株の情報サイトで必ず目にする「PER」。結論から言うと、PERは「株価が1株当たり利益の何倍か」を表す目安であり、低い=買い、高い=売りと単純に決められる数字ではありません。この記事では、PERの意味と計算方法、見るときの3つの注意点、初心者が使うときの手順を、仮の数字例でやさしく解説します。
> 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄・金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。株式投資には価格変動による元本割れのリスクがあります。投資は自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。
PER(株価収益率)とは?まず意味と計算方法を知ろう
PERは「Price Earnings Ratio」の略で、日本語では株価収益率といいます。今の株価が、会社の1株当たり利益(EPS)の何年分にあたるかを示す指標です。
📰 出典:日本取引所グループ(JPX)
計算式はシンプルです。
- PER(倍)= 株価 ÷ 1株当たり利益(EPS)
仮の数字例で計算してみる
ここでの数字は説明用の仮のものです。実在の企業とは関係ありません。
| 項目 | A社 | B社 |
|---|---|---|
| 株価 | 1,500円 | 3,000円 |
| 1株当たり利益(EPS) | 100円 | 100円 |
| PER | 15倍 | 30倍 |
A社は株価が利益の15年分、B社は30年分という見方になります。一般的には、PERが低いほど「利益に比べて株価が控えめ」、高いほど「利益に比べて株価が高く評価されている」とされます。ただし、これはあくまで目安のひとつです。
市場の平均と比べるときのヒント
PERは単体で見るより「比べて」初めて意味が出ます。比べる相手は主に次の3つです。
- 同じ業種の他社
- その会社自身の過去の推移
- 市場全体の平均的な水準
数値は日々変わるため、最新の数字は証券会社の銘柄ページや各社の決算資料で確認してください(執筆時点:2026年10月)。
PERを見るときの3つの注意点
注意点1:PERが低い=割安で買い、とは限らない
PERが低い会社には、「将来の利益が減ると市場が見ている」「業績が不安定」といった理由がある場合があります。いわゆる「割安に見えて実は安い理由がある」状態です。
一方、PERが高い会社でも、利益が今後大きく伸びると期待されている場合があります。低い・高いという結果だけでなく、「なぜそうなっているのか」を考えることが大切です。
注意点2:使われている利益が「予想」か「実績」かを確認する
PERには、すでに確定した決算をもとにした「実績PER」と、会社が出した業績予想をもとにした「予想PER」があります。
- 実績PER:過去の確定した利益で計算。数字は確実だが、状況が変わっていることもある
- 予想PER:会社予想の利益で計算。先を見られるが、予想は上下に修正されることがある
同じ会社でも2つのPERは違う数字になります。サイトによって表示が違うので、どちらなのかを必ず確認しましょう。
注意点3:一時的な利益や損失で数字がゆがむ
土地の売却益のような一時的な利益で純利益が膨らむと、PERは低く見えます。逆に一時的な損失が出ると、PERが高く見えたり、赤字でPERが表示されなかったりします。
決算書で、利益が本業(営業利益)によるものか、一時的な要因によるものかも合わせて確認しておくと、数字を読み違えにくくなります。
初心者が使うときの3ステップ
- PERの種類を確認する:実績か予想かを見て、同じ条件の数字同士で比べる
- 同業他社・過去の推移と比べる:業種によって水準が違うので、全く別の業種とは比べない
- 他の指標とセットで見る:PBR、ROE、配当利回り、自己資本比率などもあわせて、会社の全体像を見る
やってはいけないNG行動
- 「PERが低いから」という理由だけで買う
- 「PERが高いから」という理由だけで手放す
- 業種の違う会社のPERを、そのまま比べる
- 1回の決算の数字だけで長期の判断をする
- SNSの「PER○倍は割安」という投稿だけを根拠にする
指標はあくまで判断材料のひとつです。数字を見て結論を出すのではなく、「この数字は何を意味しているのか」を自分の言葉で説明できるようにしておくと、焦った売買を避けやすくなります。
まとめ:PERは「会社を調べる入口」として使おう
PERは、株価が利益の何倍かを示す、とても便利な目安です。ただし、低い=割安、高い=割高と決めつけることはできません。実績か予想か、一時的な要因はないか、同業他社と比べてどうかを確認して、はじめて使える数字になります。
株式投資には元本割れのリスクがあります。長期・分散・積立を基本に、無理のない範囲で、ご自身の判断で進めてください。最新の情報は、各社の決算資料や証券会社、日本取引所グループなどの公式情報でご確認ください。

