ルフィ「なんだ?」
ゾロ「大事な話だ……よく聞いてくれ」
ルフィ「おう」
ゾロ「ルフィ……お前、帝京平成大学を受けてみる気はねェか?」
ルフィ「!?」
ゾロ「そうだ」
ルフィ「だけど、おれは海賊王になるんだから受験なんかしてるヒマねェぞ」
ゾロ「お前らしくもねェな、ルフィ」
ゾロ「だったら……“大学王”になりゃァいいだろうが!」
どん!!!
ルフィ「そっか!」
ルフィ「その帝京平成大学ってのはどうなんだ?」
ゾロ「どうなんだってのは?」
ルフィ「どうすげェんだ?」
ゾロ「その言葉を待ってたぜ……」
ゾロ「帝京平成大学のここがすごい!!!」
ルフィ「!?」
ルフィ「一万人!?」
ルフィ「すんげえ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
ゾロ「しかも全員が精鋭だ。たぶん覇王色の覇気も効かねェだろう」
ルフィ「全員仲間にしてェな!」
ゾロ「なにいってやがる。大学に入れば全員仲間じゃねェか」
ルフィ「しししっ、そうだな!」
ルフィ「おおっ!」
ルフィ「ところで東京と千葉ってどんな場所なんだ?」
ゾロ「……こっちでいうとマリージョアとラフテルみたいなもんだ」
ルフィ「すんげえ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
ここだけ嫌い
ルフィ「つまり30歳か! おれよりずっと年上じゃねェか!」
ゾロ「ああ、30年も経営を続けるなんて並みの大学じゃできねェ」
ゾロ「5年、長くて10年で廃校になるのがオチだ」
ルフィ「帝京平成大学ってすげェんだな!」
ゾロ「“大学王”を目指すに相応しい大学だ」
ゾロ「そして、帝京平成大学のスゴさを全部ひっくるめて、こう表現するんだ」
5年で廃校になったところあるのかよ
どん!!!
ルフィ「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!」
うおおおおおおお!
ゾロ「そういってくれると嬉しいぜ」
ルフィ「そうだ!」
ルフィ「だったらどうせならみんなで受けてみねェか!?」
ゾロ「そりゃいいな」
ルフィ「よーし、まずナミから誘ってみるか!」
ルフィ「おう!」
ナミ「別にいいけど……私に向いてるような学科はあるの?」
ゾロ「お前は……そうだな」
ゾロ「金にがめついし、一味の財布のヒモを握ってるから……」
ゾロ「≪現代ライフ学部 経営マネージメント学科 経営マネージメントコース≫あたりがいいだろう」
ナミ「ふうん、面白そうね」
ナミ「分かった、私も受ける!」
ウソップ「だけど、おれが入れるような学部はあんのか?」
ルフィ「ゾロ、どうだ?」
ゾロ「ウソップは故郷で、ウソップ海賊団を結成してたよな」
ウソップ「おう、あいつら元気にしてるかな……」
ゾロ「お前は子供に好かれる性質らしいから」
ゾロ「≪現代ライフ学部 児童学科 小学校・特別支援コース≫を目指すといいだろう」
ウソップ「よーし、がんばって勉強してみるか!」
ルフィ「サンジ、お前も受けろ!」
サンジ「かまわねェが……おれが入れるような学部はあんのか?」
ゾロ「ある」
ゾロ「仮にもお前はウチのコックだからな」
ゾロ「≪健康メディカル学部 健康栄養学科≫でさらに腕を磨くといいだろう」
サンジ「……悪くねェな」
ルフィ「じゃあ一緒に行こう!!!」
どん!
チョッパー「おれ向きの学部はあるのか?」
ゾロ「お前もさっきのコックと同じく、行くべき学部は分かりやすいな」
ゾロ「≪薬学部 薬学科≫で“特効薬”を目指せ!」
チョッパー「そうする!」
ルフィ「だろ!?」
ロビン「それとその帝京平成大学、私と同い年なのね。親近感も湧くわ」
ロビン「だけど、考古学に関する学部はあるの?」
ゾロ「ない」
ゾロ「だが、幼い頃から数々の組織を渡り歩いてきたお前なら――」
ゾロ「≪現代ライフ学部 人間文化学科 グローバルコミュニケーションコース≫がオススメだ」
ゾロ「ここで学んだ経験は、きっと考古学にも役に立つ」
ロビン「遺跡調査では、現地人とのコミュニケーションは欠かせないものね」
ゾロ「ない」
すこ
ルフィ「フランキー、お前も受けろよ!」
フランキー「だけどおれァもういい年だぜ? 手に職も持ってるし、今さら学ぶことも……」
ゾロ「学ぶのに年なんざ関係ねェだろうが!!!」
どん!!!
