
「つみたてNISAを始めようと思ったけど、投資信託の種類が多すぎて何を選べばいいか分からない…」

「インデックスとかアクティブとか言われても、正直違いがピンとこないんだよね」
結論から言うと、つみたてNISAで選べる投資信託は大きく「インデックス型」「アクティブ型」「バランス型」「ターゲットイヤー型」の4タイプに分けて考えると、自分に合うものが見えてきます。どれが絶対的に優れているというものではなく、コスト・値動きの大きさ・手間のかけ方のバランスで選ぶのがポイントです。この記事では、投資初心者の方に向けて、それぞれのタイプの特徴とメリット・デメリット、選ぶときの考え方を分かりやすく解説します。
なお、NISA制度や取扱商品は今後も変更される可能性があります。本記事は2026年8月執筆時点の情報をもとにしていますので、実際に利用する際は必ず金融庁や各証券会社の最新の公式情報をご確認ください。また、投資信託は元本が保証された商品ではなく、値上がり・値下がりによって元本を下回る(元本割れする)可能性があることを前提にお読みください。
そもそも投資信託とは?つみたてNISAとの関係をおさらい
投資信託とは、多くの投資家から集めたお金を一つの資金としてまとめ、運用の専門家(運用会社)が株式や債券などに分散して投資してくれる金融商品です。1本の投資信託を買うだけで、自動的に数十〜数千の銘柄に分散投資できる点が大きな特徴です。
つみたてNISAの成長投資枠・つみたて投資枠(新NISA)で購入できる投資信託は、金融庁が定めた一定の基準(長期・積立・分散投資に適した商品であること、手数料が一定水準以下であることなど)をクリアした商品に限られています。そのため、初心者でも比較的選びやすい設計にはなっていますが、それでも数百本の選択肢があるため、タイプ別の特徴を知っておくと選びやすくなります。
📰 出典:NISAを知る(金融庁)
投資信託を選ぶときに見るべき3つのポイント
投資信託選びで迷ったときは、まず次の3点を確認する習慣をつけましょう。
1. 信託報酬(保有中のコスト)
投資信託は保有している間、「信託報酬」と呼ばれる運用管理費用が毎日少しずつ資産から差し引かれます。同じような投資対象であれば、信託報酬は低いほど長期的なリターンにとって有利とされています。年率0.1%台の商品もあれば、1%を超える商品もあるため、購入前に必ず目論見書や商品ページで確認しましょう。
2. 値動きの大きさ(資産クラス・投資対象の違い)
株式中心のファンドは期待リターンが大きい一方、値動き(価格変動)も大きくなる傾向があります。逆に債券を組み入れたファンドは値動きが比較的穏やかになりやすい一方、期待リターンも抑えめになる傾向があります。「どのくらいの値下がりまで気持ちが耐えられそうか」を基準に考えることが大切です。
3. 運用の手間・続けやすさ
自分で複数の商品を組み合わせて資産配分を管理するのか、それとも1本で自動的に分散・調整してくれる商品に任せるのか。ライフスタイルや投資に割ける時間によって、向いているタイプは変わってきます。
信託報酬の差は長期でどのくらい影響する?(あくまで一例の試算)
「信託報酬が年0.1%と年1%、そんなに違うの?」と感じる方もいるかもしれません。あくまで一例ですが、毎月3万円を20年間積み立て、仮に運用利回りが同じだったと仮定した場合でも、差し引かれるコストの累計額には無視できない開きが生じます。信託報酬は毎年・毎日じわじわと資産から差し引かれるため、長期になるほどコストの差が積み重なっていく性質があるという点は、覚えておいて損はありません。
※ この試算は信託報酬の違いによるコスト差をイメージするための一例であり、実際のリターンや将来の成果を保証するものではありません。実際の利回りは市場環境によって変動し、マイナスになる年もあります。
購入前に目論見書でチェックしたい3項目
投資信託を購入する前には、「目論見書(もくろみしょ)」と呼ばれる商品説明資料に必ず目を通すことをおすすめします。特に次の3項目は確認しておきましょう。
- 投資対象・資産配分:株式・債券・REITなど、何にどのくらいの比率で投資しているか
- 信託報酬などのコスト:年率でどのくらいの費用がかかるか
- 純資産総額の推移:資金が継続的に集まっているか、極端に資金が流出していないか
これらは証券会社の商品ページや、運用会社の公式サイトからも確認できます。
投資信託のタイプ別 特徴とメリット・デメリット
ここからは、つみたてNISAでよく選ばれる4つのタイプについて、それぞれの特徴を整理します。なお、特定の商品名を挙げての「これがおすすめ」という案内は行いません。あくまでタイプごとの一般的な特徴として参考にしてください。
① インデックス型ファンド
- 特徴:日経平均株価やS&P500、全世界株式指数(オール・カントリーなど)といった特定の指数(インデックス)に連動する成果を目指す商品です。
- メリット:信託報酬が比較的低めの商品が多く、値動きが分かりやすい。長期の資産形成で選ばれることが多いタイプです。
- デメリット:市場平均を上回るリターンは基本的に狙えません。市場全体が下落する局面では、当然ファンドの基準価額も下落します。
② アクティブ型ファンド
- 特徴:運用会社の調査・分析に基づき、指数を上回る成果を目指して銘柄を選定する商品です。
- メリット:うまくいけば指数を上回るリターンが期待できる可能性があります(ただし保証はされません)。
- デメリット:信託報酬がインデックス型より高めに設定されていることが一般的です。運用成績は商品や運用会社によって差が大きく、必ずしも指数を上回り続けるとは限りません。
