仮想通貨のステーキングとレンディング、何が違う?利回り・仕組み・リスクを比較

仮想通貨

「仮想通貨を持っているだけで増やせる方法として、ステーキングとレンディングってよく聞くけど、結局何が違うの?」

「どっちも『預けると利息がもらえる』ってイメージだけど、リスクの中身は同じなのかな…」

結論から言うと、ステーキングは「その暗号資産のネットワーク運営に協力する対価」として報酬を受け取る仕組み、レンディングは「暗号資産を第三者に貸し出す対価」として利息を受け取る仕組みです。どちらも「預けるだけで増える」ように見えますが、利回りが生まれる理由もリスクの種類も異なります。この記事では、初心者向けに両者の仕組みの違いと、共通して気をつけたいリスク・税金の基礎を整理します。

※ 本記事は2026年9月執筆時点の情報です。制度・利回り水準・各サービスの内容は変わる可能性があるため、最新情報は金融庁・各事業者の公式サイトでご確認ください。本記事は特定の銘柄・サービスの利用を推奨するものではありません。

そもそもステーキングとは?仕組みをやさしく解説

ステーキングとは、イーサリアムなど「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」という仕組みを採用しているブロックチェーンにおいて、自分が保有する暗号資産をネットワークに一定期間預け入れ(ロックし)、取引の検証・承認といったネットワーク運営に協力する見返りとして、新規発行分や手数料の一部を報酬として受け取る仕組みです。

イメージとしては「そのブロックチェーンネットワークの運営に間接的に参加し、運営コストの一部を報酬として分け合う」ような関係に近く、報酬の原資はそのブロックチェーン自体の仕組みに組み込まれています。国内の暗号資産交換業者でも、対応する銘柄についてステーキングサービスを提供している例があります。

そもそもレンディングとは?仕組みをやさしく解説

一方レンディング(貸暗号資産)は、保有している暗号資産を暗号資産交換業者や他の利用者に一定期間貸し出し、その利用料として利息を受け取る仕組みです。銀行預金の利息に近いイメージを持たれることが多いサービスですが、預金保険制度のような公的保護はありません。

貸し出された暗号資産は、事業者側で他の利用者への貸付や運用に回されており、利回りの原資は「借り手が空売りや裁定取引などのために暗号資産を必要とし、利用料を払ってでも借りたい」という需要や、事業者の運用によるものです。運用の実態は利用者からは見えにくいという特徴があります。

ステーキングとレンディング、利回りの原資が違う

両者の最も大きな違いは、利回りが生まれる「理由」です。

| 比較項目 | ステーキング | レンディング | |—|—|—| | 利回りの原資 | ブロックチェーンの仕組み(新規発行・手数料)に組み込まれた報酬 | 借り手の需要・事業者の運用による利ざや | | 対象になる暗号資産 | PoS方式を採用する銘柄(イーサリアム等)に限られる | ビットコインなど幅広い銘柄で提供される例がある | | ロック(拘束)期間 | 銘柄・サービスによって一定期間の引き出し制限がある場合がある | サービスによって異なり、途中解約不可の商品もある | | 主なリスクの性質 | 価格変動リスクに加え、不正行為とみなされた場合の一部没収(スラッシング)リスク等 | 価格変動リスクに加え、事業者の信用リスク(カウンターパーティリスク) |

📰 出典:金融庁「金融審議会 暗号資産制度に関するワーキング・グループ」

「利息のようなものがもらえる」という見た目は似ていても、報酬の裏側にある仕組みは別物であるという点を、まず理解しておくことが大切です。

共通して気をつけたいリスク

仕組みは異なっても、次のようなリスクは両方に共通して当てはまります。

  • 価格変動リスク:報酬・利息を受け取れても、預けている暗号資産そのものの価格が下落すれば、資産全体としては含み損になることがあります。
  • 流動性リスク:ロック期間中や解約手続きに時間を要する商品では、必要なときにすぐ現金化できない可能性があります。
  • 分別管理の対象外になりうる点:ステーキング・レンディングいずれも、預けている間は通常の預け資産に義務付けられる分別管理の対象外となる場合があります。
  • 事業者・プロトコルの信用リスク:レンディングでは貸出先の事業者が破綻・出金停止に陥るリスク、ステーキングでは委託先の運用ミスや、対象ネットワーク側の不具合・不正行為への関与とみなされるリスクなどが指摘されています。

過去には海外のレンディング事業者が出金を停止した事例も報じられており、「利回りの高さ」だけでサービスを選ぶことの危うさが指摘されています。高い利回りをうたうサービスほど、その裏側でどのようなリスクが取られているのかを確認する姿勢が欠かせません。

金融庁登録業者かどうかを必ず確認する

ステーキング・レンディングのいずれも、国内で提供する場合は暗号資産交換業の登録を受けた事業者が扱っているかどうかが、まず確認すべきポイントです。無登録の海外プラットフォームでは、破綻時に資産が戻ってくる保証がなく、出金トラブルや詐欺的な事案も報告されています。

金融庁の金融審議会では、暗号資産を「借り入れる」形式を取ることで登録なしに事業を行える構造上のすき間が課題として指摘されており、こうした類型を金融商品取引法の枠組みに取り込む案も議論されています。規制のあり方は今後変わっていく可能性がある分野であるため、最新の公式情報を確認する習慣を持ちましょう。

📰 出典:金融審議会「暗号資産制度に関するワーキング・グループ」報告

利益が出たときの税金の基礎

ステーキング報酬・レンディング利息のいずれも、原則として雑所得に区分されます。受け取った時点の時価で所得を計算し、その後に売却してさらに利益が出れば、売却時の利益にも別途課税されます。給与所得者の場合、副業としての雑所得が年間20万円を超えると確定申告が必要になるのが一般的です。暗号資産の雑所得は他の所得区分と損益通算ができず、損失の翌年以降への繰り越しもできない点にも注意が必要です。

📰 出典:国税庁「No.1524 暗号資産を使用することにより利益が生じた場合の課税関係」

税額や申告の要否は個々の状況によって異なるため、具体的な判断に迷う場合は税務署や税理士に確認することをおすすめします。

どちらを選ぶか迷ったときの考え方

「どちらがお得か」という比較よりも、次のような視点で考えることをおすすめします。

  • 自分が保有(または保有を検討している)暗号資産がPoS銘柄かどうか(ステーキングは対象銘柄が限られます)
  • ロック期間中に資金が必要になっても困らない、余剰資金の範囲かどうか
  • 提供する事業者が金融庁登録の暗号資産交換業者かどうか
  • 利回りの数字だけでなく、リスクの説明が明確に開示されているかどうか

いずれも「必ず儲かる」「絶対安全」といった説明をするサービスや勧誘には注意し、判断に迷う場合は利用を見送ることも大切な選択肢です。

まとめ 仕組みの違いを理解したうえで、余剰資金の範囲で検討する

ステーキングとレンディングは、どちらも「暗号資産を預けて対価を得る」という点では似て見えますが、報酬の原資(ネットワーク運営への協力か、貸出による利ざやか)もリスクの性質も異なる別々の仕組みです。共通するのは、価格変動リスク・流動性リスク・事業者やプロトコルの信用リスクが伴うこと、そして「利回りの高さ」だけで選ぶのは危険だということです。まずは金融庁登録の事業者かどうかを確認し、仕組みとリスクを理解したうえで、余剰資金の範囲内で検討しましょう。

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の暗号資産・サービスの利用を推奨するものではありません。暗号資産は価格変動が非常に大きく、投資は必ず自己責任で、余剰資金の範囲内で行ってください。

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