フランキー「その通りだ……!」
ゾロ「お前は船大工だからな。≪健康メディカル学部 医療科学科 臨床工学コース≫で」
ゾロ「医療機器について学べば、船大工としてのキャリアにも必ず役立つ」
フランキー「勉強のためにコーラいっぱい買ってくるかァ!」
いや、こじつけやろ
言うほど役立つか?
ここ無理やりすぎる
ルフィ「ブルック、お前も受けろ!」
ブルック「えぇ〜!? 私死んでますけど、大丈夫なんでしょうか?」
ゾロ「平気だ」
ゾロ「お前は音楽家だから、≪現代ライフ学部 人間文化学科 メディア文化コース≫で」
ゾロ「芸術的センスをさらに磨くことができるはずだ」
ブルック「ヨホホホホ、この年になって勉強なんて、生きがいを感じちゃいますね」
ブルック「私、死んでますけど!」
ルフィ「仲間になったばかりだけど、お前も受けろよ、ジンベエ!」
ジンベエ「ええ……!? でもわし魚人――」
ゾロ「問題ない。魚人も受験できる」
ジンベエ「しかし、わしのようなもんを受け入れてくれる学部があるんかのう?」
ゾロ「お前は魚人空手や魚人柔術の使い手……」
ゾロ「≪健康医療スポーツ学部 柔道整復学科 トレーナー・柔道整復コース≫が向いている」
ジンベエ「分かった……わしも受けよう!」
でもわし魚人好き
ゾロ「一味で入学するのもいいかもしれねェな」
ウソップ「だけどよ……やっぱり帝京平成大学って入るの難しいんだよな?」
ゾロ「ああ……大学界の“四皇”の一つともいわれてる」
ナミ「よ、四皇……」
ロビン「難関ね……」
ルフィ「未来の大学王のクルーが、今から怖気づいてどうすんだ!!!」
ゾロ「その通りだ」
ゾロ「帝京魂ィ!!!」
オーッ!!!
ゾロ「……」カリカリ…
ルフィ「ナミ、この問題分かるか?」
ナミ「どれどれ……」
ウソップ「勉強ってのも案外楽しいもんだな」
サンジ「ああ、心なしか料理の腕前も上がった気がするぜ」
チョッパー「おれ、絶対薬学部に入るぞ!」
ブルック「まあまあといったところですね。なかなか骨のある模試でした」
ロビン「私はA判定だったわ」
ジンベエ「おおっ、流石じゃのう。わしももっと勉強せにゃいかんわい」
どんっ!!!
ルフィ「ここが帝京平成大学か〜」
ナミ「へぇ〜、ステキな大学じゃない」
ウソップ「ウソみてェにすげェ大学だな……」
サンジ「可愛い子もいっぱいいるしな」
チョッパー「おれ絶対ここに入るぞ!」
ロビン「楽しみね」
フランキー「いいキャンパスだな! きっと一流の大工が建築したんだろう」
ブルック「ヨホホホホ、緊張してきましたよ」
ジンベエ「わしらを見ても平然としとる。ここの学生はみんな肝っ玉がすわっとるのう」
ルフィ「いくぞぉっ!」
ゾロ「帝京魂ィ!!!」
――――
結果発表日――
ゾロ「じゃあ結果を見に行くぞ」
ナミ「自己採点では大丈夫だったけど、どうかしら」
チョッパー「おれ、名前書き忘れてたかもしれねェ……」
ウソップ「絶対落ちてるわ、おれ……」
フランキー「おいおい、今から落ちた気分になってどうすんだよ」
ウソップ「おれもだ……これウソじゃねェだろうな」
サンジ「ふぅ〜……番号があったぜ」
チョッパー「おれも受かってたぞ! これで大学通えるんだな!」
ロビン「受かってたわ」
フランキー「いよっしゃァ〜〜〜〜〜! おれの番号もあったぜェ!」
ブルック「私の番号もありました! 生きててよかったァ!」
ジンベエ「わしも受かってたわい……」ホッ
サンジ「ちっ、てめェも受かってたのかよ」
ゾロ「……あれ? そういやルフィは?」
ナミ「さっき、予備校に駆け込んでったわよ」
ゾロ「!?」
草
ゾロ「まさかルフィが落ちちまうとは……帝京平成大学のここがすごい!!!」
おわり
就活生「帝京平成大学 現代ライフ学部 人間文化学科 グローバルコミュニケーショ」面接官「手短にといったはずですが」