
「つみたてNISA、始めたはいいけど本当に続けられるか不安…」

「相場が下がったときに、慌てて解約しちゃいそうで怖いんだよね」
結論から言うと、つみたてNISAを3年続けて一番実感するのは「相場そのものより、自分の感情との付き合い方のほうが難しい」ということです。値下がり局面で何度も「やめようかな」と頭をよぎりましたが、積立額を無理のない範囲に抑え、機械的に続ける仕組みを作ったことで、結果的に続けられたと感じています。
この記事では、30代会社員Aさん(仮名)がつみたてNISAを始めてからの3年間を、よくあるパターンとして時系列でまとめ、そこから学べる考え方を初心者にも分かりやすく解説します。※特定の実在の個人を取材した実話ではなく、よくある体験パターンを組み合わせた一例です。個人の感想であり、将来の成果を保証するものではありません。
本記事は特定の金融商品の購入を推奨するものではなく、情報提供を目的としています。投資には元本割れのリスクがあり、最終的な投資判断はご自身の責任で、余剰資金の範囲で行ってください。
つみたてNISAとは?始める前におさらい
つみたてNISA(現在は新NISAの「つみたて投資枠」)は、一定の投資信託を毎月コツコツ積み立てて購入し、得られた利益が非課税になる制度です。2024年から始まった新しいNISA制度では、つみたて投資枠(年間120万円まで)と成長投資枠(年間240万円まで)を合わせて、生涯で1,800万円まで非課税で投資できる仕組みに変わりました。
📰 出典:NISAを知る(金融庁)
非課税とはいえ、投資信託は値動きのある商品です。元本が保証されているわけではなく、積み立てた金額を下回る(元本割れする)可能性は常にあります。この前提を踏まえたうえで、体験談を見ていきましょう。
つみたてNISA3年間のリアルな推移 あるケース
ここでは、30代の会社員Aさんが2023年に旧つみたてNISAを始めてから、2024年の新NISAへの切り替えを経て、現在(2026年7月執筆時点)まで続けてきた3年間を、よくあるパターンとして紹介します。金額や心境はあくまで説明用のイメージであり、特定の実績を保証するものではありません。
- 1年目(2023年):毎月1万円から全世界株式インデックスファンドの積立を開始。値動きに一喜一憂し、アプリを毎日チェック
- 2年目(2024年):新NISAへ移行し積立額を月2万円に増額。夏に相場が大きく値下がりする局面を経験し、積立をやめかけた
- 3年目(2025〜2026年):積立額を据え置いたまま自動化し、資産額を見る頻度を減らす。値動きへの反応が薄れ、淡々と継続できるようになった
1年目:少額から始めたものの、値動きが気になって仕方なかった
「損をするのが怖い」という気持ちから、最初は月1万円という少額からのスタートでした。それでも、投資信託の基準価額が1日でも下がるとアプリを開いて確認し、上がった日は嬉しくなり、下がった日は落ち込む、という一喜一憂を繰り返していたそうです。今振り返ると、金額の大小にかかわらず、値動きを毎日追いかけること自体がストレスの原因になっていたと感じているといいます。
2年目:新NISAへの切り替えと、初めての大きな値下がり局面
2024年に新NISA制度が始まったタイミングで、証券会社の案内に沿って新しい口座区分へ移行し、積立額を月2万円に増額しました。ところが同じ年の夏には、世界的な株安をきっかけに国内外の株式市場が大きく値下がりする局面があり、それまで積み上げてきた含み益が一気に縮小、一部は含み損に転じる場面もあったそうです。
このとき「このまま続けて大丈夫なのか」と積立の停止・解約を本気で検討したといいます。結果的には「毎月の金額は生活に影響のない範囲に収めていたから、いったん様子を見よう」と考え、積立自体は止めずに継続する判断をしました。
3年目:見る頻度を減らし、機械的に続けられるようになった
3年目に入ってからは、資産額をこまめにチェックする習慣そのものを見直しました。クレジットカード決済での自動積立に設定し、月に1回程度しか残高を確認しないようにしたところ、日々の値動きに反応しなくなり、結果的に淡々と積立を続けられるようになったといいます。積立額自体は大きく増やしていませんが、「続けられていること」自体が一番の変化だったと振り返っています。
つみたてNISAを3年続けて分かった3つの教訓
教訓1:一番のハードルは相場ではなく「自分の感情」
3年間を振り返って最も実感したのは、値下がりそのものよりも、値下がりを見たときに「やめたくなる自分の気持ち」をどう扱うかのほうが難しいという点です。長期・積立・分散投資では、途中の値下がり局面をどう乗り越えるかが、続けられるかどうかを大きく左右すると言われています。
教訓2:積立額は「生活に影響しない範囲」に収めておくことが続ける力になる
値下がり局面で積立をやめずに済んだ大きな理由は、毎月の積立額を生活費に影響しない範囲に抑えていたことでした。もし無理な金額を積み立てていたら、値下がり時に生活資金を圧迫し、やむを得ず解約する事態になっていたかもしれません。無理のない金額設定は、単なる節約の話ではなく「続けられるかどうか」を左右する重要な要素だといえます。
教訓3:見る頻度を減らす仕組みが、継続の助けになることがある
値動きを毎日確認していた1年目に比べ、確認頻度を減らした3年目のほうが精神的な負担が小さかったという点は参考になります。クレジットカード決済などで積立を自動化し、暴落時にすぐ売買操作ができない・しにくい状態にしておくことも、狼狽売りを防ぐ工夫のひとつとして紹介されることがあります。
なお、これらはあくまで一つの考え方であり、「見なければ必ず続けられる」「自動化すれば損をしない」というものではありません。相場が大きく動いたときに家計全体の状況を確認すること自体は引き続き大切です。
