
「昨日まで日経平均が何日も上がってたのに、今日はいきなり1,700円以上も下がったってニュースを見たよ」

「金利が30年ぶりの高さになったとも言ってたし、なんだか怖くなってきた…このまま暴落するのかな」
結論から言うと、2026年8月18日の東京株式市場で日経平均株価は前日比1,759円52銭安の67,460円73銭で取引を終え、6営業日ぶりに反落しました。同じ日の債券市場では新発10年国債の利回りが一時2.945%まで上昇し、約30年ぶりの高水準となったことも報じられています。株価の急落と金利の急上昇が同じ日に重なったニュースを見ると不安になりがちですが、まず押さえておきたいのは「金利が上がると、なぜ株価(特に値がさのハイテク・半導体株)が売られやすくなるのか」という基本的な関係です。この記事では、今回の値動きの要点を客観的に整理したうえで、金利上昇と株価の関係を初心者向けに解説し、日々の値動きに振り回されないための考え方をまとめます。
※ 本記事は2026年8月時点で報じられた内容をもとにした解説であり、日経平均や個別銘柄・国債利回りの将来の動きを断定したり、特定の金融商品の売買を推奨したりするものではありません。
ニュースの要点整理 日経平均は6日ぶり反落、長期金利は30年ぶり高水準に
日経平均は1,759円安の67,460円で6営業日ぶり反落
2026年8月18日の東京株式市場で、日経平均株価は前日比1,759円52銭(約2.5%)安の67,460円73銭で取引を終えました。取引時間中には下げ幅が1,800円を超える場面もあり、前日8月17日までの5営業日連続上昇(終値ベースで6万9,220円まで回復)から一転しての大幅反落となりました。
📰 出典:日本経済新聞「日経平均株価、6日ぶり反落 終値1759円安の6万7460円」
TOPIXも反落、値下がり銘柄が値上がり銘柄を上回る
東証株価指数(TOPIX)は前日比43.89ポイント(約1.05%)安の4,140.22、新興・大型株を中心としたJPX日経インデックス400系のJPX Prime 150指数も24.94ポイント(約1.42%)安となりました。東証プライム市場では値下がり銘柄が全体の約5割を占め、値上がり銘柄(約46%)を上回りました。業種別では海運・鉱業・石油石炭製品などが上昇した一方、電気機器・金属製品・ガラス土石製品などが下落したと伝えられています。
📰 出典:財経新聞「日経平均は大幅反落、金利高が重しとなり67500円割れ」
下落の主因は「長期金利の30年ぶり高水準」と「中東情勢への警戒」
この日の下落の背景として、国内の長期金利(新発10年国債利回り)が一時2.945%まで上昇し、1996年9月以来およそ30年ぶりの高水準となったことが挙げられています。財政懸念や日銀の早期追加利上げ観測(早ければ9月の会合での利上げ予想)を受けて金利が上昇し、PER(株価収益率)の高い半導体関連株を中心に「相対的な割高感」が意識されたと報じられています。あわせて中東情勢の先行き不透明感も、投資家心理を慎重にさせた要因として指摘されています。
📰 出典:日本経済新聞「長期金利上昇、一時2.945% 財政懸念や日銀利上げ観測で」
アドバンテスト・東京エレクトロンなど値がさ株の下落が指数を押し下げ
個別銘柄では、直近まで上場来高値を更新するなど強く買われていたアドバンテストや東京エレクトロンといった値がさの半導体関連株に利益確定売りが膨らみ、この2銘柄だけで日経平均を約836円分押し下げたと伝えられています。ほかにもファーストリテイリング、キオクシアホールディングス、村田製作所などが日経平均の下落に寄与したとされています。
📰 出典:財経新聞「日経平均寄与度ランキング(大引け)~日経平均は大幅に6日ぶり反落、アドバンテストや東エレクが2銘柄で約836円分押し下げ」
筆者の私見 「上がった翌日に大きく下がる」のは珍しいことではない
ここからは筆者の私見です。今回のニュースを見て筆者がまず感じたのは、「5営業日連続で上昇した直後に、1日で1,700円を超えて下落する」という値動き自体は、相場としてそれほど異常な出来事ではないという点です。連続して上昇が続いた局面では、含み益を確定させたい投資家の売りが出やすくなりますし、値がさ株ほど値動きの絶対額が大きくなるため、指数への影響も大きくなりやすいという性質があります。前日までの上昇を「トレンドの始まり」と捉えていた人ほど、今回の反落を大きなショックとして受け止めやすいかもしれませんが、数営業日単位の値動きだけで長期的な相場の方向性を判断するのは難しいと筆者は考えています。
もう一つ筆者が注目したいのは、「金利が上がると、なぜ株価が売られやすくなるのか」という関係です。ごく一般的な考え方として、金利が上昇すると、企業が将来生み出すと期待される利益を現在の価値に割り引いて評価する際の「割引率」が高くなり、特に成長期待が高く将来の利益への依存度が大きい銘柄ほど、理論上の株価評価が下がりやすいとされています。半導体関連株の多くはPER(株価収益率)が高い、つまり将来の成長期待を織り込んで株価が形成されている銘柄が多いため、金利上昇のニュースに敏感に反応しやすい傾向があると言われています。これはあくまで一般的な考え方の紹介であり、個別銘柄の株価が今後どう動くかを予測するものではありません。
