決算書(貸借対照表)を開くと「固定資産」という項目が出てきます。工場や建物のように目に見えるものだけでなく、ソフトウェアのように形のないものも含まれます。この記事では、初心者向けに固定資産の基本と、数字を見るときの注意点を整理します。
本記事は情報提供を目的とし、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨するものではありません。投資は元本割れのリスクがあります。自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。
固定資産とは?
固定資産とは、会社が長期間(原則として1年を超えて)使う目的で持つ資産のことです。貸借対照表の資産の部に載ります。大きく3つに分けられます。
- 有形固定資産:土地、建物、機械設備など形のあるもの
- 無形固定資産:ソフトウェア、特許権、のれんなど形のないもの
- 投資その他の資産:長期保有の投資有価証券、長期貸付金など
反対に、1年以内に現金化されるものは「流動資産」と呼ばれます。制度や会計基準の詳細は変わることがあるため、最新の内容は日本取引所グループ(JPX)や企業の開示資料などの公式情報で確認してください。
📰 出典:日本取引所グループ(JPX)
仮の数字で考える
あくまで説明用の仮の数字です。
- A社:総資産100億円のうち、固定資産が70億円(工場や設備が中心)
- B社:総資産100億円のうち、固定資産が20億円(ソフトウェアや人材が中心)
A社のほうが固定資産の割合が高いですが、どちらが良い会社かはこの数字だけでは決められません。工場が必要な業種と、設備をあまり必要としない業種では、もともとの構造が違うためです。
初心者が気をつけたい3つの注意点
1. 固定資産が多い=安心、とは限らない
資産が多いのは一見安心に見えますが、設備は売上を生んで初めて意味があります。使われていない設備や、将来の収益につながらない資産が多ければ、負担になることもあります。
2. 業種が違う会社を単純に比べない
製造業や運輸業のように設備を多く持つ業種もあれば、サービス業のように少ない業種もあります。割合を見るなら、同じ業種の会社と比べるのが基本です。
3. 無形固定資産は「価値の見積もり」に注意
のれん(企業を買収したときに上乗せして払った分)などは、買収先の業績が想定を下回ると、価値を切り下げる「減損」が行われることがあります。無形固定資産の増加は、その中身(何を買ったのか)まで確認したいポイントです。
決算書で確認する3ステップ
- 貸借対照表で、固定資産が総資産の何%かを確認する
- 有形・無形・投資その他の内訳を見て、増えた項目を探す
- 注記や決算説明資料で、増えた理由(設備投資か買収か)を確認する
NG行動
- 固定資産の数字だけで「良い会社」「悪い会社」と決めつける
- 業種の違う会社を同じ基準で比べる
- 噂やSNSの断定的な投稿をうのみにして売買する
- 生活資金や借入のお金で投資する
まとめ
固定資産は「長く使う資産」で、有形・無形・投資その他の資産に分かれます。多い・少ないだけで判断せず、業種の特徴や増減の理由を一緒に見ることが大切です。投資の基本は長期・分散・積立で、無理のない範囲で続けることです。元本割れのリスクがあるため、最終的な判断は自己責任で行ってください。
※本記事は2026年10月時点の一般的な内容です。制度や会計基準は変更される場合があります。