自分に置き換えて考える つみたてNISA継続チェックリスト
つみたてNISA(新NISAのつみたて投資枠)を始める・見直す際に、確認しておきたいポイントをまとめました。
- 毎月の積立額は、収入や生活費に対して無理のない金額になっているか
- 生活防衛資金(当面の生活費)を別に確保したうえで積立を行っているか
- 値下がり局面で「いくらまでの含み損なら受け入れられるか」を事前に考えているか
- 値動きを確認する頻度が、自分にとってストレスになっていないか
- 積立商品の対象・非課税枠の仕組みを理解しているか(制度内容は執筆時点のものです)
- 途中で積立額を変更・停止できることを理解したうえで、安易にやめない方針を持てているか
これらはあくまで一般的な考え方であり、当てはめれば必ず投資を続けられる、あるいは損失を避けられるというものではありません。年齢や収入、リスク許容度によって適切なバランスは人それぞれ異なります。
初心者が陥りやすい、その他の失敗パターン
体験談で紹介したケース以外にも、つみたてNISAでは次のような失敗パターンがよく見られると言われています。始める前・見直す際の参考にしてください。
値下がり局面で積立額を大きく増やしてしまう
「安く買えるチャンス」と考えて、生活費を切り詰めてまで積立額を急に増やしてしまうケースがあります。判断材料のひとつとしては理解できますが、無理な増額は生活資金を圧迫するリスクがあるため、あくまで余剰資金の範囲にとどめることが大切です。
SNSの「暴落は買い時」という声だけで判断してしまう
SNS上では「暴落は絶好の買い場」という声が見られることがありますが、その後さらに値下がりが続く可能性もゼロではありません。相場の先行きは誰にも断定できないため、特定の意見を鵜呑みにせず、自分自身の資金状況やリスク許容度に照らして判断することが重要です。
新NISAへの移行手続きを後回しにしてしまう
旧制度から新NISAへの移行は基本的に証券会社側で自動的に案内・処理されるケースが多いですが、金融機関の変更や非課税枠の管理方法など、手続きの内容は証券会社によって異なる場合があります。制度の詳細や自分の口座の状況については、利用している証券会社や金融庁の公式情報で確認することをおすすめします。
積立額はどう決めた?家計の中での位置づけ
Aさんが3年間で積立額をどう調整してきたかを、家計の中での位置づけとあわせて整理すると、次のようになります。
| 時期 | 毎月の積立額 | 家計での位置づけ | |—|—|—| | 1年目(2023年) | 1万円 | 「まず慣れる」ための最小限の金額。生活防衛資金は別に確保 | | 2年目(2024年) | 2万円 | ボーナス時期に増額を検討したが、暴落局面もあり据え置きを継続 | | 3年目(2025〜2026年) | 2万円(据え置き) | 昇給分は別途、緊急予備費や他の目的に配分 |
この推移から分かるのは、積立額を「増やせるから増やす」のではなく、「暴落しても生活に影響が出ない金額かどうか」を基準に決めていた点です。収入が増えたからといって積立額を無条件に引き上げるのではなく、まず生活防衛資金や他の目的(住宅資金・教育資金など)とのバランスを考えることが、結果的に無理のない継続につながったといえます。
よくある疑問 積立額を変更・停止してもいい?
つみたてNISAを続ける中では、「積立額を変えてもいいのか」「一時的に止めても問題ないのか」という疑問を持つ人も少なくありません。
一般的には、積立額の変更や一時停止は多くの証券会社でオンライン手続きにより可能とされています。ただし、頻繁に金額を変更したり、値下がりのたびに停止・再開を繰り返したりすると、かえって「高いときに再開して、安いときに止めてしまう」といった逆効果になりかねません。
生活状況が大きく変わった場合(収入減少・大きな出費の発生など)に見直すのは自然なことですが、単に「値下がりが不安だから」という理由だけで頻繁に操作することは避け、あらかじめ決めた方針に沿って淡々と続けることが、長期的には基本的な考え方とされています。手続きの詳細は、利用している証券会社の公式サイトで確認してください。
制度・税制は変わることがあります
NISAの非課税保有限度額や対象商品などの制度内容は、税制改正などによって将来変更される可能性があります。本記事の内容は2026年7月執筆時点の情報にもとづいており、最新の制度内容については必ず金融庁や利用する証券会社の公式サイトでご確認ください。
また、投資信託の運用によって利益が出るか損失が出るかは市場環境によって変動し、将来の運用成果を保証するものではありません。過去の値動きも、将来の成果を約束するものではない点にご注意ください。
まとめ つみたてNISAは「相場との戦い」より「自分との付き合い方」
つみたてNISAを3年続けて分かったのは、値下がり局面そのものよりも、そのときに「やめたくなる気持ち」とどう向き合うかのほうが、継続を左右するということでした。無理のない金額設定と、値動きを見る頻度を減らす工夫が、結果的に続けやすさにつながったという今回のケースは、多くの初心者にとって参考になるのではないでしょうか。
もちろん、つみたてNISAにも元本割れのリスクは常に存在し、今回のケースのように継続できれば必ず資産が増えるとは限りません。投資を検討する際は、この記事の内容を判断材料のひとつとしつつ、ご自身の収入やリスク許容度に合わせて、余剰資金の範囲で慎重に判断してください。本記事は特定の金融商品の売買を推奨するものではなく、投資は自己責任で行っていただくようお願いいたします。
焦って積立額を増やしたり、値下がりに慌てて解約したりせず、まずは無理のない金額から、長く続けられる仕組みづくりを意識してみてはいかがでしょうか。