資産形成への発展 「金利のニュース」は自分の資産全体にどう関わるか考える機会に
今回のようなニュースは、株式だけでなく資産全体を見直すきっかけとして活用できます。
- 株式・投資信託への影響:長期金利が上昇すると、成長株・グロース株を中心に株価が下押しされやすいと一般的に言われています。自分が保有している投資信託・ETFが、どの程度こうした高PER・成長株に偏っているかを確認しておくと、値動きの背景を理解しやすくなります
- 預金・個人向け国債への影響:長期金利の上昇局面では、銀行預金の金利や新規発行の個人向け国債の利率が見直されることもあります。ただし金利水準・商品性は変わりやすいため、最新の情報は各金融機関・財務省の公式サイトで確認することが大切です
- 住宅ローンなど負債への影響:長期金利の上昇は、固定金利型の住宅ローン金利にも影響しうるとされています。すでに固定金利で借りている場合は直接の影響は限定的ですが、これから借り入れを検討している場合は金利動向を確認する材料になります
- 保有している投資信託・ETFに含まれる債券への影響:金利が上昇すると、既発の固定利付債の価格は理論上下落するとされています。債券を組み入れた投資信託・ETFを保有している場合、基準価額に影響する可能性がある点も一般論として知っておくとよいでしょう
「連続上昇の反動」というニュース自体に振り回されない
前日までの5営業日連続上昇のニュースを見て「まだまだ上がりそうだから買い増そう」と考えていた人ほど、今回の反落に驚きやすいかもしれません。しかし、相場が数日単位で上下することはめずらしいことではなく、短期の値動きの方向性を見極めて売買タイミングを計ること(いわゆるマーケットタイミング戦略)は、プロの運用者にとっても難しいとされています。値動きが大きいニュースが続くときほど、目先の上げ下げよりも、自分がどのくらいの期間・目的で資産形成に取り組んでいるかという長期の方針に立ち返ることが大切だと筆者は考えています。
具体的なアクション・心構え
金利上昇や株価の急落・急騰のニュースが続くときに、長期目線で意識しておきたい行動を整理します。
- 1日の値動きだけで慌てて売買しない:1,700円を超える下落という数字だけを見て反射的に売却するのではなく、まずは下落の背景(今回であれば金利上昇や中東情勢)を確認する
- 自分の保有資産の「金利感応度」を把握しておく:成長株・グロース株中心の投資信託を多く保有している場合、金利上昇局面では値動きが大きくなりやすいことを理解しておく
- 積立投資は方針どおり継続する:つみたてNISA等でのドルコスト平均法による積立は、株価が下がった局面ではより多くの口数を購入できる機会にもなります。短期の値動きを見て積立を止める・増やすといった判断を頻繁に変えないことが基本とされています
- 金利・物価・為替など関連するニュースにも目を向ける:金利は株価だけでなく為替や物価とも関係しています。一つのニュースだけで判断せず、全体像を意識する習慣を持つとよいでしょう
注意点・NG行動
- 1日の大幅な下落を見て、根拠を確認しないまま保有資産をすべて売却してしまう(狼狽売り)
- 「金利が上がったから半導体株はもう終わり」など、一つの値動きだけで先行きを断定する
- 逆に「下がったから今が買い時」と、十分な検討なしに借入やレバレッジを使って買い向かう
- 「30年ぶりの高水準」という数字の珍しさだけに注目し、金利上昇の背景(財政懸念・日銀の利上げ観測など)を確認しない
- SNS等で飛び交う「暴落する」「まだ上がる」といった断定的な意見をそのまま鵜呑みにする
まとめ 値動きの大きさより、金利と株価の関係を理解することが大切
2026年8月18日、日経平均株価は前日までの5営業日連続上昇から一転し、1,759円安の6営業日ぶり反落となりました。背景には、長期金利が約30年ぶりの高水準となる2.945%まで上昇したことによる、高PERの半導体関連株への相対的な割高感の高まりや、中東情勢への警戒感があると報じられています。
大切なのは、1日の大きな値動きに一喜一憂して売買のタイミングを変えることではなく、「なぜ株価が動いたのか」という背景を理解し、自分の資産全体が金利上昇の影響をどの程度受けやすいかを確認しておくことです。金利と株価の関係を知っておくと、今後同じようなニュースが出たときにも、慌てずに受け止めやすくなるはずです。
最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品・銘柄の売買を推奨するものではありません。株式投資・投資信託には価格変動により元本を割り込む可能性があることを理解した上で、余剰資金の範囲で無理なく取り組むようにしましょう。

