。最新情報は必ず公式サイトで確認してください。
- 投資判断は自己責任:IPOに当選できるかどうかにかかわらず、最終的にその銘柄へ投資するかどうかの判断は、自分自身で行う必要があります。
まとめ 制度の仕組みを理解し、資金管理を意識して活用する
IPOチャレンジポイントは、抽選に外れ続けても次につながる仕組みとして一部の証券会社が導入している制度ですが、当選を保証するものではなく、証券会社によって有無やルールも異なります。「ポイントを貯めれば得をする」という側面だけに目を向けず、制度の仕組みを正しく理解したうえで、余剰資金の範囲で、自分自身の判断として活用することが大切です。

