
「NISAを始めようと調べたら、『投資信託』と『ETF』どちらも出てきて、何が違うのか分からない…」

「どっちも『分散投資できる商品』って聞くけど、結局どっちを選べばいいの?」
結論から言うと、ETFと投資信託はどちらも「複数の株式・債券などをまとめて持てる分散投資の器(ファンド)」という点は共通していますが、取引のしかた・購入できる場所・最低投資金額・コストの仕組みが異なります。どちらか一方が絶対的に優れているわけではなく、ご自身の投資スタイルに合わせて選ぶことが基本の考え方です。この記事では、初心者向けにETFと投資信託の違いと、選び方の考え方を整理します。
※ 制度・商品性に関する内容は2026年7月時点の一般的な情報です。個別商品の詳細・最新の手数料等は、必ず各証券会社・運用会社の公式情報でご確認ください。
そもそもETF・投資信託とは何か
投資信託(ファンド)の仕組み
投資信託は、多くの投資家から集めたお金を運用の専門家(運用会社)がまとめて株式や債券などに投資し、その成果を投資家に還元する仕組みの金融商品です。1つの投資信託を買うだけで、国内外の株式や債券に分散投資できる点が特徴です。
📰 出典:一般社団法人投資信託協会「投資信託とは」
購入・解約は証券会社だけでなく銀行や郵便局などでも取り扱いがあり、価格(基準価額)は1日に1回だけ算出されます。
ETF(上場投資信託)の仕組み
ETF(Exchange Traded Fund)は「上場投資信託」とも呼ばれ、投資信託の一種でありながら証券取引所に上場し、株式と同じようにリアルタイムで売買できる商品です。日経平均株価や米国株価指数などの値動きに連動するものが代表的です。
📰 出典:日本取引所グループ「ETFとは」
ETFは取引所での売買となるため、証券会社の口座を通じて、株式と同じ感覚で価格を見ながら注文を出せる点が大きな特徴です。
ETFと投資信託の5つの違い
初心者がまず押さえておきたい違いを、5つのポイントに整理します。
1. 取引のタイミング・価格
投資信託は1日1回算出される「基準価額」で取引され、注文を出してから約定価格が確定するまでにタイムラグがあります。一方ETFは株式と同様に取引所が開いている時間内であれば、リアルタイムの市場価格で売買できます。
2. 購入できる窓口
投資信託は証券会社に加えて銀行・郵便局など幅広い金融機関で取り扱いがあります。ETFは取引所に上場している商品のため、証券会社の口座でのみ売買が可能です。
3. 最低投資金額
投資信託は「100円から」など少額から購入できる商品が多く、金額を指定して積立設定をしやすいのが特徴です。ETFは基本的に「1口・1株単位」での売買となるため、銘柄によっては数万円〜十数万円程度のまとまった資金が必要になる場合があります。
4. コストの違い
投資信託は保有中に「信託報酬」という運用管理費用が日々差し引かれる仕組みが一般的です。ETFも信託報酬に相当する費用はかかりますが、一般的に投資信託(特に対面型・アクティブ型)より低コストな商品が多いとされています。ただしETFは株式と同様に売買のたびに証券会社所定の売買手数料がかかる場合がある点に注意が必要です。
📰 出典:金融庁「NISAを知る」
5. NISAでの取り扱い
新NISAの「つみたて投資枠」で購入できる商品は、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託・ETFに限定されています。実際には対象商品の大半を投資信託が占めており、定期的な自動積立の設定がしやすい仕組みになっています。一方「成長投資枠」では、上場株式・ETF・より幅広い投資信託などが対象となります。制度の対象商品や条件は変更される可能性があるため、最新情報は金融庁やご利用の証券会社で必ずご確認ください。
どちらを選ぶべき?目的別の考え方
「結局どちらがいいのか」と迷う方に向けて、目的別の考え方の一例を紹介します。あくまで一般的な考え方であり、特定の商品の購入を推奨するものではありません。
- コツコツ自動で積み立てたい方:毎月決まった金額を自動で積み立てる設定がしやすい投資信託が候補になりやすいでしょう。値動きを毎日チェックする手間を減らしたい方に向いています。
- 自分の見たタイミングで売買したい方:リアルタイムの価格を見ながら注文を出したい方にはETFが選択肢になります。ただし、値動きを頻繁に見られる分「短期的な売買」に気持ちが向きやすくなる点には注意が必要です。
- 少額からとにかく分散投資を始めたい方:100円単位から始められる投資信託の積立は、投資に回せる金額が少ない初心者にとって始めやすい方法のひとつです。
- コストを重視したい方:同じ指数に連動する商品でも、信託報酬(運用管理費用)は商品ごとに異なります。ETF・投資信託のどちらを選ぶ場合も、目論見書等で費用を確認する習慣をつけることが大切です。
初心者が選ぶときに気をつけたいポイント(リスク)
ETF・投資信託のどちらを選ぶ場合も、以下の点は共通の注意点として押さえておきましょう。
- 元本保証ではない:ETF・投資信託はいずれも株式や債券などに投資する商品であり、値動きによって購入時より値下がりし、元本を割り込む可能性があります。「絶対に増える」商品ではありません。
- 為替リスクがある商品も:海外の株式・債券に投資するタイプの商品は、為替レートの変動によって円換算の価値が変わる為替リスクも伴います。
- 「安いから良い」と単純比較しない:信託報酬の低さだけでなく、連動対象の指数や運用実績、純資産総額なども確認することが大切です。
- ETFは売買手数料や流動性にも注意:取引量が少ない銘柄は、希望する価格ですぐに売買できない場合があります。
- 制度・税制は変わることがある:NISAの対象商品や非課税枠のルールは今後見直される可能性があります。投資判断の前に必ず公式情報で最新内容を確認する習慣をつけましょう。
よくある勘違い
- 「ETFは投資信託より必ず安全」というわけではありません。連動対象の資産(株式・債券・特定の業種など)によってリスクの大きさは異なります。
- 「投資信託は手間がかかる」というイメージを持たれることがありますが、多くのネット証券では自動積立設定をすれば、一度設定するだけで手間なく継続できます。
- どちらの商品も「分散投資」の器であって、中身(連動する指数や資産の種類)によってリスク・リターンの特性は大きく変わります。器の種類(ETFか投資信託か)だけでなく、中身の確認も忘れないようにしましょう。
まとめ 器の違いを理解し、自分の投資スタイルに合わせて選ぶ
ETFと投資信託は、どちらも分散投資ができる金融商品という共通点を持ちながら、取引のタイミング・購入窓口・最低投資金額・コストの仕組みが異なります。「自動でコツコツ積み立てたいなら投資信託」「リアルタイムで売買したいならETF」というように、ご自身の投資スタイルや目的に合わせて選ぶことが基本の考え方です。
いずれの商品も元本割れのリスクがあることに変わりはありません。最終的な商品選びはご自身の判断で行い、信託報酬や連動対象などの詳細は必ず目論見書や公式情報で確認するようにしましょう。
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資は自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。

