農家の納屋に不釣り合いな機械は、小池氏が自作したキュウリの自動仕分け装置。大型のディスプレーとその上を覆う透明なアクリル板、小型カメラ、パソコンなどで構成する。小池氏はこの装置を使って収穫したキュウリの仕分け作業をするのが日課になっている。
使い方はいたって簡単。アクリル板の上にキュウリを載せると、真上にあるカメラが自動で撮影する。得られた画像データから「長さ」や「曲がり具合」「太さ」などの特徴をAIが解析し、独自に決めた9等級の出荷基準へ自動分類してくれる。AIによる判定精度は約8割。最終的には小池氏自身が選別しており、サポート役という位置づけだが「作業効率は4割程度高まった」という。
驚くべきはコストだ。パソコンを除いた装置のコストは「カメラなどを含めても2万円程度」(小池氏)という。個人農家である小池氏が、AIを活用したキュウリの仕分け装置を格安で自作できた理由はなぜか。
「アルファ碁」の登場がきっかけ
小池氏はもともと自動車部品メーカーのソフトウエア技術者。30代となり実家の家業を継いだが、当初は「農業の作業効率の低さに愕然とした」という。
とりわけ小池氏自身が非効率だと感じたのが仕分け作業だった。等級ごとに選別して出荷すれば品質の良いキュウリは高値で売れるが、収穫のピーク時には仕分け作業に追われることになる。IT(情報技術)化を進めたくても、「企業に依頼すればシステムは数百万円を超えてしまう」(小池氏)ため導入も難しかった。
解決策はなさそうに思えたが、農家に転じて2年後の2016年に思わぬニュースが飛び込んできた。米グーグルのAI「アルファ碁」が世界トップ級のプロ棋士を破ったのだ。同社はAIの深層学習(ディープラーニング)を実現するソフトウエアを無償提供している。「これはキュウリの仕分けに応用できるのでは」と考え、自作を決意する。
もっとも小池氏自身はソフトウエア技術者だが「AIに関しては素人」。だがグーグルのソフトウエアは使い方などの学習ツールも充実しており「特に難しさはなかった」と振り返る。その証拠に初号機はわずか1週間で完成。このソフトウエアと汎用のカメラやパソコンを組み合わせたことが、低コストでの自作システムを実現できた秘密と言える。「ソフトウエア開発の経験があれば、誰でも手軽に開発できる」と小池氏は言い切る。
現在、作業に使う装置は3号機。深層学習に向けて、キュウリ1等級あたり約4000本の画像を読み込ませている。IT大手のシステムに比べると性能面では劣るかもしれない。ただ、個人農家でも低コストでAIを導入できたことは衝撃的といえるだろう。
収穫忘れをなくす
小池氏はAIによる深層学習を別の農作業にも活用していく考え。現在進めているのは、キュウリ収穫の見逃し防止だ。「キュウリは傷みやすくベストな収穫時期は数日間しかない。葉や茎と同じ色なのでこれまで1割程度は見逃しがあった」と小池氏は語る。
開発中のシステムでは、カメラで撮影した農場の映像をAIで解析しキュウリの位置を画像認識する。収穫作業時にカメラで認識すればアラームなどで知らせることで収穫の見逃しを防止するシステムの導入を目指すという。
仕分け作業では選別精度をさらに高めていくだけでなく、梱包までの自動化を最終目標に掲げる。試作の2号機では、ベルトコンベアーと組み合わせて等級判定後のキュウリを自動搬送する検討も進めていた。「搬送時にキュウリが痛むのが課題。ハードルは高いが何とか実現させたい」と小池氏は語る。
なぜ小池氏はここまで農作業の効率化にこだわるのか。その理由を小池氏は「本来は高値で売れる等級のキュウリの収率を高めること。なのに今は収穫後に高値で売れるものを探す作業に追われている」と明かす。一見すると収入増につながるキュウリの仕分け作業だが、本業にまい進できれば不要になる可能性すらあるというわけだ。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/221102/051100577/
楽しそうだなw
このような社会的な非効率はあってはならない
技術を生かすという観点でみれば極めて効率的だ。
日本のメーカーが弱くなったのは技術そのものしか見てないのが一因だ。
〇材料費2万円
開発兼材料費2万円
人件費は0円
これが正しい認識
ナニに使うんですか?
できたとしてそれは金になるのかね?
馬鹿は本当に何も考えない。
単位面積あたり、単位時間あたりの効率突き詰める農業なんだよな
IT導入にめっちゃ向いてると思うわ
一週間でどれだけ取られるだろうなw
そんなもん見たらわかるし
箱詰めして出荷伝票作ってくれんじゃねーのか
いちいちアクリル板乗っけてAIにお伺いして箱詰めかよ
ベルトコンベアーと連動させてなんぼだな。
やってるんだけど、選別後の仕分けの動作が難しいというか、素人では無理らしい。
まあそうだろう。
プログラムやデータ貯めて学習はパソコン上で完結できるが、きゅうりを物理的に別の場所に移動させるには制御されたデバイスが必要でそれは結構高いモーターと制御システムが必要になる。
まじでそれ
だから、この人がこのシステムを3万円で売れば済む話。
完全な仕分けが出来るわけじゃないから安いよ、
最後は自分で見極めてね、って説明して売れば良いんだし。
こんなんだから日本のITが発展しないんだよ
実態は、奴隷として連れてこられたカッパの子供達。
ただキュウリは栄養が少ない1番の野菜としてギネスブックに載っていること。
ベテランでも、考えずに仕分けできるから、使えるかも
収穫期以外ずっとその設備が持ち腐れになっちゃう
なんで選果を個人にやらせてるんだ
この人がすごいのは、誰でも思いつきそうなことを実践したこと。妬んでないで色々やってみな、オマエラも。