
「憧れの会社の株を持ってみたいけど、単元株だと何十万円もして手が出ない…」

「かといって、ミニ株で1株だけ買うのも、なんだか物足りない気がするんだよね」
結論から言うと、「るいとう(株式累積投資)」というしくみを使えば、特定の銘柄を選んで、毎月一定金額ずつコツコツ買い増していくという積立の方法で個別株に投資できます。一括で単元株(多くは100株)を買うだけの資金がなくても、時間をかけて少しずつ株主になっていく、という選択肢です。
ただし、るいとうには「分散されない集中投資である」「手数料や取扱銘柄が証券会社によって異なる」といった、単元未満株やNISAのつみたて投資枠とは違う特徴・注意点があります。この記事では、るいとうの仕組みから始め方、メリット・デメリットまでを初心者向けに整理して解説します。 ※本記事は制度・サービスの一般的な仕組みを解説するものであり、特定の証券会社・銘柄の利用や購入を推奨するものではありません。投資は自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。
そもそも「るいとう(株式累積投資)」とは?仕組みをやさしく解説
多くの投資家の資金をまとめて、同じ銘柄を共同で買い付けるしくみ
るいとうは、証券会社が多数の投資家からの申込みをまとめ、投資家があらかじめ指定した同一銘柄を、毎月決まったタイミングでまとめて買い付ける積立サービスです。個人が「1銘柄につき月々○円」という形で金額を指定して申し込み、証券会社側がその資金を集約して市場で買い付ける、というイメージです。
📰 出典:株式累積投資|証券用語解説集|野村證券
ドルコスト平均法で買い付け、配当金は自動的に再投資されるのが基本
るいとうの買い付けは、株価が高いときには少ない株数を、株価が安いときには多い株数を買う「ドルコスト平均法」の考え方に基づいて行われます。長期間にわたって続けることで、購入タイミングを一点に集中させるよりも、平均買付価格が偏りにくくなるとされています。また、保有中に受け取る配当金は、多くの場合そのまま自動的に再投資に回される仕組みになっています。
積立を続けて一定の株数に達すると、通常の単元株として扱われる
るいとうで買い増した株数が積み上がり、その銘柄の単元株数(多くは100株)に達すると、以降は通常の単元株として保有できるようになります。単元株になれば、議決権や株主優待など、単元株ならではの株主の権利も得られるようになるのが一般的です(優待の有無・内容は企業ごとに異なり、変更・廃止される場合もあります)。
るいとう・単元未満株・NISAつみたて投資枠の違い
「少額から株式に関わる方法」という意味では似ていますが、るいとうと単元未満株、NISAのつみたて投資枠にはそれぞれ異なる特徴があります。始める前に、目的に合わせて整理しておきましょう。
るいとう(株式累積投資)
- 投資対象:あらかじめ指定した個別銘柄1つ
- 買い方の基本:毎月一定金額を積立(自動)
- 分散のしやすさ:1銘柄への集中になりやすい
- NISAでの利用:証券会社により対応が分かれる
単元未満株(ミニ株)
- 投資対象:個別銘柄を1株単位で選択
- 買い方の基本:その都度1株から任意に売買
- 分散のしやすさ:少額で複数銘柄に分けやすい
- NISAでの利用:証券会社により対応が分かれる
NISAつみたて投資枠
- 投資対象:金融庁の基準を満たした投資信託等
- 買い方の基本:毎月一定額を積立(自動)
- 分散のしやすさ:1本で自動的に分散される商品が多い
- NISAでの利用:制度そのものが非課税枠
※分類・特徴は一般的な傾向であり、具体的な取扱いは証券会社・商品ごとに異なります。最新情報は各社・金融庁の公式サイトでご確認ください。
📰 出典:NISAを知る|金融庁
るいとうの始め方 4ステップ
1. るいとうを取り扱っている証券会社で口座を開く
るいとうは、すべての証券会社が提供しているわけではないサービスです。まずは取扱いのある証券会社を確認し、口座を開設しましょう。
2. 積み立てたい銘柄を1つ選ぶ
るいとうは基本的に「1銘柄を選んで積み立てる」しくみです。「この銘柄なら必ず値上がりする」といった予想に基づく選び方ではなく、事業内容を理解できる、応援したいと感じる企業を選ぶといった考え方が一般的に紹介されています。最終的な銘柄選びの判断は、ご自身の情報収集とリスク許容度に基づいて行ってください。
3. 毎月の積立金額を設定する
証券会社ごとに、1銘柄あたりの最低金額や設定できる単位(例:月1万円程度から、1,000円単位など)が定められています。無理のない金額から始め、生活費を圧迫しないことが大切です。具体的な金額・単位は証券会社によって異なるため、申込み前に必ず公式サイトで確認しましょう。
4. 買付が実行されるのを確認し、長期的に継続する
