2026年9月28日の東京株式市場で、日経平均株価は6営業日ぶりに反落しました。朝方は一時6万7000円台に乗せる場面もあったのに、終わってみれば前週末比486円安。「上がっていたのに、なぜ急に下がったの?」と戸惑った方もいるかもしれません。
こうした場面では、「もう天井なのでは」「今のうちに売るべき?」と気持ちが揺れやすくなります。一方で、ニュースの見出しだけを追っていても、自分の資産形成にどう関係するのかは見えてきません。
この記事では、9月28日の値動きを事実ベースで整理したうえで、「利益確定売り」「長期金利の上昇」「海外市場の影響」といったキーワードが何を意味するのかを、初心者〜中級者の方向けに解説します。そして、こうした日々の値動きに振り回されず、長期・分散・積立で資産形成を続けるための考え方につなげていきます。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資は自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。
9月28日の東京株式市場で何が起きたのか
まずは、報道されている事実を整理します。
📰 出典:日本経済新聞「日経平均大引け 6日ぶり反落 486円安の6万5877円」
報道によると、9月28日の日経平均株価(大引け)は前週末比486円58銭(0.73%)安の6万5877円62銭で、6営業日ぶりの反落となりました。同じ日のTOPIX(東証株価指数)は16.59ポイント(0.40%)安の4,112.00、東証プライム市場の売買代金は約8兆2,028億円と伝えられています。
朝は「買い」、引けにかけて「売り」が広がった
この日の値動きの特徴は、朝と夕方で表情が違ったことです。
📰 出典:日本経済新聞「東証大引け 日経平均は6日ぶり反落 利益確定売り、韓国株安が重荷」
- 朝方は、前週末の米国で半導体株が上昇した流れを受け、AI・半導体関連の一部銘柄に買いが入り、日経平均は600円あまり上昇して8月18日以来およそ1カ月半ぶりに6万7000円台に乗せる場面があった
- しかし、節目に到達したことによる達成感もあり、次第に利益確定の売りが広がった
- 半導体株の比重が高い韓国総合株価指数(KOSPI)が下落したことも重荷になった
- 国内債券市場では長期金利が一時3.095%と3.1%に迫り、株式の割高感を警戒する売りも出た
- 結果として、大引けにかけて下げ幅が拡大し、安値引けとなった
前週末までの5営業日で日経平均は3,000円近く上昇していたとも報じられています。つまり、「かなり上がったあとの一服」という側面が強い1日だったといえます。
なお、上記の数値や要因は報道時点のものです。最新の数字や詳細は、各報道や取引所などの公式情報でご確認ください。
用語をおさえよう:利益確定売りとは?
ニュースでよく見かける「利益確定売り」は、初心者の方にとって少し分かりにくい言葉かもしれません。
利益確定売りの意味
株価が上がって含み益(まだ売っていないが、買値より値上がりしている状態の利益)が出ている人が、その利益を確定させるために売ることを指します。「上がったところで一旦売っておこう」という動きです。
一斉に多くの人が同じ行動をとると、売り注文が増えて株価が押し下げられやすくなります。特に、次のようなタイミングで出やすいといわれています。
- 株価が短期間に大きく上昇したあと
- 「6万7000円」のようなキリのいい数字(節目)に到達したとき
- 決算発表や重要な経済指標の前後
「利益確定売り=相場の終わり」ではない
ここで注意したいのは、利益確定売りで下がったからといって、「上昇相場が終わった」とは限らない点です。上がったあとに一息つくのは、相場ではごく普通の動きです。反対に、利益確定売りが出たあとに再び上昇することもあれば、そのまま下落が続くこともあります。
先行きを言い当てることは、プロの投資家でも簡単ではありません。私たち個人が1日の値動きだけで「この先はこうなる」と判断するのは、あまり現実的ではないでしょう。
長期金利が3.1%に迫ると、なぜ株に影響するのか
この日の材料のひとつとして、長期金利の上昇が挙げられていました。金利と株価の関係も、押さえておくと市況ニュースが読みやすくなります。
一般論としての金利と株価の関係
あくまで一般論ですが、金利が上がると株式にはマイナスに働きやすいといわれています。主な理由は次のとおりです。
- 相対的な魅力の変化:債券などの利回りが上がると、株式の魅力が相対的に下がる(安全性の高い資産でそこそこの利回りが得られるなら、値動きの大きい株式を持つ必要性が薄れる)
- 企業の借入コスト増:金利が上がると、企業が借り入れをするときの利子負担が増える可能性がある
- 株価の理論的な評価の低下:将来の利益を現在の価値に割り引く際の割引率が上がり、理論上の株価が下がりやすくなる
ただし、これは「金利が上がれば必ず株が下がる」という意味ではありません。金利が上がる背景が景気の強さであれば、企業業績も伸びて株価が上がる場合もあります。実際の値動きは、さまざまな要因が重なって決まります。
金利は資産形成にも関係するテーマ
金利は株価だけでなく、住宅ローンや預金金利、債券の価格など、家計にも幅広く影響します。市況ニュースで「長期金利が上昇」と出たときは、株価の話にとどまらず、「自分の保有資産や借入は金利の影響を受けやすいか?」と考えるきっかけにするのがおすすめです。
筆者の考察:1日の値動きに、私たちはどこまで反応すべきか
ここからは、事実ではなく筆者の私見です。あくまで一つの考え方としてお読みください。
「節目」は人の心理が作る目印にすぎない
「6万7000円」「7万円」といったキリのいい数字は、ニュースの見出しにもなりやすく、私たちの意識を強く引きつけます。しかし、その数字そのものに特別な意味があるわけではありません。多くの人が「節目だ」と意識するために、売買が集中しやすい、というのが実態に近いと考えられます。
