iDeCoの運用商品の選び方 元本確保型と投資信託、初心者はどっちを選ぶべき?

株式投資

「iDeCoを始めたはいいけど、運用商品って結局何を選べばいいの?」

「元本確保型なら安心そうだけど、それだけだと逆に損することもあるって聞いて不安…」

結論から言うと、iDeCo(個人型確定拠出年金)の運用商品は大きく「元本確保型(定期預金・保険など)」と「投資信託」の2種類に分かれ、どちらか一方が絶対に正解というものではありません。ただし、元本確保型だけで運用すると、毎月かかる手数料を金利の分だけでは賄いきれず、実質的に目減りしてしまう「手数料負け」が起こりうる点は、初心者ほど見落としがちな注意点です。この記事では、2つの商品タイプの違いと、選ぶときの考え方を整理します。

※ 本記事は2026年8月時点の一般的な情報をもとにした解説であり、特定の運用商品の購入・売却を推奨するものではありません。手数料・制度の最新情報は加入している(または加入予定の)金融機関やiDeCo公式サイトでご確認ください。最終的な商品選びはご自身の責任で行ってください。

そもそもiDeCoの運用商品には何がある? 元本確保型と投資信託の違い

📰 出典:三菱UFJ銀行「iDeCo(イデコ)で運用する商品の選び方とは?元本確保型商品と投資信託の違いについても解説します!」

iDeCoでは、毎月の掛金でどの運用商品を買い付けるかを加入者自身が選びます。商品は大きく分けて次の2種類です。

  • 元本確保型:定期預金や保険商品など。原則として満期時に元本と一定の利息が確保される設計で、値動きによる評価損はほぼ生じません
  • 投資信託:国内外の株式・債券などに分散投資する商品。基準価額が日々変動するため、値上がりで資産が増える可能性がある一方、値下がりで元本を下回る(元本割れする)可能性もあります

「安全なのは元本確保型」というイメージを持つ人は多いですが、iDeCoならではの手数料の仕組みを踏まえると、必ずしもそうとは言い切れない面があります。順番に見ていきましょう。

元本確保型のメリット・デメリット

メリット:値動きを気にしなくてよく、元本割れしにくい

元本確保型は、預けた資産が大きく目減りする心配がほとんどないため、「投資の値動きにストレスを感じたくない」「まずは制度に慣れたい」という人には心理的なハードルが低い選択肢です。

デメリット:金利が非常に低く、資産を増やす効果は限定的

一方で、現在の元本確保型の金利は年0.01〜0.1%程度とごく低い水準にとどまるとされ、長期間預けても増える金額はわずかです。「減らないこと」を優先する代わりに、「増やす」効果はほとんど期待できない点は理解しておく必要があります。

投資信託のメリット・デメリット

メリット:長期的なリターンが期待でき、非課税メリットを活かしやすい

投資信託は元本保証こそありませんが、長期・分散投資によって資産が増える可能性があります。iDeCoは運用益が非課税になるという制度上の大きなメリットがあるため、そのメリットを活かすなら、ある程度の値上がりが期待できる投資信託を組み入れる選択肢が候補になります。

デメリット:基準価額が変動し、元本割れする可能性がある

投資信託は市況によって基準価額が上下するため、受け取り直前に大きく値下がりしていると、想定より少ない金額を受け取ることになる可能性があります。信託報酬(保有中にかかるコスト)が商品ごとに異なる点も、選ぶ際に確認しておきたいポイントです。

見落としがちな「手数料」の仕組み 元本確保型だけだと損をすることも

📰 出典:Yahoo!ファイナンス「iDeCo(イデコ)の手数料一覧|手数料負けのリスクや費用を抑えるコツも解説」

iDeCoには、運用商品の値動きとは関係なく、加入している限り毎月発生する手数料があります。主なものは次の2つです。

  • 国民年金基金連合会に支払う手数料(加入者全員が負担)
  • 事務委託先金融機関(信託銀行)に支払う手数料(加入者全員が負担)

これに加えて、口座を開いている運営管理機関(証券会社・銀行など)によっては、独自の運営管理手数料が上乗せされる場合があります。これらはいずれも、運用成績が良くても悪くても、口座を持っている限り毎月引き落とされる性質のコストです。

ここで注意したいのが、資産をすべて元本確保型で運用している場合です。元本確保型の金利がごく低い水準にとどまる一方で、毎月の手数料は金額が固定されているため、利息が手数料を下回り、口座残高がじわじわ目減りしてしまう「手数料負け」の状態になりうるとされています。「元本確保型だから安全」という言葉だけを鵜呑みにせず、手数料も含めたトータルで資産が増えているかを確認する視点が大切です。

初心者はどう選ぶ? 考え方の目安

受け取りまでの期間が長い人

60歳の受け取りまで期間が長い人ほど、一時的な値下がりを取り戻す時間的な余裕があるとされています。この場合、資産の一部または大部分を投資信託にあて、非課税メリットを活かす考え方が選択肢になります。

値動きに強い不安を感じる人・制度に慣れてから考えたい人

「まずはiDeCoの仕組みに慣れたい」「値動きのある商品に抵抗がある」という人は、無理に投資信託を選ぶ必要はありません。元本確保型から始め、制度への理解が深まったタイミングで配分変更を検討するという進め方もあります。

元本確保型と投資信託を組み合わせる考え方

どちらか一方に全額を振り分けるのではなく、「元本確保型〇割・投資信託〇割」のように組み合わせる方法もよく紹介されています。値動きのある部分とない部分を併せ持つことで、リスクの取り方を自分の状況に合わせて調整しやすくなります。どの配分が正解ということはなく、年齢や家計の状況、リスクをどこまで受け入れられるかによって考え方は人それぞれです。

商品選びでやりがちなNG行動

  • よく分からないまま「初期設定(あらかじめ決められた商品)」に配分が自動的に振り分けられ、そのまま何年も放置してしまう
  • 「元本確保型だから安心」と思い込み、手数料負けの可能性を確認しないまま何年も放置してしまう
  • 退職が近いにもかかわらず投資信託の比率が高いままで、受け取り直前の値下がりで慌てて売却してしまう
  • SNSなどで見た特定の投資信託を、仕組みを理解しないまま選んでしまう

いずれも「よく分からないまま放置する」「情報を鵜呑みにする」ことが共通の原因です。年に一度など、タイミングを決めて自分の配分を見直す習慣を持つことが、こうした失敗を避ける第一歩になります。

まとめ 手数料も含めたトータルで考え、自分に合った配分を

iDeCoの運用商品は「元本確保型」と「投資信託」に大きく分かれ、それぞれにメリット・デメリットがあります。特に、元本確保型だけで運用すると毎月の手数料が金利を上回り、実質的に目減りする「手数料負け」が起こりうる点は、初心者が見落としやすい注意点です。どちらか一方が正解というものではなく、受け取りまでの期間やリスクへの向き合い方に応じて、組み合わせ方を考えることが大切です。手数料や取扱商品の詳細は金融機関ごとに異なるため、最新情報を必ず公式サイトで確認し、最終的な商品選びはご自身の責任で行ってください。

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