
「最近SNSで『絶対に儲かる』みたいな投資の広告、よく見かけるんだよね」

「気になるけど、詐欺だったらどうしようって不安もあって…」
結論から言うと、長野県警がまとめた2026年上半期(1〜6月)の特殊詐欺被害状況で、SNSをきっかけとした投資詐欺の被害が前年同期比で3倍以上に急増したと報じられました。件数・被害額とも過去に類を見ない伸びで、県警は「必ずもうかる」「元本保証」といった甘い誘い文句には注意するよう呼びかけています。この記事では、この報道をもとに、SNS型投資詐欺がなぜ増えているのか、そして資産形成を始めたばかりの人がどう身を守ればよいのかを、事実と筆者の私見を分けて考えていきます。
※本記事は2026年7月中旬時点で確認できた報道をもとに執筆しています。統計は今後の確定値公表により変動する可能性があります。
ニュースの要点整理 長野県の特殊詐欺被害、SNS型投資詐欺が突出
まずは、報じられている事実関係を客観的に整理します。
📰 出典:SNS型投資詐欺の増加が顕著 長野県警が公表 2026年上半期の特殊詐欺被害 被害額は約20億円|SBC信越放送(Yahoo!ニュース)
報道によると、長野県内で2026年1月から6月末までに認知された特殊詐欺の被害は240件、被害額は20億7000万円余りで、前年同期比でおよそ6億5000万円増加しました。中でもSNS型投資詐欺の被害が目立ち、件数は前年同期比41件増の63件、被害額は3倍以上のおよそ8億円に上ったと伝えられています。長野県警は「必ずもうかる」「元本保証」などの甘い誘い文句を見聞きしたら詐欺を疑うよう呼びかけています。
📰 出典:SNS型投資詐欺、誘導情報を削除へ=ネット記事規制、「送金バイト」も―警察庁|時事通信(dメニューニュース)
これは長野県だけの傾向ではありません。時事通信の報道では、警察庁が著名人になりすました偽の投資広告などをネット上から削除要請の対象とする方針を決めたと伝えられており、SNSを起点とした投資詐欺が全国的な課題になっていることがうかがえます。
被害はどのように広がっているのか
各地の報道では、SNS型投資詐欺の典型的な流れとして、次のようなパターンがたびたび紹介されています。
- SNSの広告やダイレクトメッセージ、マッチングアプリなどで投資の話を持ちかけられる
- 著名な経済評論家・投資家・芸能人などになりすましたアカウントや偽広告が使われる
- LINEなどの非公開グループに誘導され、他の「成功している参加者」を演じる人物とのやり取りで信用させられる
- 実際には存在しない、あるいは実態のない運用アプリ・取引画面で「利益が出ている」ように見せかけられる
- 出金しようとすると手数料や税金名目の追加送金を求められ、さらに被害が膨らむ
こうした手口は、事実として各地の警察・報道機関から繰り返し注意喚起されている内容です。
筆者の私見・考察 なぜ「儲け話」の誘惑に引っかかってしまうのか
ここからは、あくまで筆者個人の見方・考察です。事実として報じられている内容と、私の意見は分けてお読みください。
このところ、日経平均の急騰・急落や、好決算を発表した企業の株価急伸など、値動きの大きなニュースが連日のように報じられています。こうした「誰かが大きく儲けた」という話題が身近になるほど、「自分も乗り遅れたくない」という焦りの気持ちが生まれやすくなるのではないかと感じています。SNS型投資詐欺は、まさにこの心理を巧妙に突いてくるように見えます。「今だけ」「あなただけ」「絶対にもうかる」といった言葉は、冷静に読めば不自然さに気づけるものですが、焦りや期待感が先に立つと判断力が鈍ってしまうのだろうと思います。
もう一つ気になるのは、長野県のケースで被害額がすでに前年の3倍を超えているという点です。1件あたりの被害額が大きくなりやすいことも特徴として報じられており、これは「小さく試してから大きく投資する」よう仕向ける手口が広がっている可能性を示しているように感じます。最初は少額の「成功体験」を積ませ、信頼させたうえで大きな金額を引き出す、という構図です。あくまで一般的に指摘されている傾向であり、個別の事件の詳細を断定するものではありませんが、資産形成を考える人ほど、こうした「うまい話」への耐性を持っておく必要があると私は考えています。
資産形成への発展 「本物の投資」と「SNSの誘い」を見分ける視点
このニュースから、資産形成を始めたい人が意識しておきたい学びを考えてみます。
