株式投資を始めると、証券会社のアプリで毎日のように目にするのが「含み益」「含み損」という言葉です。画面に赤や緑の数字が並ぶと、つい気分が上下してしまいますよね。
この記事では、含み益・含み損の意味と「実現損益」との違い、そして値動きに振り回されないための3つの考え方を、初心者向けに整理します(執筆時点:2026年10月)。
※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。株式投資には価格変動のリスクがあり、元本を割り込む可能性があります。投資は自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。
含み益・含み損とは?
含み益・含み損は、まだ売っていない(確定していない)状態の損益のことです。保有している株の現在の評価額と、買ったときの取得金額の差で表示されます。
- 含み益:現在の評価額が、取得金額を上回っている状態
- 含み損:現在の評価額が、取得金額を下回っている状態
- 評価損益とも呼ばれ、株価が動くたびに変わる
仮の数字で考えてみる
たとえば、1株1,000円の株を100株(取得金額10万円)買ったとします。※数字はあくまで説明用の仮のものです。
- 株価が1,100円になった → 評価額11万円、含み益1万円
- 株価が900円になった → 評価額9万円、含み損1万円
- 900円の状態で売った → 1万円の損失が確定(実現損失)
- 株価が1,000円に戻った → 含み損は0円になる
売らずに持ち続けている間は、数字は「いまの時点の評価」にすぎず、日々変わります。
実現損益との違いは「売ったかどうか」
売却して損益が確定したものを、実現損益と呼びます。
| 含み損益(評価損益) | 実現損益 | |
|---|---|---|
| 状態 | 売っていない | 売って確定した |
| 数字 | 株価に応じて日々変わる | 変わらない |
| 税金 | 一般的に、売るまでは課税されない | 課税口座では利益に課税される場合がある |
税金の扱いは口座の種類(特定口座・NISA口座など)や制度で異なります。最新の制度は、金融庁など公式の情報や証券会社の案内でご確認ください。
📰 出典:金融庁「NISA特設ウェブサイト」
初心者が一喜一憂しないための3つの考え方
1. 含み益は「確定していない数字」と心得る
含み益が出ていると嬉しくなりますが、売るまでは確定していません。株価が下がれば、含み益は小さくなったり、含み損に変わったりすることもあります。
- 画面の数字は「いまの評価」であり、将来も続くとは限らない
- 含み益が増えたことを根拠に、投資額を急に増やさない
- 「もっと上がるはず」と断定せず、あらかじめ決めたルールで判断する
2. 含み損は「取得価格に戻るまで待つ」ことが正解とは限らない
含み損を抱えると、「買った値段に戻ったら売ろう」と考えがちです。人は損失を確定させることを避けたくなる傾向があると言われています(行動経済学で語られる心理です)。
ただ、株価が取得価格に戻る保証はありません。大切なのは、取得価格を基準にするのではなく、「いま、この株を保有し続ける理由があるか」を冷静に見直すことです。
- 下がった理由(市場全体の動きか、その会社固有の事情か)を確認する
- 取得価格に戻ることだけを目的に保有を続けない
- 損を取り返そうとして、投資額を増やしたり、リスクの高い取引に手を出したりしない
3. 見る頻度とルールを先に決めておく
評価損益を毎日、何度も確認すると、数字の上下に心が揺さぶられやすくなります。
- 資産の確認は、週に1回・月に1回など頻度を決める
- 生活防衛資金(当面の生活費)は投資とは別に確保しておく
- 長期・分散・積立を基本に、「いくら下がったら見直すか」を事前に決める
- 売買の理由と結果を簡単に記録しておく
注意点・NG行動
- 含み損を見たくなくて、アプリを開かないまま放置する
- 含み益の「利益が減るのが怖い」という感情だけで、短期間に売り買いを繰り返す
- 含み損を取り返すために、借入や信用取引で投資額を増やす
- SNSの「含み益〇〇万円」といった投稿に影響され、無理にリスクを取る
まとめ
含み益・含み損は、売るまでは確定しない「いまの評価」にすぎません。数字の上下に一喜一憂するのではなく、保有する理由・見る頻度・見直しのルールを先に決めておくことが、長く投資を続けるうえでの助けになります。
株式投資は元本割れのリスクがあります。無理のない金額で、長期・分散・積立を基本に、ご自身のペースで資産形成を考えていきましょう。
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資は自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。

