
「新NISAって日本株だけじゃなく、米国株にも投資できるって本当?」

「アップルとかマイクロソフトの株、気になってはいるけど何から始めればいいのか分からない…」
結論から言うと、米国株投資は「証券会社で口座を開く → 外国株式取引口座を追加する → 日本円を米ドルに交換する → 銘柄やETFを選ぶ → 少額から購入して長期で持つ」という流れで始められます。ただし、為替変動や個別企業の業績変動によって元本割れする可能性があることに変わりはありません。この記事では、投資初心者の方に向けて、米国株投資の始め方を5つのステップと、始める前に知っておきたい注意点に分けてやさしく解説します。
※ 本記事の制度・税制に関する内容は執筆時点(2026年7月)の情報です。内容は変更される可能性があるため、実際に取引する際は金融庁・国税庁・各証券会社の公式サイトで最新情報をご確認ください。
そもそも米国株投資とは?日本株との違いを知っておこう
米国株投資とは、ニューヨーク証券取引所やナスダックに上場している企業の株式を、日本国内の証券会社を通じて売買する投資方法です。世界的に有名な企業の多くが上場しており、「知っている会社の株主になれる」という分かりやすさから、日本株の次のステップとして興味を持つ初心者の方も増えています。
日本株と比べたときに、米国株投資には次のような特徴があります。
- 通貨が異なる:取引は基本的に米ドル建てで行われるため、円とドルの為替変動が損益に影響します
- 取引時間が違う:米国市場が動くのは日本時間の夜間が中心(サマータイム期間は22時30分頃〜翌5時頃、それ以外は23時30分頃〜翌6時頃が目安)です
- 配当の頻度:四半期ごとに配当を出す企業が多く、配当を重視した銘柄選びをする投資家も多い分野です
- 個別株だけでなくETFという選択肢もある:米国の株価指数(S&P500など)に連動するETF(上場投資信託)を使えば、1つの商品で多くの企業に分散投資することもできます
一般的に、値動きの仕組みや会社の業績で株価が変動するという基本構造は日本株と共通していますが、「為替」という値動きの要因が1つ増える点が大きな違いだと言われています。
米国株投資の始め方 初心者のための5ステップ
ここからは、実際に米国株投資を始めるまでの流れを5つのステップで見ていきます。
1. 証券会社の口座を開設する
まずはネット証券などで総合口座を開設します。すでに日本株や投資信託の取引用に証券口座を持っている場合は、そのまま次のステップに進めることもあります。口座開設時には本人確認書類やマイナンバーの提出が必要になるのが一般的です。
新NISAを活用する場合、「成長投資枠」では国内株式だけでなく、条件を満たす外国株式(米国株を含む)も対象になっています。
📰 出典:金融庁 NISA特設ウェブサイト
つみたて投資枠と違い、成長投資枠は個別株にも利用できる一方、対象商品や上限額には条件があるため、実際に利用する際は証券会社の商品ラインアップと合わせて確認しておくと安心です。
2. 外国株式取引口座を追加開設する
米国株を売買するには、通常の証券総合口座に加えて「外国株式取引口座」の開設が必要になる証券会社がほとんどです。多くの場合、Webサイト上の申し込みだけで手続きが完了し、審査にも数日程度かかるのが一般的です。この段階で、取扱銘柄数や為替手数料、取引手数料など、証券会社ごとのサービス内容を比較しておくとよいでしょう。
3. 日本円を米ドルに交換する
米国株を購入する方法には、大きく分けて「外貨決済」(あらかじめ円をドルに交換してから購入する方法)と「円貨決済」(購入のたびに証券会社が自動で円をドルに交換してくれる方法)の2種類があります。円貨決済は手軽な反面、為替手数料がやや割高になる傾向があると言われているため、取引頻度や金額に応じて使い分けるのが一般的な考え方です。
4. 銘柄やETFを選ぶ
銘柄選びの視点は日本株と共通する部分が多く、業績や財務状況、配当方針などを確認しながら選ぶのが基本です。個別企業の値動きを見るのが不安な方は、S&P500など米国の代表的な株価指数に連動するETFを使うことで、1つの商品を通じて多くの企業に分散投資するという考え方もあります。