③ バランス型ファンド
- 特徴:国内外の株式・債券・REIT(不動産投資信託)などを、あらかじめ決められた比率で組み合わせて運用する商品です。「8資産均等型」のように複数資産をまとめて持てる商品が代表例です。
- メリット:1本で資産の分散ができるため、配分を自分で考える手間が少なくて済みます。株式100%のファンドに比べて値動きが穏やかになりやすい傾向があります。
- デメリット:株式の比率が下がる分、期待リターンも抑えめになりやすいです。どの資産がどんな比率で入っているかが分かりにくい場合もあるため、目論見書で構成を確認する必要があります。
④ ターゲットイヤー型ファンド
- 特徴:「2050年」のように目標年(主に退職時期などを想定)を設定し、その年に近づくにつれて自動的に株式の比率を下げ、債券などの比率を上げていく設計の商品です。
- メリット:年齢やライフステージに応じたリスク調整を自動で行ってくれるため、長期間ほったらかしにしやすい設計です。
- デメリット:調整のロジックは商品ごとに異なり、信託報酬がやや高めのケースもあります。自分のリスク許容度と、ファンドが想定する調整ペースが合っているかを確認することが大切です。
📰 出典:投資信託の仕組み(投資信託協会)
タイプ別 こんな人に向いているという考え方
あくまで一般的な考え方の一例であり、最終的な判断は必ずご自身の状況やリスク許容度に照らして行ってください。
- コストを抑えて長期でコツコツ増やしたい人:低コストのインデックス型が選択肢になりやすいとされています。
- 多少コストが高くても指数超えの可能性に賭けてみたい人:アクティブ型も選択肢の一つですが、成果が指数を下回る可能性もある点は理解しておく必要があります。
- 配分を考えるのが苦手・とにかく手間をかけたくない人:バランス型やターゲットイヤー型のように、1本で分散・調整が完結するタイプが検討候補になります。
- 退職時期など将来のタイミングを見据えて自動でリスクを下げていきたい人:ターゲットイヤー型の設計が考え方に合っている場合があります。
いずれのタイプも「必ず増える」わけではなく、市場全体が下落する局面では基準価額が下がり、元本を下回る可能性があります。この点はどのタイプを選んでも共通するリスクです。
複数タイプを組み合わせるという考え方もある
必ずしも1タイプだけに絞る必要はありません。例えば「インデックス型を軸にしつつ、値動きを抑えたい分だけバランス型も少し組み合わせる」といったように、複数のタイプを組み合わせて自分なりの配分を作る考え方もあります。ただし、組み合わせが複雑になりすぎると管理の手間が増え、かえって続けにくくなることもあるため、無理のない範囲にとどめることが大切です。
つみたて投資枠と成長投資枠、どちらで買える?
新しいNISA制度では「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠があります。つみたて投資枠で購入できる投資信託は、金融庁の基準を満たした一定の商品に限られますが、インデックス型・アクティブ型・バランス型など、ここで紹介したタイプの多くがつみたて投資枠の対象にもなっています。成長投資枠では、より幅広い投資信託や個別株式なども購入できます。どの商品がどちらの枠の対象かは商品ごとに異なり、制度の詳細も変更される可能性があるため、購入前に証券会社の商品ページで必ずご確認ください。
投資信託選びでやりがちなNG行動
- 信託報酬を確認せずに人気ランキングだけで選んでしまう:短期的な人気と長期的なコストの低さは必ずしも一致しません。
- 値動きの大きさを確認せず「なんとなく良さそう」で選んでしまう:暴落時に「こんなに下がるとは思わなかった」と慌てて売ってしまう原因になりやすいです。
- 複数のファンドを目的なく重複して保有してしまう:似た投資対象のファンドを複数持っても分散効果が薄く、管理も煩雑になりがちです。
- SNSの「これ一択」といった断定的な情報を鵜呑みにする:投資信託選びに絶対の正解はなく、自分の目的やリスク許容度に照らして考えることが大切です。
始める前に知っておきたいリスクと注意点
投資信託は預貯金と異なり、元本が保証された商品ではありません。基準価額は市場の動きによって日々変動し、購入時より値下がりして元本割れとなる可能性があります。また、信託報酬などのコストは、リターンの有無にかかわらず保有期間中は継続してかかります。
NISA制度の非課税枠や対象商品の条件、各社の取扱商品ラインナップは変更されることがあります。実際に商品を選ぶ際は、必ず金融庁や利用予定の証券会社の公式サイトで最新の情報をご確認ください。
📰 出典:NISA特設ウェブサイト(金融庁)
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資信託を含む投資は、必ずご自身の判断と責任において、余剰資金の範囲で行ってください。
まとめ タイプの特徴を知れば、投資信託選びはシンプルになる
つみたてNISAの投資信託選びは、「インデックス型」「アクティブ型」「バランス型」「ターゲットイヤー型」という4つのタイプの特徴を押さえるだけでも、ぐっと選びやすくなります。大切なのは、どれが正解かではなく、信託報酬・値動きの大きさ・運用の手間という3つの視点から、自分の目的やライフスタイルに合ったものを選ぶことです。
焦って結論を出す必要はありません。分からない点は証券会社の窓口やコールセンター、目論見書でひとつずつ確認しながら、無理のない範囲で長期的な資産形成に取り組んでいきましょう。

