
「今日、日経平均が下がったってニュースで見たんだけど、自分の投資信託の基準価額は上がってたんだよね…どういうこと?」

「日経平均もTOPIXも『日本株の指数』って聞くけど、違うものなの?」
結論から言うと、2026年9月1日は日経平均株価が前日比96円59銭安と小幅に続落する一方で、TOPIX(東証株価指数)は前日比25.57ポイント高と上昇するという、方向の異なる値動きになった日でした。同じ東京市場を映す指数なのに逆方向に動いたのは偶然ではなく、2つの指数の「作られ方の違い」が関係しています。この記事では、当日の値動きを事実として整理したうえで、指数の仕組みの違いを初心者向けに解説し、日々の指数ニュースとどう付き合えばよいかを考えます。
※ 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄・金融商品の売買を推奨するものではありません。相場の先行きを断定するものでもなく、投資は元本割れのリスクを伴います。最終的な判断は自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。
ニュースの要点整理 9月1日に何が起きたのか
まずは事実関係を客観的に整理します。
📰 出典:財経新聞「日経平均大引け:前日比96.59円安の66215.34円」
- 2026年9月1日、日経平均株価は前営業日比96円59銭安の6万6215円34銭(-0.15%)で取引を終えました。
- 一方、東証プライム市場全体の時価総額をもとに算出されるTOPIXは、前営業日比25.57ポイント高の4181.86ポイント(+0.62%)と、日経平均とは逆方向のプラス圏で引けました。
同日の値動きの内訳を見ると、指数を押し下げた銘柄と押し上げた銘柄がはっきり分かれていたことも報じられています。
📰 出典:財経新聞「日経平均寄与度ランキング(大引け)~日経平均は続落、東エレクやファーストリテが2銘柄で約242円分押し下げ」
- 東京エレクトロンとファーストリテイリングの2銘柄だけで、日経平均を合計およそ242円押し下げたと伝えられています。
- 一方でソフトバンクグループは、1銘柄で日経平均をおよそ49円押し上げる要因になったとされています。
日経平均は225銘柄、TOPIXは東証プライム上場の1600社を超える銘柄で構成される指数ですが、当日はこのわずか数銘柄の値動きだけで、日経平均の方向性が大きく左右された形です。
筆者の私見・考察 なぜ同じ市場なのに指数が逆方向に動くのか
ここからは、上記の事実を踏まえた筆者自身の見方です。
日経平均とTOPIXが逆方向に動く「ねじれ」が起きた最大の理由は、2つの指数の計算方法がまったく異なるためだと筆者は考えます。日経平均は、構成銘柄の株価水準(みなし額面で調整した値)を単純に合計して算出する仕組みのため、値がさ株と呼ばれる株価水準の高い銘柄1つの値動きが、指数全体を大きく動かしやすい特徴があります。今回のケースでも、225銘柄のうちわずか2〜3銘柄の値動きだけで、指数全体の下げ幅の大部分が説明できてしまう計算になります。
これに対してTOPIXは、各社の時価総額(株価×発行済株式数に近い規模)に応じて重みづけして計算されるため、株価水準そのものが高いか低いかは指数への影響力とあまり関係がなく、1600社超に幅広く影響が分散されます。つまり、今回のように一部の値がさ株が下落しても、時価総額の大きい銀行株や自動車株など他の多くの銘柄が堅調であれば、TOPIXはプラスで終わることがあり得ます。これは特定の相場観に基づく予想ではなく、指数の設計上、構造的に起こりうる現象だと筆者は理解しています。
資産形成への発展 「日経平均が下がった」だけで判断しないために
このニュースからの学びを、日々の資産形成にどう活かせるか整理します。
- 「日本株が下がった」と一括りにしない:日経平均のニュースだけを見て「日本株全体が売られている」と判断すると、実際の値動きの実態とズレることがあります。可能であればTOPIXなど別の指数も合わせて確認する習慣が役立ちます。
- 自分が保有する投資信託・ETFの連動先を確認する:「日経225連動型」「TOPIX連動型」「全世界株式型」などは、同じ「株式インデックス」でも構成銘柄や値がさ株の影響度が異なります。目論見書や運用会社のページで、自分の商品がどの指数に連動しているかを一度確認しておくと安心です。
- 少数銘柄への集中の裏返しであることを理解する:日経平均は値がさ株数銘柄の影響を強く受けやすい指数であるという特徴自体は、良い・悪いという話ではありません。ただし「日経平均に連動している=日本株全体に幅広く分散されている」と単純に考えるのは正確ではない、という点は知っておく価値があります。
具体的なアクション・心構え 指数ニュースとの付き合い方
- 見出しの数字だけで一喜一憂しない:「日経平均〇円安」という見出しだけでその日の株式市場全体を判断せず、TOPIXや値動きの背景(どの銘柄が動いたか)まで確認する癖をつけましょう。
- 短期の指数の上下より、自分の資産配分を優先する:1日単位の指数の方向は、少数の値がさ株の動き次第で変わることがあります。長期の資産形成においては、日々の指数のプラスマイナスよりも、自分がどの資産にどれだけ配分しているかのほうが重要です。
- 定期的に保有商品の連動指数を見直す:積立投資を続けている場合でも、年に一度程度は保有している投資信託・ETFがどの指数に連動しているか、目論見書で確認する習慣を持つとよいでしょう。
注意点・NG行動 こんな受け止め方は避けたい
- 日経平均が下がったというニュースだけを見て「日本株全体が危ない」と判断し、慌てて保有資産を売却すること(狼狽売り)
- 逆にTOPIXが上がったことだけを見て「株式市場は絶好調」と過信し、余剰資金の範囲を超えて一括投資すること
- 「日経平均を押し上げた銘柄=今から買うべき優良銘柄」と短絡的に結びつけること(指数への影響度の大きさと、個別企業としての投資判断は別の話です)
まとめ 指数の「作られ方」を知ると、ニュースの見え方が変わる
今回は、2026年9月1日に日経平均が96円59銭安、TOPIXが25.57ポイント高という逆方向の値動きになった「ねじれ」を題材に考えました。背景には、日経平均が値がさ株の影響を受けやすい仕組みである一方、TOPIXは1600社超に分散して重みづけされる仕組みであるという、指数の計算方法の違いがあります。
日々の指数ニュースは、あくまで市場のごく一部の切り取りに過ぎないこともあります。見出しの数字だけで一喜一憂せず、自分が実際に保有している商品がどの指数に連動しているのかを確認しながら、長期・分散を基本に落ち着いて資産形成に取り組んでいただければと思います。投資は自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。

