
「10月はビットコインが上がりやすいって聞いたけど、今から買ったほうがいいのかな…」

「過去の傾向が本当なら、乗り遅れたくない気もするんだよね」
結論から言うと、「10月は過去に上昇した年が多い」という傾向は、あくまで過去の統計であり、今年の値動きを約束するものではありません。この記事では、ビットコインの10月アノマリー(経験則)に関する報道を整理し、初心者が焦らず、自分のルールで判断するための考え方を解説します。
※ 本記事は2026年10月1日時点の報道をもとにした情報提供です。特定の暗号資産の購入・売却を推奨するものではありません。投資は自己責任で、失っても生活に困らない余剰資金の範囲で行ってください。
どんなニュース?ビットコインの10月アノマリーが話題に
2026年10月1日、暗号資産メディアのjinacoinが、ビットコインの月次リターンを振り返る記事を掲載しました。ここでは、報じられている内容のうち事実部分だけを整理します。
📰 出典:jinacoin「ビットコイン、10月アノマリー復活か──過去13年で10回上昇」
- ビットコインの9月の月次リターンは+6.33%だった
- 7月から3カ月連続のプラスで、第4四半期(10〜12月)に入った
- 10月は過去13年のうち10年で上昇しており、月別の平均では11月に次いで高い
- 2013〜2025年の10月の月次リターンは、平均が+19.92%、中央値が+14.71%
- 10月がマイナスで終わったのは、2014年(−12.95%)、2018年(−3.83%)、2025年(−3.69%)の3回
- 9月がプラスだった過去5回のうち、10月も上昇したのは4回(例外は2025年)
「アノマリー」とは、理由は明確でないものの、過去のデータで繰り返し観察される経験則のことです。株式市場でも「夏枯れ相場」「セルインメイ」などがよく知られています。
筆者の私見:数字のインパクトに引っ張られやすい、という点に注意
ここからは、事実ではなく筆者の私見です。
「13年中10回上昇」「平均+19.92%」という数字は、とても魅力的に見えます。しかし、数字を読むときには次のような点に気をつけたいところです。
「13年分のサンプル」は多いとは言えない
月ごとのリターンを13年分集めても、10月のデータは13個しかありません。統計として何かを断言するには、決して多いサンプルとは言えないと筆者は考えます。
平均値は「大きく上がった年」に引っ張られる
平均が+19.92%で、中央値が+14.71%と、両者には差があります。これは、一部の大きく上昇した年が平均を押し上げている可能性を示しています。「平均で約20%上がる」という見方は、典型的な年の姿とは限りません。
直近の2025年は「マイナス」だった
報道によると、2025年の10月は−3.69%と、7年ぶりのマイナスでした。「例年10月は強い」という見方が広まった年に、そのとおりにならなかった例があるという事実は、アノマリーの限界を示しています。
「当たった年」だけが記憶に残りやすい
アノマリーは、当たった年に話題になり、外れた年は話題になりにくい傾向があります。SNS上でも「今年も10月は強い」という声が見られますが、そうした声の多さと、実際の値動きは別物です。
資産形成への発展:アノマリーを「判断材料の一つ」にとどめる
では、こうしたニュースから、初心者はどんな学びを得られるでしょうか。
学び1:過去の傾向は「確率の目安」であって「予告」ではない
10年上昇しているということは、裏を返せば3年は下落しているということです。しかも、下落した年は−12.95%と、大きく下がった例もあります。上昇しやすい「傾向」があったとしても、下がる可能性は常にあります。
学び2:ビットコインは値動きが非常に大きい資産
月次で+20%や−13%といった変動が起こりうること自体が、ビットコインのリスクの大きさを示しています。株式以上にハイリスクと言われる理由はここにあります。「上昇した年の数字」だけでなく、「下落した年の数字」も同じ重さで見ておくことが大切です。
学び3:カレンダーで売買するのは再現性が低い
「10月だから買う」「11月になったから売る」といった月のカレンダーだけに頼る方法は、うまくいく年もあれば、そうでない年もあります。結果が運に左右されやすく、初心者が続けるのは難しいやり方だと筆者は考えます。
具体的なアクション・心構え
短期の値動きを予想するよりも、自分で決められることに目を向けましょう。
- 余剰資金の範囲を決める:生活費・生活防衛資金は別に確保したうえで、失っても生活が崩れない金額だけにする
- 投資する金額とルールを先に決める:「いくらまで」「下がったらどうするか」を、値動きが大きくなる前に書き出しておく
- 一度に投じず、時間を分ける:積立のように、購入のタイミングを分散する方法もある(利益を保証するものではありません)
- ニュースを見る頻度を決める:毎日チェックするほど、一喜一憂して判断がぶれやすくなる
- すでに保有している人は、資産全体に占める割合を確認する:値上がりで比率が大きくなっていないかを点検する
注意点・NG行動
- アノマリーだけを理由に購入する:過去の傾向は将来を保証しません
- 「乗り遅れたくない」という焦りで買う:焦りは判断を鈍らせます
- 借入やレバレッジ取引で一気に増やそうとする:値動きが大きい資産では損失が拡大するリスクがあります
- 金融庁に登録されていない業者・海外の無登録業者を使う:必ず金融庁登録の暗号資産交換業者かを確認しましょう
- 「10月は必ず儲かる」といった話に乗る:こうした断定的な誘い文句は、詐欺の典型的な話法でもあります。SNSのDMやグループへの勧誘にも注意してください
- ハッキングや送金ミスへの備えを怠る:二段階認証の設定、送金先アドレスの確認などの基本は欠かせません
暗号資産の利益にかかる税金も確認を
日本では、暗号資産の売却益などは原則として雑所得に分類され、一定の条件では確定申告が必要になります。税制は変わることがあるため、具体的な扱いは国税庁の情報を確認するか、税務署・税理士にご相談ください。
まとめ:アノマリーに乗るより、自分のルールを先に決める
- 「10月は過去13年で10回上昇」という報道は事実だが、将来の値動きを約束するものではない
- 2025年の10月は−3.69%のマイナスで、アノマリーが外れた例もある
- ビットコインは月次で大きく上下する、ハイリスクな資産である
- 大切なのは、余剰資金の範囲・投資ルール・ニュースとの距離感を、自分で決めておくこと
相場の話題が盛り上がるときほど、立ち止まって「自分のルールに合っているか」を確認する習慣が、長く資産形成を続ける助けになります。
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品・暗号資産の購入・売却を推奨するものではありません。暗号資産は価格変動が大きく、元本を大きく割り込む可能性があります。投資は自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。数値は報道時点のもので、最新の情報は各公式情報をご確認ください。