申込み後は、証券会社が定めた買付日に自動的に買付が行われます。株価が下がった月でも慌てて積立を止めるのではなく、あらかじめ決めた方針に沿って継続するかどうかを、資金計画全体の中で判断することが基本的な考え方とされています。
るいとうのメリット
まとまった資金がなくても、憧れの銘柄の株主になれる
株価が高く、単元株では数十万円〜数百万円必要になる銘柄でも、るいとうを使えば月々数千円〜数万円程度から積み立てを始められます。
買付タイミングを自分で判断する手間が減る
毎月自動で買い付けが行われるため、「いつ買うか」を都度悩む必要がなく、価格変動に一喜一憂しにくい仕組みとも言えます。ただし、これは「必ず得をする」ことを意味するものではなく、あくまで買付タイミングを分散する一つの方法です。
配当金の再投資により、複利効果が期待できる
受け取った配当金が自動的に再投資に回ることで、保有株数が徐々に積み上がっていく効果が期待できます。もっとも、配当金の有無・金額は企業の業績や方針によって変動し、保証されるものではありません。
るいとうならではの注意点・デメリット
1銘柄への集中投資になりやすい
るいとうは基本的に1銘柄を選んで積み立てる仕組みのため、その銘柄・企業に何かあった場合の値下がりの影響を直接受けます。投資信託のつみたてのように自動的に複数銘柄・複数業種へ分散されるわけではない点は、大きな違いとして押さえておく必要があります。
手数料体系が証券会社・銘柄によって異なる
るいとうの手数料(買付手数料や口座管理にかかる費用など)は証券会社によって異なります。長期間続けるサービスだからこそ、事前にコスト体系を確認しておくことが大切です。
取扱銘柄・最低金額・NISA対応は証券会社ごとに異なる
すべての上場銘柄がるいとうの対象になっているわけではなく、取扱銘柄は証券会社が指定した範囲に限られます。また、NISA口座(成長投資枠)で利用できるかどうかも証券会社によって対応が分かれ、対応していても年による取扱いの違いがあるケースも報告されています。最新の対応状況は、必ず利用予定の証券会社の公式サイトで確認してください。
積立を続けても「必ず増える」わけではない
ドルコスト平均法による積立は、買付価格を平準化する効果が期待される手法であって、値下がりリスクそのものをなくすものではありません。「るいとうなら損をしない」という理解は誤りである点に注意しましょう。
初心者がやりがちなNG行動
話題性だけで銘柄を選んでしまう
SNSやニュースで話題になっている銘柄というだけで、事業内容をよく調べずにるいとうの対象に選んでしまうのはよくある失敗パターンです。長期間付き合っていく前提のしくみだからこそ、腰を据えて選ぶことが大切です。
生活費まで積立に回してしまう
「毎月自動で引き落とされるから」と、生活防衛資金や当面使う予定のあるお金まで積立に回してしまうと、急な出費が必要になったときに困ることになります。あくまで余剰資金の範囲で金額を設定しましょう。
分散をNISAのつみたて投資枠と混同してしまう
「積立をしているから分散もできている」と思い込み、るいとう1銘柄だけで資産形成を完結させてしまうのは避けたいところです。分散を重視したい場合は、投資信託のつみたてなど、他の方法と組み合わせて検討することも一般的な考え方として紹介されています。
リスクと注意点
るいとうも株式投資の一種であり、以下のリスクを理解した上で利用することが大切です。
- 積立方式であっても、株価の変動により購入金額を下回る(元本割れする)可能性があります
- 1銘柄への投資となるため、個別企業の業績悪化・不祥事などの影響を直接受けるリスクがあります
- 取扱銘柄・最低金額・手数料・NISA対応の有無は証券会社によって異なり、将来変更される可能性もあります
- 制度・サービス内容に関する情報は執筆時点(2026年7月)のものです。実際の利用前には、必ず各証券会社・金融庁の公式サイトで最新情報をご確認ください
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品・証券会社・銘柄の売買を推奨するものではありません。投資は自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。
まとめ 分散の考え方と組み合わせて検討しよう
るいとう(株式累積投資)は、まとまった資金がなくても、時間をかけて少しずつ憧れの銘柄の株主になっていける、初心者にも取り組みやすいしくみです。一方で、1銘柄への集中投資になりやすい点や、手数料・NISA対応が証券会社によって異なる点は、単元未満株やNISAのつみたて投資枠とは違う注意点として押さえておく必要があります。
「この銘柄を長く応援したい」という気持ちを大切にしつつ、資産形成全体としては投資信託のつみたてなど分散を重視した方法とも組み合わせながら、無理のない範囲で検討してみてはいかがでしょうか。

