
「日銀が利上げしたのに、なんでまだ円安が続いているの?」

「円安って、自分の貯金や投資にどんな影響があるんだろう…」
「金利が上がれば円高になる」──そう思っていた方も多いでしょう。ところが2026年6月、日本銀行が政策金利を0.75%から1.0%に引き上げたにもかかわらず、ドル円は一時1ドル=161円93銭まで進み、約39年ぶりの円安水準が目前に迫っています。
この記事では、なぜ利上げをしても円安が止まらないのかを整理し、個人投資家として「何を考え、何をすべきか・すべきでないか」を冷静に解説します。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資は自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。
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ニュースの要点:ドル円が161円台、39年ぶり水準が目前に
📰 出典:野村総合研究所「39年ぶりの円安水準が目前に:1ドル160円程度の防衛ラインは後退を強いられるか」2026年6月23日
2026年6月22日のニューヨーク外国為替市場で、ドル円は一時1ドル=161円93銭まで上昇しました。これは2024年7月3日につけた161円96銭に近い水準であり、もし上回れば1986年(昭和61年)以来、約39年ぶりの円安となります。
📰 出典:三井住友DSアセットマネジメント「ドル円は162円台に向け一段の円安進行か為替介入で阻止か」2026年6月23日
市場関係者がまとめる主な背景は以下の通りです(あくまで市場での見方であり、筆者の判断ではありません)。
- 日米金利差が縮まりにくい:日銀は利上げを続けているが、米FRBは利下げを先送りしており、両国の金利差が縮小するペースが遅い
- 米国経済の底堅さ:トランプ政権の関税政策下でも米国景気は予想外の堅調さを保っており、FRBが「急いで利下げする必要はない」と判断しやすい状況
- 次の日銀利上げは年内後半との見方が大半:市場は次の利上げを10月または12月と予想しており、当面の円安圧力が和らぎにくい
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筆者の私見:「利上げ=即円高」は単純すぎる見方
あくまで筆者個人の見解ですが、「金利が上がれば円高になる」というロジックは、金利差だけで為替が動く場合に成り立つ議論です。
実際の為替市場は「今の金利差」だけでなく、「将来の金利の変化スピードへの期待」によって動きます。日銀が1%に上げても、市場が「次の利上げはまだ数ヶ月後」と見れば、円高の動きは限定的です。さらに米国側の利下げが遅れれば、日米金利差は思ったよりも縮まらないことになります。
今回の円安は「日本が努力しても、相手(米国)が動かない限り追いつけない」という構造的な難しさを反映していると言えそうです。
個人投資家として重要なのは「円安を止めようとする」ことではなく、「円安が続く可能性を念頭に、長期的な資産設計を見直す」ことではないでしょうか。
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資産形成への発展:円安が続くと「円建て資産」にどんな影響がある?
円安が資産形成に与える影響は大きく2つあります。
影響① 円建て現金・預金の「購買力」が下がるリスク
現金・円建て預金だけで資産を持ち続けると、円の価値が下がるにつれて実質的な購買力(海外商品・輸入品を買う力)が下がっていきます。
たとえば1ドル=130円の時代に100万円持っていれば、約7,690ドル分の価値がありました。しかし1ドル=162円になると、同じ100万円でも約6,170ドル分の価値しかありません。輸入物価の上昇が家計を圧迫するのも、この実質価値の目減りによるものです。
「現金で置いておけば安全」は必ずしも正しくなく、インフレ・円安が続く環境では現金も一種のリスクを抱えているという視点が必要です。
影響② 外貨建て資産は「円換算」で価値が膨らんで見える
逆に、外国株や外国株インデックスファンドに投資していた場合、円安が進めば円換算の評価額が増えて見えます。これは「株自体が上がった」ためではなく、「円が安くなった」ことによる見かけ上の上昇です。
つまり「円安で外国株が儲かった」と感じても、円高に転じれば評価額はその分下落します。円安メリットを「儲け確定」と思い込んで、焦ってまとまった資金を動かすのは危険です。
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具体的なアクション:円安時代に個人投資家ができること
✅ 地域・通貨の分散を少しずつ進める
国内株式だけに偏らず、全世界株式インデックスファンドや米国株インデックスファンドなどを通じて地域・通貨を分散させることが、基本的なリスク管理になります。
「全力で外貨に換える」のではなく、NISAのつみたて投資枠を活用して毎月少額ずつ積み立てることで、為替の高安を均しながら取得できます(時間分散の効果)。
✅ 生活防衛資金は円建て現金で確保する
円安・インフレが続くとしても、当面の生活費・緊急時の備え(生活費の3〜6ヶ月分が目安)は円建て現金で確保することを最優先にしてください。投資に回すのは、その上での余剰資金の範囲でお願いします。
✅ 「今の為替」をほぼ気にしない積立スタンスを持つ
長期の積立投資をしている場合、日々の為替レートを細かくチェックしても意味はほとんどありません。「円安の今買うのは損」「円高になるまで待とう」と考えるタイミング投資は、多くの場合うまくいきません。淡々と積み立て続けることが、長期では最も有効な戦略のひとつです。
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注意点:こんな行動は避けてください
- 「今すぐ全財産をドルに換える」はNG:為替は上下両方向に動きます。急激な円高(政府介入・FRB利下げ開始等)が来た場合に大きな評価損が生じる可能性があります
- FX(外国為替証拠金取引)でレバレッジをかけるのは上級者向け:FXはレバレッジにより少ない元手で大きな損失が出やすく、初心者には不向きです
- 「外貨建て保険・仕組み預金」の手数料に注意:複雑な手数料・解約ペナルティが含まれ、円安メリットが相殺されることがあります。契約前に費用の全体像を必ず確認してください
- SNSの「今すぐドル転しろ」に安易に乗らない:「乗り遅れるな」「今が最後のチャンス」式の投稿は、煽り・判断ミスを引き起こしやすいです。SNS上の声はあくまで参考の一つにとどめましょう
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まとめ:焦らず、長期・分散の原則で資産を守ろう
2026年6月の為替相場は、日銀が利上げをしても円安が止まらないという難しい局面にあります。しかし、だからといって慌てて大きな判断をする必要はありません。
円安が続く可能性を意識しながら、長期目線でコツコツと地域・通貨を分散させていくこと──それが、専門的な予測ができない個人投資家にとって最も堅実な方向性のひとつです。
「今すぐ何か動かさないと」という焦りこそが、投資の大敵です。まずは自分の生活防衛資金・リスク許容度・投資目的を確認してから、無理のない範囲で一歩ずつ進めていきましょう。
なお、具体的な資産配分や税金の取り扱いについては、金融庁の公式情報やファイナンシャルプランナー(FP)・税理士にご相談いただくことをお勧めします。
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本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資は自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。

