
「株を選ぶときにPERやPBRって見るべきなの?数字の意味がよくわからない…」

「割安株って何で判断するのか、基準が知りたいです」
投資の本やネット記事でよく目にする「PER」「PBR」「ROE」。これらは株式投資の基本的な指標ですが、意味を知らずに投資を続けていると、銘柄の割安・割高を判断できず、感覚頼りの選択になってしまいます。
この記事では、PER・PBR・ROEそれぞれの意味、数値の読み方、使う際の注意点を初心者向けにわかりやすく解説します。
※ 本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。投資は自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。
—
株価指標とは?なぜ使うのか
株価指標とは、会社の株価が「高すぎるか」「安すぎるか」「事業として効率がよいか」を測る物差しです。
株価そのものの数字だけでは割安・割高を判断できません。たとえば株価が2,000円の会社と500円の会社があったとして、どちらが「安い」かは株価だけではわかりません。会社の規模や利益との比率を見て、はじめて「割安かどうか」を判断できます。
PER・PBR・ROEはそのための代表的な指標です。
—
PER(株価収益率):利益からみた株の割安・割高
PERとは
PER(Price Earnings Ratio)は、株価が会社の1株当たり利益(EPS)の何倍かを示す指標です。
“` PER = 株価 ÷ 1株当たり当期純利益(EPS) “`
📰 出典:日本取引所グループ 株価指標の読み方
例) 株価が1,000円、EPSが50円なら PER = 20倍
PERの読み方
- PERが低い(割安とされることが多い):市場が企業の将来に悲観的、または市場に注目されていない
- PERが高い(割高とされることが多い):市場が将来の成長を期待している(成長株に多い)
日本株の平均的なPERは15〜20倍程度(2026年6月時点。時期により変動)が一つの目安とされていますが、業種によって大きく異なります。ITや成長産業は50倍・100倍超えも珍しくなく、一方で銀行・素材系は10倍前後が多いです。
注意点
PERが低いからといって必ずしも「買い」というわけではありません。
- 赤字会社はPERが計算できない(または意味をなさない)
- 「利益が激減してPERが急上昇」→ 割高に見えて実は業績悪化のサイン
- 業種の特性や成長ステージによって適正水準が異なる
「業種内の比較」や「過去の自社PERとの比較」が重要です。
—
PBR(株価純資産倍率):資産からみた株の割安・割高
PBRとは
PBR(Price Book-value Ratio)は、株価が会社の純資産(BPS)の何倍かを示す指標です。
“` PBR = 株価 ÷ 1株当たり純資産(BPS) “`
例) 株価が500円、BPSが600円なら PBR = 0.83倍
PBRの読み方
- PBR 1倍未満:株価が会社の解散価値(帳簿上の資産価値)を下回っている状態(割安に見える)
- PBR 1倍以上:株価が純資産を上回っている(成長期待や高収益性が評価されている)
かつて「PBR1倍割れ=解散価値より安い=超割安」という見方が主流でしたが、現在では意味合いが変わっています。
📰 出典:東京証券取引所 PBR改善要請について
東京証券取引所は2023年以降、PBR1倍割れの企業に改善を促す施策を打ち出し、日本企業の資本効率改善が求められています。
注意点
- 業種によって純資産の性質が異なる(製造業と金融業では意味合いが違う)
- 赤字が続くと純資産が減り、PBRが見かけ上下がる
- 「低PBR=即割安」と飛びつかず、利益や収益性(ROE)と合わせて見ることが重要
—
ROE(自己資本利益率):会社の「稼ぐ力」を示す
ROEとは
ROE(Return On Equity)は、会社が自己資本(株主の出資)を使ってどれだけ効率的に利益を生み出したかを示す指標です。
“` ROE(%)= 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100 “`
例) 純利益100億円、自己資本500億円なら ROE = 20%
ROEの読み方
一般的にROE 8〜15%以上が「優良企業の目安」とされることが多いです。ただし業種差があります。
- ROEが高い(10%以上が多い):自己資本を効率よく活用し、株主への還元が高い
- ROEが低い(5%未満が多い):資本活用が非効率。改善の余地がある
ROEはPER・PBRと組み合わせて見ると意味が深まります。
| 組み合わせ | 意味の読み方 | |———–|———–| | 低PBR × 高ROE | 割安で収益力が高い(注目されやすい) | | 高PBR × 高ROE | 成長期待が高く市場に評価されている | | 低PBR × 低ROE | 割安に見えるが収益力が低い(注意が必要) |
—
3指標を組み合わせた見方
PER・PBR・ROEはそれぞれ異なる側面を測っているため、3つを組み合わせることで銘柄の特性がよりはっきりします。

「なるほど、一つの指標だけで判断するのは危険なんですね」
ステップ1. 業種内でPERを比較する
同じ業種の企業同士でPERを比べ、平均より低い銘柄を探します。
ステップ2. PBRで資産価値を確認する
1倍割れかどうかを確認。低PBRでも理由があるかどうかを調べる。
ステップ3. ROEで収益効率を確認する
低PBRでも高ROEなら「市場が見逃している成長企業」の可能性がある。
ステップ4. 配当利回りや財務状況も確認
これらの指標はあくまで「入口」。実際の財務状況・業績動向・将来の成長性も合わせて確認することが重要です。
—
初心者がやりがちなNG行動
NG① 指標だけで銘柄を機械的に選ぶ
「PER10倍以下の銘柄をリストアップして全部買う」という方法は危険です。業績悪化中の企業・倒産リスクのある企業がリストに入ることもあります。
NG② 一つの指標で結論を出す
PERだけ・PBRだけで「割安」と判断するのは不十分。複数の指標と業績の流れを組み合わせて考えましょう。
NG③ 高ROEだけを見て「優良株」と即断する
ROEは借入金を増やして自己資本を圧縮するだけでも高くなります(財務レバレッジ効果)。高ROEの理由を確認することが大切です。
—
リスクと注意点
株式投資は元本保証がありません。どれだけ指標が良くても、業績悪化・市場全体の急落・予期しない事業リスクにより株価が大きく下落する可能性があります。
- 個別株は投資信託(インデックスファンド)より価格変動が大きい
- 指標はあくまで参考材料のひとつ。「これさえ見ればOK」という万能な指標はない
- 企業の決算情報・IR情報を直接確認する習慣をつけることが重要
※ 株価指標の「適正水準」は市場環境・業種・時代によって変化します。本記事は2026年6月時点の一般的な考え方を解説したものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。
—
まとめ|指標は「銘柄を絞り込む入口」として使おう
| 指標 | 何を測るか | 目安(一例) | |——|———-|———–| | PER | 利益に対する株価の倍率 | 15〜20倍前後(業種差大)| | PBR | 純資産に対する株価の倍率 | 1倍前後 | | ROE | 自己資本の収益効率 | 8%以上が一つの目安 |
PER・PBR・ROEを知っておくと、銘柄選びの会話や記事を読むときに理解が深まります。ただし、指標の数値だけで投資判断をするのではなく、業績動向・財務の健全性・事業の将来性も合わせて判断することが大切です。

「指標の見方を知ると、株への理解が深まりますね。まずは少額から勉強してみます」
長期的・分散的な資産形成を軸にしながら、指標の知識を少しずつ身につけていきましょう。
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。投資は自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。