つまり、節目付近での値動きは、企業の実力や経済の実態というより、投資家の心理に左右されている面がある、ということです。そうした値動きに、長期で資産形成をしている個人がいちいち反応する必要性は、それほど高くないのではないでしょうか。
「上がったから不安」「下がったから不安」の両方が起こる
株価が大きく上がると「高値づかみが怖い」、下がると「もっと下がるかも」と、どちらに動いても不安になるのが人間です。この心理を理解しておくと、ニュースを見たときに一呼吸おきやすくなります。
とくに、上昇が続いたあとの下落は、「せっかく増えた資産が減った」という感覚(損失回避の心理)を刺激しやすいものです。そんなときこそ、ルールを決めて淡々と続ける姿勢が助けになります。

「ニュースで『反落』って見ると、持っている投資信託も売った方がいいのかなって思っちゃいます…」

「その気持ちはよく分かります。でも1日の値動きは、長期の資産形成から見ればほんの一コマ。まずは自分の投資の目的と期間を思い出してみましょう」
資産形成への発展:ニュースを「自分の行動」に置き換える
ここからは、ニュースから得られる学びを、具体的な行動に落とし込んでみましょう。
学び1:自分の投資の「目的」と「期間」を再確認する
老後資金なのか、10年後の教育費なのか、あるいは数年内に使う予定のお金なのか。目的と期間によって、許容できる値動きの幅は変わります。
一般に、当面使う予定のあるお金は、値動きのある投資には向かないといわれます。反対に、使うのが何十年も先の資金であれば、途中の値動きに耐えながら続ける、という選択肢が取りやすくなります。
学び2:積立投資は「高値も安値も」平均化する仕組み
毎月一定額を積み立てる方法(ドルコスト平均法)では、価格が高いときには少なく、安いときには多く買い付けることになります。購入価格を分散させることで、「いつ買うのが正解か」を悩まずに続けやすい仕組みです。
ただし、これは「必ず得をする」方法ではありません。相場が長期にわたって下落し続ければ、元本割れになる可能性もあります。あくまで「タイミングを読むことの難しさに対処する一つの方法」と理解しておきましょう。
学び3:資産配分(アセットアロケーション)を点検する
株価が大きく上昇した局面では、気づかないうちに株式の比率が高まっていることがあります。たとえば「株式70%・債券30%」で始めたつもりが、株価上昇で「株式80%」になっているような状態です。
こうしたときは、当初決めた配分に戻す「リバランス」を検討する方法もあります。ただし、リバランスにも売買手数料や税金がかかる場合があるため、自分の状況に合わせて、必要であれば専門家や証券会社の窓口に相談するとよいでしょう。
学び4:情報源を絞り、見る頻度を決める
市況ニュースを毎日何度も確認すると、それだけ感情が揺さぶられる機会が増えます。長期投資であれば、「月に1回、資産配分を確認する」など、見る頻度をあらかじめ決めておくのも一つの方法です。
具体的なアクション・心構え
最後に、今日から実践できる心構えをまとめます。
- 1日の値動きで売買を判断しない:反落や続伸の見出しだけで慌てて行動しない
- 「なぜ動いたか」の解説記事を読む習慣をつける:利益確定売り、金利、海外市場など、キーワードを一つずつ理解していく
- 積立は淡々と続ける:あらかじめ決めた金額・頻度を、相場の状況に左右されすぎず続ける
- 資産配分を年1回程度は見直す:株式や投資信託の比率が偏っていないかを確認する
- 生活防衛資金は別に確保する:生活費の数か月分は、投資とは別に現金で持っておくと、相場下落時にも慌てにくい
注意点・NG行動
以下のような行動は、後悔につながりやすいので注意が必要です。
- 「天井だ」と決めつけて全部売る:先行きを断定することはできません。売ったあとに上昇が続くこともあります
- 「押し目だ」と考えて、借金や生活費で買い増す:余剰資金の範囲を超えた投資は、下落時に大きな負担になります
- SNSの「今が買い」「今が売り」という投稿を鵜呑みにする:SNS上には、根拠のあいまいな強い言い切りも見られます。投稿者の立場や根拠を確認できない情報で、大切なお金の判断をしないようにしましょう
- 短期の値動きだけで投資先を頻繁に乗り換える:売買のたびに手数料や税金がかかり、かえって成果を損なうことがあります
- 値上がりした銘柄だけを見て集中投資する:一つの銘柄やテーマに偏ると、下落時の影響が大きくなります
また、日経平均株価は市場全体の動きを示す指標の一つにすぎません。個別の銘柄や投資信託の値動きは、日経平均とは異なる動きをすることも普通にあります。
まとめ:反落は「よくある1日」、大切なのは続ける仕組み
9月28日の日経平均は、5営業日で3,000円近く上昇したあとの利益確定売り、韓国株の下落、長期金利の上昇といった材料が重なり、6営業日ぶりに反落しました。
- 利益確定売りは、上昇後によく見られる動きで、相場の終わりを意味するとは限らない
- 金利と株価の関係は一般論として押さえつつ、断定はしない
- 節目の数字に心を動かされすぎず、自分の目的と期間に立ち返る
- 積立・分散・長期を基本に、資産配分を定期的に点検する
株式や投資信託などの投資商品には、価格変動リスクがあり、元本割れとなる可能性があります。日々のニュースは、慌てて行動するためではなく、「自分の投資の方針を見直すきっかけ」として、落ち着いて活用していきましょう。
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資は自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。数値や制度は執筆時点のものです。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。
日経平均が9月28日に6営業日ぶり反落。利益確定売り・長期金利上昇・韓国株安を整理し、値動きに一喜一憂せず積立・分散で資産形成を続ける考え方を初心者向けに解説します。