なお、「この銘柄が今後上がる」といった断定的な判断は誰にもできません。指標や業績、分散の考え方を判断材料としながら、最終的には自分の判断で選ぶことが大切です。
5. 少額から購入し、長期・分散で保有する
初めての米国株投資では、まとまった金額を一度に投じるのではなく、少額から試してみることをおすすめします。多くの証券会社では1株単位、あるいはそれ以下の金額から購入できるサービスも用意されています。値動きに慣れるまでは無理のない金額で始め、その後の投資額は生活防衛資金を確保した上での余剰資金の範囲で検討するのが基本の考え方です。
米国株投資で初心者が陥りやすいNG行動
米国株投資ならではの失敗パターンもあります。始める前に知っておきたい代表的なNG行動を3つ紹介します。
話題の有名企業に資金を集中させてしまう
ニュースやSNSで話題になっている有名企業ほど、「知っている会社だから」という安心感だけで購入しやすい傾向があります。しかし、どれだけ有名な企業でも、業績悪化や競争環境の変化によって株価が大きく下落する可能性はあります。1社への集中投資は、値上がりしたときのリターンが大きい一方、値下がりしたときの影響も大きくなりやすいことを理解しておく必要があります。
為替レートの動きだけを見て売買を判断してしまう
「円安だから今は買い時」「円高になったから様子見」というように、為替の動きだけを根拠に売買タイミングを判断するのは注意が必要です。為替の先行きを正確に読むことは、プロの投資家であっても簡単ではないと言われています。短期的な為替の予想に基づいて売買を繰り返すのではなく、長期的な視点で積立を続けるという考え方も一つの選択肢です。
円換算の含み損益だけで一喜一憂してしまう
米国株の資産評価額は「株価の変動」と「為替の変動」という2つの要因で決まります。株価自体は上がっていても、円高が進んだことで円換算の評価額が目減りして見えることもあります。逆のケースもあるため、日々の円換算評価額の増減だけに気を取られすぎないことも大切です。
始める前に知っておきたいリスクと注意点
米国株投資を始める前に、必ず押さえておきたいリスクを整理します。
- 元本割れのリスク:株価は企業の業績や市場全体の動向によって変動するため、購入時より値下がりし、投資した元本を下回る可能性があります
- 為替変動リスク:円とドルの為替レートの変動により、株価が変わらなくても円換算の資産価値が増減することがあります
- 個別企業に関するリスク:業績悪化や不祥事など、企業固有の要因で株価が大きく下落する可能性があります
- 税金に関する注意点:米国株の配当には米国と日本の両方で税金が生じる仕組みになっており、確定申告での「外国税額控除」など専門的な手続きが関わる場合があります。詳しい計算方法は変更される可能性もあるため、具体的な申告方法は税務署や税理士に確認することをおすすめします
📰 出典:国税庁 タックスアンサー No.1330 配当金を受け取ったとき(配当所得)
- 手数料に関する注意点:為替手数料や取引手数料は証券会社によって異なります。少額投資であっても手数料の割合は無視できないため、事前に確認しておくと安心です
いずれのリスクも「絶対に避けられる」ものではありません。だからこそ、余剰資金の範囲で、少額・長期・分散を基本にすることが、初心者が米国株投資と無理なく付き合うための土台になります。
まとめ 少額・長期・分散で米国株と付き合おう
米国株投資は、証券口座の開設から外国株式取引口座の追加、為替の交換、銘柄選び、少額購入という流れで始められます。世界的に有名な企業に投資できる魅力がある一方で、為替変動や個別企業のリスクは日本株以上に意識する必要があります。
大切なのは、話題性だけで特定の銘柄に飛びつくのではなく、少額から始めて値動きに慣れながら、長期・分散という基本方針を保つことです。焦らず自分のペースで、無理のない範囲から米国株投資と付き合ってみてはいかがでしょうか。
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資は元本割れの可能性がある点を理解した上で、自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。