まず大前提として、NISAやiDeCoといった公的な制度を使った投資、金融庁に登録された証券会社・暗号資産交換業者を通じた投資は、SNSの見知らぬ相手から個別にダイレクトメッセージで勧誘されるようなものではありません。むしろ、こちらから証券会社や取引所の公式サイト・アプリを通じて自分の意思で申し込むのが基本の形です。「向こうから声をかけてきて、儲かる話を持ちかけてくる」という時点で、通常の資産形成の仕組みとは異なる、と一度立ち止まって考える習慣を持つことが大切だと感じます。
また、投資の世界では「リスクとリターンは表裏一体」という考え方が基本です。株式・投資信託・暗号資産など、どのような金融商品であっても、価格変動によって元本を割り込む可能性があります。「元本保証」「必ずもうかる」とうたう時点で、この基本原則と矛盾しているため、詐欺を疑う十分な根拠になります。資産形成を始める前に、この原則を自分の中で腹落ちさせておくことが、遠回りに見えて実は一番の防御になるのではないかと思います。
実在する業者かどうかを自分で確認する習慣
投資の勧誘を受けたときは、その相手・サービスが実在し、正規の登録を受けているかを自分で確認する習慣を持つとよいと言われています。
- 証券会社であれば金融庁の「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」
- 暗号資産の取扱業者であれば金融庁の「暗号資産交換業者登録一覧」
いずれも金融庁の公式サイトで確認できます。SNSで見かけた社名・アプリ名をそのまま鵜呑みにせず、こうした公的な一覧と照らし合わせる一手間が、被害を防ぐ第一歩になります。
具体的なアクション・心構え 慌てず・焦らず判断するために
SNS上で投資の話を見聞きしたときに、初心者のうちから意識しておきたい行動を整理します。
- 「必ずもうかる」「元本保証」という言葉が出た時点で疑う:投資である以上、価格変動・元本割れのリスクがない金融商品は基本的に存在しないと理解しておきましょう
- 知らない相手からのSNS・マッチングアプリ経由の投資の誘いには応じない:親しくなった相手からの誘いであっても、投資の話が出た時点で一度距離を置いて考えましょう
- 勧誘された業者名を金融庁の登録一覧で確認する:実在しない、または無登録の業者であれば、それだけで詐欺を強く疑う材料になります
- 一人で判断せず、家族や身近な人に相談する:大きな金額を動かす前に、一呼吸置いて第三者に話してみることが有効だとされています
- すでに投資を検討している場合は、証券会社・取引所の公式サイトから自分の意思で申し込む:SNS経由の誘導リンクではなく、公式チャネルを利用しましょう
注意点・NG行動 同じ被害を防ぐために
各地の報道で紹介されている、SNS型投資詐欺で陥りやすいNG行動を整理します。
- 著名人や有名投資家の「推奨」を鵜呑みにする:SNS広告に登場する人物が本人とは限らず、なりすましである可能性が指摘されています
- 少額の「成功体験」だけで信用してしまう:最初にうまくいったように見せられても、その後の大きな送金要求につながるケースが報じられています
- 出金できないときに、さらに追加で送金してしまう:手数料や税金名目の追加送金要求は、詐欺の典型的な手口とされています
- 家族に相談せず一人で抱え込む:特に高齢の家族が被害に遭うケースでは、誰にも相談できないまま被害が拡大する例が多いと報じられています
なお、本記事は特定の金融商品・サービスの利用や、特定の投資手法を推奨するものではありません。投資には価格変動・元本割れのリスクが常に伴います。投資を行う際は、金融庁登録の正規業者を利用したうえで、必ずご自身の判断と責任のもと、余剰資金の範囲で行ってください。少しでも怪しいと感じた勧誘には応じず、警察相談専用電話(#9110)や消費生活センターなど、公的な窓口に相談することも選択肢のひとつです。
まとめ 「うまい話」ほど一呼吸置いて確かめる習慣を
長野県で報告されたSNS型投資詐欺の被害急増は、資産形成への関心が高まっている今だからこそ、他人事ではないニュースだと感じます。値動きの大きな相場ニュースが連日報じられる中で、「自分も乗り遅れたくない」という気持ちが、詐欺につけ込まれる隙になり得ることを、あらためて意識しておきたいところです。
これから資産形成を始める方も、すでに投資を行っている方も、「必ずもうかる」という言葉には価値がないと心得て、公的な制度・登録業者を通じた長期・分散・積立という基本を、焦らず淡々と続けていくことが、結果的に一番の近道になるのではないでしょうか。

