暗号資産の「メイカー」「テイカー」手数料とは?板取引のコスト構造を初心者向けに解説

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「取引所形式(板取引)を使い始めたんだけど、『メイカー』『テイカー』っていう聞き慣れない言葉が出てきて戸惑ってる…」

「同じ注文のはずなのに、手数料が人によって違うことがあるって聞いたけど、どういう仕組みなの?」

結論から言うと、「メイカー」とは板(注文一覧)に新しく注文を出して取引相手を待つ人、「テイカー」とはすでに板にある注文を選んで即座に取引を成立させる人を指します。多くの暗号資産交換業者では、この2つの立場によって手数料率が異なる仕組みを採用しており、一般的にはテイカーよりもメイカーの方が手数料が低く設定されていることが多いとされています。この記事では、板取引(取引所形式)を利用するうえで知っておきたいメイカー・テイカー手数料の仕組みと、注文方法との関係、確認しておきたいポイントを初心者向けに解説します。

※ 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の取引所・金融商品の利用を推奨するものではありません。暗号資産は価格変動が大きくハイリスクな資産です。投資は自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。

前提知識 「板取引」とはどういう仕組みか

暗号資産の取引所には、大きく分けて「販売所」形式と「取引所(板取引)」形式の2種類があります。販売所形式は事業者が提示する価格で売買する仕組みで、買値と売値の差である「スプレッド」が実質的なコストになる一方、取引所(板取引)形式は利用者同士が売買を行う仕組みで、価格は「板」と呼ばれる注文一覧の需給によって決まります。

📰 出典:販売所、取引所の違いは何ですか。(bitFlyer よくある質問)

板取引では、取引手数料の呼び方や料率がスプレッドとは異なる仕組みになっており、その中心にあるのが「メイカー」「テイカー」という区分です。板取引を使う予定がある人ほど、この仕組みを理解しておくことが、コストを把握するうえで重要になります。

メイカーとテイカーの違い 誰が板に「注文を置く」のか

メイカー(Maker)注文 板に新しい注文を出して待つ

指値注文などで、現在の板にまだ存在しない価格・数量の注文を新たに出すと、その注文は約定せずに板に並びます。この状態で自分の注文が板に「載る」ことになった人がメイカーです。メイカーは、他の参加者にとって売買の選択肢を増やす存在であり、取引所にとっては「市場に流動性を提供してくれる利用者」という位置づけになります。

テイカー(Taker)注文 すでに板にある注文を選んで即座に約定させる

一方、すでに板に並んでいる注文(他の利用者が出した指値注文など)に対して、成行注文や、板の価格に一致する指値注文を出してすぐに売買を成立させると、その注文を出した人はテイカーになります。テイカーは、板にすでにある「厚み(流動性)」を使う側という位置づけです。

📰 出典:【取引所】メイカー・テイカーとは?(BitTrade サポート)

なぜ手数料率が異なるのか 流動性提供へのインセンティブ

一般的に、多くの取引所ではメイカー手数料をテイカー手数料より低く設定しています(取引所や銘柄によっては、メイカー手数料がゼロやマイナス、つまり手数料が還元される設計になっている場合もあります)。これは、板に注文を並べてくれるメイカーが増えるほど、市場に厚み(流動性)が生まれ、他の利用者がスムーズに売買しやすくなるためです。取引所としては、流動性を提供してくれる利用者を優遇することで、市場全体の使いやすさを高める狙いがあるとされています。

ただし、手数料率や還元の有無、具体的な料率は取引所ごと・時期ごとに異なり、変更されることもあります。本記事で紹介した内容は執筆時点(2026年8月)における一般的な仕組みの説明であり、特定のサービスの現在の手数料率を示すものではありません。実際の料率は必ず各社の公式サイトの手数料ページで確認してください。

手数料体系を確認するためのステップ

  1. 利用している(利用を検討している)サービスが「金融庁登録の暗号資産交換業者」かどうかを確認する
  2. そのサービスに「取引所(板取引)」形式があるか、公式サイトのヘルプ・手数料ページで確認する
  3. メイカー・テイカーそれぞれの手数料率(または還元の有無)を公式情報で確認する
  4. 自分が普段どちらの注文方法(指値中心か、成行中心か)を使っているかを振り返る
  5. 取引頻度が高い場合は、手数料率の差が積み重なるとどの程度の金額になるか、あらかじめ大まかに試算しておく

📰 出典:金融庁「暗号資産交換業者登録一覧」

やりがちなNG行動・初心者の失敗例

  • メイカー・テイカーの違いを理解しないまま、常に成行注文(テイカー)だけを使い続け、割高な手数料に気づかない
  • 「手数料が安くなるから」という理由だけで、板が薄く(注文数が少なく)約定しにくい銘柄で無理に指値注文を出し続けてしまう
  • 手数料の差を気にするあまり、少しでも安い手数料を求めて頻繁に売買を繰り返し、かえって取引回数分のコストや価格変動リスクを増やしてしまう
  • 取引所ごとに手数料体系が異なることを知らず、他の取引所の情報をそのまま鵜呑みにしてしまう

リスクと注意点

メイカー・テイカーの手数料体系を理解することは、コストを把握するうえで役立ちますが、それによって暗号資産そのものの価格変動リスクがなくなるわけではありません。暗号資産は株式以上に値動きが大きい資産であり、手数料を抑えられたとしても、価格が下落すれば元本割れする可能性があります。

また、手数料を安くしようとして約定しにくい価格に指値を置き続けると、想定していたタイミングで売買できず、結果的に機会損失につながることもあります。取引方法を選ぶ際は、手数料の高低だけでなく、約定のしやすさや自分の投資スタイルとのバランスも踏まえて判断することが大切です。

利用する際は必ず金融庁登録の暗号資産交換業者を選び、余剰資金の範囲で、自己責任のもと取引を行ってください。暗号資産の取引で利益が出た場合は原則として雑所得として確定申告が必要になる場合があるため、詳細は国税庁の情報や税理士への確認をおすすめします。無登録の海外取引所への安易な資金移動は、トラブル時に保護を受けにくいため避けましょう。

まとめ 手数料の仕組みを知ってから板取引を使う

メイカー・テイカーという言葉は聞き慣れないかもしれませんが、板取引(取引所形式)を利用するうえでは、自分がどちらの立場で注文を出しているのかを意識するだけで、手数料の見え方が変わってきます。仕組みを理解しないまま感覚的に注文を出すのではなく、公式情報で手数料体系を確認したうえで、自分の取引スタイルに合った注文方法を落ち着いて選ぶことが、暗号資産のコストと長く付き合っていくための第一歩です。

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