NISAなのに配当金に税金が? 「株式数比例配分方式」の設定方法と注意点【初心者向け】

株式投資

「NISA口座で株を買ったのに、配当金の明細を見たら税金が引かれていた気がする…」

「NISAって非課税のはずじゃなかったっけ?何か手続きを忘れているのかな」

結論から言うと、NISA口座の配当金を非課税で受け取るには、配当金の受け取り方法を「株式数比例配分方式」に設定しておく必要があります。この設定をしていないと、NISA口座で買った株式であっても配当金にはしっかり税金がかかってしまいます。意外と見落とされがちなポイントですが、この記事では受け取り方式の種類と設定方法、初心者がやりがちなNG行動を初心者向けに整理します。

※ この記事は制度の仕組みを解説する情報提供が目的であり、特定の銘柄・証券会社の利用を推奨するものではありません。投資は自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。

なぜNISAなのに配当金に税金がかかることがあるの?

NISA(少額投資非課税制度)は、口座内で得た配当金や譲渡益にかかる税金が非課税になる制度です。通常、課税口座(特定口座・一般口座)で受け取る上場株式の配当金には、所得税と復興特別所得税・住民税を合わせて20.315%の税金がかかりますが、NISA口座であればこの税金がかかりません。

📰 出典:国税庁「No.1330 配当金を受け取ったとき(配当所得)」

ところが、この非課税の恩恵を受けられるかどうかは「配当金をどの方法で受け取るか」によって変わります。NISA口座で株式を保有していても、受け取り方式の設定次第では課税されてしまうケースがあるのです。これは制度上の落とし穴というより、配当金の受け取り方式にはもともと複数の種類があり、それぞれ非課税かどうかの扱いが異なることが原因です。

📰 出典:日本証券業協会「NISA口座における上場株式の配当金等受取方式に関する注意事項」

配当金の受け取り方式は3種類 まずは違いを整理

上場株式の配当金を受け取る方法には、主に次の3つの方式があります。それぞれ仕組みが異なるため、まずは違いを理解しておきましょう。

| 受け取り方式 | 仕組み | NISA口座での非課税 | |—|—|—| | 株式数比例配分方式 | 証券会社の取引口座に、保有株数に応じて自動的に入金される | 対象になる | | 登録配当金受領口座方式 | あらかじめ指定した1つの銀行口座に、すべての銘柄の配当金がまとめて振り込まれる | 対象外(課税) | | 配当金領収証方式 | 発行会社の株式事務代行機関から届く「配当金領収証」を、郵便局等の窓口に持参して受け取る | 対象外(課税) |

この中で、NISA口座の非課税メリットを受けられるのは「株式数比例配分方式」を選んでいる場合のみです。登録配当金受領口座方式や配当金領収証方式を選んでいると、たとえNISA口座で買った株式であっても、配当金には通常どおり税金がかかってしまいます。

📰 出典:日本証券業協会「NISA口座における上場株式の配当金等受取方式に関する注意事項」

なぜ「株式数比例配分方式」だけがNISA非課税の対象なの?

理由を簡単に言うと、株式数比例配分方式は「証券会社の口座」を通じて配当金が支払われる仕組みになっているためです。証券会社側でその配当金がNISA口座で保有している株式に対するものかどうかを把握できるので、非課税の管理がしやすくなっています。

一方、登録配当金受領口座方式や配当金領収証方式は、証券口座を経由せず銀行口座や窓口で受け取る仕組みのため、証券会社側でNISA口座分と課税口座分を区別して非課税処理をすることができません。そのため、この2つの方式では源泉徴収された状態(税引き後の金額)で配当金が支払われる扱いになります。

📰 出典:日本証券業協会「NISA口座における上場株式の配当金等受取方式に関する注意事項」

なお、複数の証券会社に口座を持っている場合、「株式数比例配分方式」を選ぶと、すべての証券会社の口座でこの方式が適用される点にも注意が必要です。一部の証券会社だけ別の方式にする、という選び方はできません。

株式数比例配分方式への設定方法 4ステップ

設定自体は難しいものではありません。証券会社によって画面の名称は多少異なりますが、一般的な流れは次のとおりです。

  1. 利用している証券会社にログインする:NISA口座を開設している証券会社のウェブサイト・アプリにログインします
  2. 「配当金受取方法」や「配当金受領サービス」の設定画面を探す:口座管理・お客様情報などのメニュー内にあることが多いです
  3. 「株式数比例配分方式」を選択する:他の方式になっている場合は、この方式に変更します
  4. 設定内容を確認する:変更が反映されているか、次回の配当金支払いに間に合っているかを確認します

📰 出典:SBI証券「配当金受領サービスとはどのようなものですか?」

すでに株式数比例配分方式を選んでいる場合は、特に対応は不要です。心配な方は、一度自分の証券口座の設定画面を確認してみることをおすすめします。

見落としがちな注意点 権利確定日との関係

設定方法自体はシンプルですが、初心者がつまずきやすいのが「タイミング」です。配当金を非課税で受け取るためには、その株式の権利確定日までに株式数比例配分方式へ変更しておく必要があるとされています。配当金が実際に支払われるタイミングで慌てて設定を変更しても、その回の配当には間に合わない可能性があります。

📰 出典:日本証券業協会「NISA口座における上場株式の配当金等受取方式に関する注意事項」

「権利確定日」とは、その決算期の株主として配当を受け取る権利が確定する日のことです。NISA口座で高配当株や株主優待株の保有を考えている方は、権利確定日を待たずに、口座開設のタイミングであらかじめ株式数比例配分方式に設定しておくと安心です。

初心者がやりがちなNG行動

  • 証券口座を開いた勢いで設定を後回しにする:口座開設時のデフォルト設定が証券会社によって異なる場合があるため、「たぶん大丈夫だろう」と思い込んで確認しないまま放置してしまうケースが見られます
  • 複数の証券会社で別々の方式にしようとする:前述のとおり株式数比例配分方式は全口座共通の設定になるため、証券会社ごとに使い分けることはできません
  • 課税されたことに気づかず放置する:源泉徴収された状態で受け取った配当金について、そのまま気づかずに過ごしてしまうケースもあります。まずは証券会社からの取引報告書や配当金の明細を確認する習慣をつけましょう
  • 「非課税=手続き不要」と思い込む:NISA口座を開設しただけで自動的にすべてが非課税になるわけではなく、配当金については別途この設定が必要という点を理解しておくことが大切です

制度・手数料は変わりうる 最新情報は必ず公式で確認を

配当金の受け取り方式や設定手順は証券会社によって多少異なるほか、税制やNISA制度の詳細は改正される可能性があります。この記事の内容は執筆時点(2026年8月)の情報にもとづいています。実際に設定を行う際は、必ずご自身が口座を開設している証券会社の公式サイトや、日本証券業協会・国税庁など公的機関の最新情報を確認してください。

まとめ 配当金を非課税で受け取るには「方式」の確認を

NISA口座で株式を保有していても、配当金の受け取り方式が「株式数比例配分方式」になっていなければ、非課税のメリットを受けられません。まだ確認したことがない方は、この機会に自分の証券口座の設定を見直してみることをおすすめします。

株式投資には価格変動による元本割れのリスクが伴います。配当金や制度上のメリットだけに注目せず、リスクも理解したうえで、最終的な投資判断はご自身の責任で、余剰資金の範囲で行うようにしてください。

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