「年平均5%」とは?投資の平均リターンの見方と、初心者が数字を鵜呑みにしないための3つの注意点

株式投資

「『年平均5%で運用できた』って書いてあると、毎年5%ずつ増えるって思っちゃうな…」

「でも、実際には増える年も減る年もあるんだよね。平均ってどう見ればいいの?」

投資信託や株の解説で目にする「年平均○%」という表現は、毎年その数字で増えるという意味ではありません。この記事では、年平均リターン(年率)の意味と見方を、仮の数字を使って初心者向けに整理します。結論は「平均の数字だけで将来を決めつけず、ばらつきと元本割れリスクもセットで見る」ことです。

本記事は情報提供を目的とし、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資は元本割れの可能性があります。自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。

「年平均リターン」は毎年同じ数字ではない

年平均リターンとは、複数年の成績をならして「1年あたりどのくらいだったか」を表した数字です。実際の値動きは年ごとに違い、プラスの年もマイナスの年もあります。

大事なのは、「平均」には計算の仕方がいくつかあることです。代表的なものは次の2つです。

種類考え方特徴
単純な平均(算術平均)毎年のリターンを足して年数で割る計算は簡単だが、実際の資産の増え方とズレやすい
年率換算(幾何平均)最初と最後の資産額から、毎年同じ率で増えたと仮定して求める実際の資産の増え方に近い

仮の数字で見る「平均」と「実際の資産」のズレ

仮に、100万円を2年間運用して、1年目が+50%、2年目が-50%だったとします(あくまで説明用の仮の数字です)。

年リターン年末の資産
開始時-100万円
1年目+50%150万円
2年目-50%75万円

単純な平均は(+50%と-50%の平均で)0%ですが、資産は100万円から75万円に減っています。「平均0%だから元のまま」とはならないのです。値動きの大きさ(ばらつき)が大きいほど、この差は広がりやすくなります。

📰 出典:金融庁 つみたてNISA・NISA特設サイト

金融庁のNISA関連の案内でも、投資にはリスクがあり、将来の運用成果が保証されるものではないことが示されています。過去の成績は参考情報にとどまります。

初心者が知っておきたい3つの注意点

1. 「年平均○%」は将来を約束する数字ではない

過去の平均は、あくまで過去の結果です。同じ商品でも、期間の切り取り方(始まりと終わりの時期)で数字は大きく変わります。「過去10年で年平均○%」という表現を、そのまま今後の期待値と考えるのは避けましょう。

2. 平均だけでなく「ばらつき」と「最大の下落」も見る

同じ年平均でも、毎年少しずつ増える場合と、大きく増えたり減ったりする場合では、持ち続けるときの心理的な負担が全く違います。投資信託の資料にある「最大の下落(ドローダウン)」や、年ごとの成績の一覧もあわせて確認すると、実際の値動きのイメージがつかみやすくなります。

3. 手数料や税金を引く前か後かを確認する

表示されている数字が、信託報酬などのコストや税金を引く前なのか後なのかで、手元に残る金額は変わります。また、期間の最初と最後が高値・安値だったかによっても見え方が変わります。目論見書や運用報告書で、数字の前提を確認しましょう。

初心者がやりがちなNG行動

  • 「年平均○%」だけを見て、毎年その額が増えると思い込む
  • 直近で成績の良い期間だけを切り取った数字で商品を選ぶ
  • 生活費や近く使う予定のお金まで投資に回してしまう
  • 平均が良いからと、一度に大きな金額を入れてしまう

数字を見るときの確認3ステップ

  1. いつからいつまでの数字か(期間と、始まり・終わりの時期)を確認する
  2. コスト・税金を引いた後かを確認する
  3. 最大の下落や年ごとの成績を見て、自分が耐えられるかを考える

まとめ

「年平均○%」は便利な目安ですが、毎年その数字で増えることを意味しません。平均の数字は、ばらつきや元本割れの可能性とセットで読むことが大切です。制度や商品の内容は変わることがあるため、最新の情報は公式サイトや商品の資料でご確認ください(本記事は2026年10月時点の一般的な内容です)。焦らず、生活防衛資金を確保したうえで、余剰資金の範囲で長期目線の判断をしていきましょう。

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