「貸株サービスで金利がもらえる」と聞いて、気になっている方は多いかもしれません。結論から言うと、貸株は保有している株を証券会社に貸し出し、その対価として金利を受け取る仕組みです。ただし、株主優待や議決権など「株主としての権利」に影響が出ることがあり、「放置しておくだけで得をする」と考えるのは危険です。
この記事では、貸株の基本の仕組みと、初心者が確認したい3つの注意点、申し込み前の確認ステップを順番に解説します。
貸株サービスとは?持っている株を証券会社に貸す仕組み
貸株サービスとは、投資家が保有している株を証券会社に貸し出し、その見返りとして「貸株金利」を受け取るサービスです。借りた株は、証券会社を通じて信用取引の売り(空売り)をしたい人などに貸し出されます。
株を貸している間も、株そのものは自分のものとして残ります。ただし、貸している間は株主としての権利の一部が通常とは異なる扱いになります。
貸株金利の考え方(仮の数字例)
金利は証券会社や銘柄ごとに異なり、日々変わることがあります。ここでは計算のイメージをつかむため、仮の数字で考えてみます。
| 項目 | 仮の数字 |
|---|---|
| 貸した株の評価額 | 100万円 |
| 貸株金利(年率) | 0.5% |
| 1年間の金利(税引前) | 約5,000円 |
あくまで仮の例です。実際の金利は、証券会社の公式サイトで「対象銘柄」「金利」「条件」を必ず確認してください。金利は将来も続くとは限りません。
貸株で初心者が知っておきたい3つの注意点
注意点1:株主優待や議決権に影響することがある
貸株をしている間は、株主優待を受け取れなかったり、議決権を行使できなかったりすることがあります。優待の権利確定日をまたいで貸株にしていると、優待の対象外になる場合があるため、優待目的で持っている銘柄は特に注意が必要です。
取り扱いは証券会社によって異なります。権利確定日の前に貸株を止める必要があるのか、どのくらい前に手続きが必要なのかは、各社の案内を確認しましょう。
注意点2:配当金は「配当金相当額」として扱われることがある
貸株中に配当が出る場合、通常の配当金ではなく「配当金相当額」として受け取る扱いになることがあります。税金の区分や、NISA口座での非課税の扱いが通常の配当金と異なる場合があるため、事前に確認が欠かせません。
税金の具体的な扱いは状況によって変わります。詳しくは、利用する証券会社の案内や、税務署・税理士に確認してください。
注意点3:貸株でも元本割れしうる。金利は「おまけ」と考える
貸株の金利を受け取れても、貸している株の価格が下がれば、資産全体としては元本割れすることがあります。金利は株価下落を埋め合わせてくれるものではありません。
また、貸し出した株は、証券会社が破綻した場合などに返還までに時間がかかる、または影響を受ける可能性があります。多くの場合は担保などの仕組みがありますが、「絶対に安全」とは言えません。金利はあくまで「おまけ」程度に考え、株を持つ目的(長期の資産形成など)を最優先にしましょう。
貸株を使う前の確認3ステップ
- 目的を確認する:優待・配当・議決権を大切にしたい銘柄なのか、長期保有で特にこだわりがない銘柄なのかを整理する。
- 証券会社の条件を読む:金利、対象銘柄、優待・配当・議決権の扱い、解除の方法と期限を公式サイトで確認する。
- 一部の銘柄から試す、またはやらない選択も持つ:全部の株を貸さず、影響の少ない銘柄に限る。内容に納得できなければ、利用しなくても問題ありません。
初心者がやりがちなNG行動
- 「金利がもらえる」という点だけで、確認せずに全銘柄を貸株にしてしまう
- 優待目的の銘柄を貸株にしたまま権利確定日を迎えてしまう
- 金利を理由に、買う予定のなかった銘柄を買ってしまう
まとめ
貸株サービスは、保有株を貸して金利を受け取る仕組みですが、優待・議決権・配当金の扱いに影響が出ることがあります。金利は将来変わりうる「おまけ」と考え、申し込む前に証券会社の条件を必ず確認しましょう。
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買や貸株サービスの利用を推奨するものではありません。株式投資には元本割れのリスクがあります。投資は自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。制度や条件は変わる場合があるため、最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください(本記事は2026年10月時点の一般的な内容です)。
📰 出典:日本証券業協会(JSDA)

