
「10月は株が下がりやすいってよく聞くけど、本当なのかな?」

「今のうちに売っておいたほうがいい…?積立をやめるべき?」
10月になると、SNSやニュースで「10月は暴落の月」「今年も警戒が必要」といった声を目にすることがあります。投資を始めたばかりの方ほど、こうした言葉に不安を感じやすいのではないでしょうか。
この記事では、「10月は株が下がりやすい」と言われる理由、過去の出来事の位置づけ、そしてジンクス(縁起・言い伝え)やアノマリー(理屈では説明しにくい経験則)とどう付き合えばよいかを、初心者向けに整理します。
なお、本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資は自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。
「10月は暴落しやすい」と言われる理由
過去に大きな下落が10月に起きた
「10月危険説」の背景には、過去に有名な急落が10月に集中して語られてきたことがあります。
- 1929年10月:米国株の大暴落(いわゆる「暗黒の木曜日」)
- 1987年10月:ブラックマンデー(米国株が1日で大きく下落)
- 2008年10月:リーマン・ショック後の世界的な株価下落
こうした歴史的な出来事が印象に残りやすく、「10月=危ない」というイメージが広がったと言われています。
でも、それだけで「毎年10月に下がる」とは言えない
ここで大切なのは、一部の年の出来事を、毎年の法則のように扱ってはいけないという点です。10月に株価が上昇した年も当然あります。また、下落の原因は、金融危機・金利・景気・地政学リスクなど、その年ごとに異なるものでした。「10月だったから」下がったのではなく、たまたま10月に大きなきっかけが重なったと考えるほうが自然です。
アノマリーとは?「経験則」であって「予言」ではない
アノマリーとは、理論では説明しきれないものの、過去のデータで繰り返し観察されたとされる値動きの傾向のことです。「1月は上がりやすい」「夏は相場が静か」「年末にかけて上がりやすい」など、さまざまな言い伝えがあります。
アノマリーを見るときの3つの視点
- たまたまの可能性:サンプル数(データの年数)が少ないと、偶然の一致かもしれません
- 広く知られると効かなくなることがある:みんなが同じ行動を取れば、傾向は変わる可能性があります
- 将来を保証しない:過去の傾向は、今年の結果を約束するものではありません
筆者の私見ですが、アノマリーは「相場の雑学」として楽しむ分には面白いものの、売買の根拠にするには弱いと考えています。
資産形成への発展|ジンクスより「自分の計画」を優先する
長期の資産形成で重要なのは、特定の月の傾向よりも、次のような自分で決められる部分です。
- 毎月の積立金額を、生活に無理のない範囲に設定しているか
- 値下がりしても慌てないよう、生活防衛資金(生活費の半年〜1年分が目安)を投資とは別に確保しているか
- 資産を一つの商品や地域に偏らせすぎていないか(分散)
NISAのつみたて投資枠などで積立を自動化しておけば、「今月は怖いから止めよう」と迷う場面そのものを減らせます。
📰 出典:金融庁「NISA特設ウェブサイト」
金融庁も、NISAについて長期・積立・分散投資を基本とした資産形成を支援する制度として案内しています(制度の詳細は執筆時点のものです。最新の内容は公式サイトでご確認ください)。
具体的なアクション・心構え
- 「◯月は危ない」と聞いたら、まず出典とデータの年数を確認する
- 積立のルールは、季節や話題で変えない(変えるなら事前に決めた基準で)
- 下落が起きたときの行動を、事前にメモしておく(例:「3日間は何もしない」「生活防衛資金を確認する」)
- 相場を見る頻度を減らす。毎日値動きを見ると不安が膨らみやすくなります

「月のウワサより、自分のルールを守るほうが大事なんだね」
注意点・NG行動
- ジンクスを理由に、積立や保有株をすべて売ってしまう:その後に上昇した場合、買い戻しのタイミングが難しくなります
- 「10月は下がるから空売り・信用取引で勝てる」と考える:想定と逆に動くと損失が大きくなるおそれがあります
- 「10月で底を打つから今が買い場」と断定する情報に飛びつく:逆方向のジンクスも同じく根拠は弱いです
- SNSの断定的な予想を鵜呑みにする:根拠や立場が不明な投稿も多くあります
投資には元本割れのリスクがあります。「必ず儲かる」「この月なら安全」といった表現には注意し、最終的な判断はご自身で行ってください。
まとめ|言い伝えより「続けられる仕組み」を
「10月は暴落しやすい」という話は、過去の印象的な出来事から生まれた面が大きく、毎年の法則とは言えません。ジンクスやアノマリーは、相場を読み物として楽しむ程度にとどめ、長期・分散・積立という自分の方針を淡々と続けることが、資産形成では大切です。

