
「気になる株を見つけたけど、注文画面を見たら『100株』としか選べなくて戸惑った…」

「株価だけ見て『これなら買えそう』と思ってたら、実は10万円以上必要だった…なんてこと、あるの?」
結論から言うと、国内の上場株式はほとんどの銘柄で「単元株数(売買単位)=100株」に統一されており、通常の注文では「株価×100株」分の資金がまとまって必要になります。この「単元株数」を知らないまま銘柄を探すと、株価だけを見て「安い」と思っていた銘柄が、実際にはまとまった資金が必要だった…という勘違いにつながりがちです。
この記事では、単元株数の仕組み、100株に統一された経緯、必要資金の計算方法、注文前に確認すべきポイントを初心者向けに解説します。なお、制度・手数料等は執筆時点(2026年8月)の情報です。最新の内容は各証券会社・日本取引所グループ(JPX)の公式サイトでご確認ください。
そもそも「単元株数」とは? 株の売買・議決権のセットになる株数
単元株数とは、上場会社が定める「株式の売買や議決権行使をひとまとまりとして扱う株数」のことです。会社法上の制度で、1単元の株式を保有する株主には1議決権が与えられます。
現在、国内の上場会社は上場規則により、原則として単元株数を100株とすることが定められています。つまり「A社の株を買う」という場合、基本的には100株単位(1単元)でしか売買できない、ということです。
一方、単元に満たない株式(単元未満株)を保有していても、配当を受け取る権利や書類閲覧権など株主としての権利の一部は認められますが、株主総会での議決権は原則として行使できません。この「議決権があるかどうか」の境目になっているのが単元株数、というイメージです。
なぜ100株に統一された? 2007年〜2018年の道のり
かつては単元株数が8種類もバラバラだった
実は単元株数は、ずっと100株に統一されていたわけではありません。2007年当時、国内の上場会社の単元株数は「1株・10株・50株・100株・200株・500株・1,000株・2,000株」の8種類が混在していました。同じ株価水準の銘柄でも、単元株数が違えば必要な投資資金が大きく変わってしまい、個人投資家にとって分かりにくい状態だったのです。
2007年の行動計画から2018年10月の移行完了まで
こうした状況を受け、全国の証券取引所は2007年11月、単元株数を100株に統一することを目標とした「売買単位の集約に向けた行動計画」を公表しました。上場会社に段階的な移行を促した結果、2018年3月末時点で東京証券取引所上場会社の94.2%がすでに100株単位に移行済みとなり、2018年10月1日の移行期限をもって、一部の例外を除き上場株式の単元株数は100株に統一されています。
📰 出典:日本取引所グループ「売買単位の集約に向けた行動計画とこれまでの取組み」
統一の目的として挙げられているのは、主に「個人投資家の利便性向上」「国際競争力の強化」「株式の流動性向上」の3点です。単元株数がバラバラだった時代に比べ、現在は「基本的に100株単位」と考えておけば、銘柄選びの際の資金計画が立てやすくなったといえます。
📰 出典:大和総研 横山淳「売買単位の100株統一に寄せて」
必要資金の計算方法 「株価×単元株数」が基本
単元株数を理解する一番の実用ポイントは、「その銘柄を買うのにいくら必要か」を正しく計算できるようになることです。
- 必要資金の目安 = 株価 × 単元株数(通常は100株)+ 売買手数料
- 例:株価3,000円の銘柄 → 3,000円×100株=30万円が必要
- 例:株価500円の銘柄 → 500円×100株=5万円が必要
- 例:株価8,000円の値がさ株 → 8,000円×100株=80万円が必要
このように、同じ「1単元」でも株価水準によって必要資金は大きく変わります。株価の数字だけを見て「安そう」と判断すると、実際の必要資金とのギャップに驚くことがあるため注意が必要です。
買う前に確認したい4つのステップ
ステップ1:気になる銘柄の株価を確認する
証券会社のアプリやサイトで、まず現在の株価をチェックします。
ステップ2:単元株数(通常は100株)を確認する
銘柄詳細ページに「単元株数」や「売買単位」の表示があります。基本的には100株ですが、念のため注文前に確認しておくと安心です。
ステップ3:必要資金を計算する
「株価×単元株数」に加えて、証券会社の売買手数料(無料の場合もあります)も踏まえて、実際にいくら必要かを計算します。
ステップ4:資金が足りない場合は単元未満株サービスを検討する
まとまった資金がすぐに用意できない場合、証券会社によっては1株から購入できる「単元未満株(ミニ株・S株等)」サービスもあります。ただし、取扱銘柄・手数料体系・注文方法(リアルタイムで約定しない場合がある)はサービスごとに異なるため、通常の単元株取引とは別の仕組みとして事前に確認しておくことをおすすめします。
初心者がやりがちなNG行動・勘違い
- 「1株から自由に買える」と思い込んでいる:国内株の通常注文は基本的に100株単位からのスタートです。1株から買いたい場合は、証券会社の単元未満株サービスを利用する必要があります。
- 株価だけで銘柄の「買いやすさ」を判断してしまう:株価が低くても単元株数が大きい銘柄や、逆に株価が高い「値がさ株」もあります。必要資金は必ず「株価×単元株数」で確認しましょう。
- 値がさ株1銘柄に資金が集中してしまう:必要資金が大きい銘柄を1単元買うと、それだけで投資資金の大部分を使ってしまうことがあります。結果的に銘柄・業種の分散ができていない、という状態になりがちです。
- 外国株も国内株と同じ売買単位だと思い込む:例えば米国株は1株単位での売買が基本など、市場によってルールが異なります。国内株のルールをそのまま当てはめないようにしましょう。
リスクと注意点
- 単元株数のルールは今後も制度変更の可能性があります。この記事の内容は執筆時点(2026年8月)の情報であり、最新のルールは日本取引所グループ(JPX)や各証券会社の公式サイトでご確認ください。
- 値がさ株を1単元購入すると、投資資金の大部分が1銘柄に集中しやすくなります。特定の銘柄・業種に資金が偏りすぎていないか、資産全体のバランスを定期的に見直すことが大切です。
- 単元未満株サービスは少額から始められる一方、リアルタイムで売買できない、議決権が原則ないなど、通常の単元株取引と異なる制約があります。利用する際はサービスごとの条件を必ず確認してください。
- 株式投資には価格変動による元本割れのリスクがあります。本記事は単元株数という制度の仕組みを解説する情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で、余剰資金の範囲で行ってください。
まとめ 「株価×100株」を基準に資金計画を立てよう
単元株数(売買単位)は、2018年10月の統一を経て、現在は原則として100株となっています。銘柄を選ぶ際は、株価の高さだけでなく「株価×単元株数」で必要資金を計算し、資金が足りない場合は単元未満株サービスも選択肢に入れながら、無理のない範囲で資産の分散を意識してみてください。制度の詳細や最新情報は、日本取引所グループや証券会社の公式サイトで確認する習慣をつけましょう。

