結論から言うと、スリッページとは「注文したときに見ていた価格」と「実際に売買が成立した価格」がずれることです。暗号資産は値動きが大きく、特に成行注文や取引量の少ない銘柄では起こりやすいとされています。この記事では、スリッページの仕組みと、初心者が知っておきたい3つの注意点、注文前の確認ステップをやさしく解説します。
「画面で見た価格より高く買ってしまった」「思ったより安くしか売れなかった」という経験はありませんか。正直、最初は仕組みが分かりにくいですよね。でも、押さえるポイントは多くありません。
※本記事は2026年10月時点の一般的な情報に基づく解説です。取引所のルールや手数料は変わることがあるため、最新は各社の公式情報をご確認ください。暗号資産は株式以上に価格変動が大きく、ハイリスクな資産です。余剰資金で、失っても困らない範囲で行うことが大原則です。
スリッページとは?「見ていた価格」と「約定価格」のずれ
結論:スリッページは、注文が出されてから成立するまでの間に価格が動いたり、希望の数量を同じ価格では買えなかったりして、約定価格がずれる現象です。
主な原因は2つあります。
- 注文から約定までの間に価格が変動した(値動きが速いとき)
- 板(売り買いの注文の一覧)に、希望数量を満たす注文が十分になく、より不利な価格の注文まで順に約定した(取引量が少ないとき)
📰 出典:金融庁(暗号資産関連)
仮の数字で考えてみる
あくまで説明用の仮の例です。
- 画面の表示価格:1枚100円
- 売り板:100円で3枚、101円で3枚、103円で10枚
- 成行で6枚買うと:100円×3枚+101円×3枚=603円(平均100.5円)
- 成行で10枚買うと:100円×3+101円×3+103円×4=1,015円(平均101.5円)
表示価格は100円でも、数量が増えるほど平均の約定価格が不利になります。この差がスリッページです。
初心者が知っておきたい3つの注意点
注意点1:成行注文は「約定しやすい」が「価格は確定しない」
結論:成行注文は価格を指定しないため、すぐ約定しやすい反面、想定外の価格で成立することがあります。
値動きが速いとき、夜間や休日で参加者が少ないときは特に注意が必要です。価格を指定する指値注文なら、不利な価格では約定しない代わりに、約定しないこともあります。どちらにも一長一短があり、リスクがなくなるわけではありません。
注意点2:取引量の少ない銘柄ほどずれやすい
結論:板が薄いと、少し多めの数量でも価格が大きく動くことがあります。
流動性(売買のしやすさ)が低い銘柄では、売りたいときに買い手が少なく、思わぬ安値でしか売れないこともあります。値動きが派手な銘柄に飛びつく前に、普段の取引量や板の厚みを確認する習慣を持ちましょう。
注意点3:販売所のスプレッドや手数料とは別のコスト
結論:スリッページは、手数料やスプレッド(買値と売値の差)とは別に生じうる実質的なコストです。
取引コストは「手数料」「スプレッド」「スリッページ」が重なって決まります。手数料が無料でも、価格のずれで結果的にコストが膨らむことがあります。また、分散型取引所(DEX)では、許容するスリッページの設定が必要な場合があり、大きく設定しすぎると不利な価格でも約定してしまうため注意が必要です。
注文前に確認したい3ステップ
- 板の厚み(注文数量)と直近の値動きを見て、自分の数量が価格に影響しないか確かめる
- 成行か指値かを、目的(急ぎか、価格を優先するか)に合わせて選ぶ
- 最初は少額で試し、約定結果と表示価格の差を確認する
やりがちなNG行動
- 急騰・急落の最中に、焦って大きな数量を成行で注文する
- 画面の表示価格=必ずその価格で約定すると思い込む
- 許容スリッページを深く考えずに大きく設定する
- 取引所の登録状況を確認せず、無登録業者や海外業者を使う
暗号資産のリスクと注意点
暗号資産は価格変動が非常に大きく、元本を大きく割り込む可能性があります。ハッキングや詐欺、送金ミスによる資産消失のリスクもあります。必ず金融庁の登録を受けた暗号資産交換業者を利用し、儲け話や怪しい勧誘には注意してください。利益には原則として雑所得として税金がかかり、確定申告が必要な場合があります。具体的な税額や申告は、税務署や税理士にご確認ください。
まとめ
スリッページは、表示価格と約定価格のずれのことです。成行注文・取引量の少ない銘柄・値動きの速い場面で起こりやすく、手数料とは別のコストになります。注文前に板と値動きを確認し、少額から落ち着いて取引することが大切です。
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の暗号資産の購入・売却を推奨するものではありません。投資は自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。

