夏のボーナス、投資に回す人が急増中 調査結果から考える「無理のない配分」の見つけ方

お金

「今年もボーナスが出たけど、いくらくらい投資に回すのが普通なんだろう?」

「周りは投資してるって聞くと、自分も何かしなきゃ焦る気持ちになる…」

結論から言うと、直近の調査では夏のボーナスの使い道として「投資」を増やした人の割合が、預貯金を大きく上回るという結果が出ました。ただし、これは「みんなが投資に回しているから自分もそうすべき」という話ではありません。この記事では、調査結果の要点を整理したうえで、ボーナスの配分を考えるときに大切にしたい考え方を解説します。

※ 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資は自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。

夏のボーナス「投資」に回す人が過去と比べて増加

三井物産デジタル・アセットマネジメントが2026年6月5日から14日にかけて実施したインターネット調査(対象1,463名)によると、5年前と比べて夏のボーナスの「特に増えた使い道」を尋ねた設問で、最も回答が多かったのは「投資」でした。

📰 出典:夏ボーナス使い道調査 5年前比で「投資が増えた」60.8%、預貯金の約3倍|Mitsui & Co. Digital Asset Management

同調査では「投資」を選んだ人が60.8%にのぼり、「預貯金」を選んだ人(21.1%)のおよそ3倍という結果になっています。また、ボーナスのうち投資に振り分ける割合の平均も、前年の30.9%から今年は33.0%へと上昇しました。

世代別の内訳を見ると、「投資が増えた」と答えた割合は30代で79.7%、40代で71.1%と、若い世代ほど高くなっています。一方で50代は66.5%、60代は53.1%、70代以上は27.0%と、年代が上がるにつれて割合は低下する傾向が見られました。

📰 出典:夏のボーナスで投資がしたい! 貯蓄や消費とのバランスは?|マイナビニュース

この調査結果は、2026年6月29日にマイナビニュースでも取り上げられ、資産が大きい人ほど投資に回す傾向がある点にも触れられています。あくまで一つの民間調査であり、対象者や調査方法によって結果は変わりうる点には留意が必要です。

筆者の私見 「投資が主流になった」と「みんなやっている」は別の話

ここからは筆者の私見です。この調査結果を見て「もう貯金より投資が当たり前の時代なんだ」と受け取る人もいるかもしれません。実際、NISAの普及や物価上昇を背景に、ボーナスの一部を投資に振り向ける人が増えていること自体は、自然な流れだと感じます。

ただし、この数字だけを見て「自分もすぐに投資額を増やさなければ」と焦る必要はないと筆者は考えます。調査はあくまで平均的な傾向を示すものであり、家計の状況、生活防衛資金の有無、リスク許容度は人によって大きく異なります。「みんながやっているから」という理由だけで投資額を決めるのは、この記事で紹介したい考え方とは逆方向だと感じています。

資産形成への発展 ボーナスの配分は「順番」で考える

このニュースから読者の資産形成に活かせる学びは、「投資に回す割合そのもの」よりも「配分を決める順番」にあります。一般的にファイナンシャルプランナーが勧める考え方として、以下のような優先順位が挙げられることが多いです。

  • 1. 生活防衛資金の確保: 病気や失業など不測の事態に備え、生活費の3〜6か月分程度を目安に、すぐ引き出せる預貯金で確保する考え方が一般的です。
  • 2. 使い道が決まっている支出への充当: 税金の納付、ローンの繰上返済、近い将来に使う予定のあるお金を優先する。
  • 3. 余剰資金の範囲で投資に回す: 1・2を満たしたうえで、当面使う予定のないお金の一部を、長期の資産形成に振り向ける。

調査で示された「投資に回す割合33.0%」という数字は、あくまで参考情報のひとつです。この順番を飛ばして「まず投資額ありき」で考えてしまうと、急な出費が必要になったときに、含み損を抱えたまま資産を取り崩すことになりかねません。

具体的なアクション・心構え 焦らず「自分の配分」を決める

ボーナスシーズンにSNSや調査結果を目にして投資を考え始めた人には、次のような進め方をおすすめします。

  • まず生活防衛資金の残高を確認する: 投資額を決める前に、手元の預貯金が生活費の何か月分あるかを確認しましょう。
  • 投資に回す金額を先に「上限」として決める: 「ボーナスの何%」という発想よりも、「このお金は当面使わない」と言い切れる金額の範囲で上限を決めるほうが、無理のない配分になりやすいです。
  • 一括投資ではなく時間分散も選択肢に入れる: まとまった金額を一度に投じるのではなく、複数回に分けて投資するドルコスト平均法的な考え方も、値動きへの不安を和らげる手段の一つとされています。
  • 制度・手数料は最新の公式情報で確認する: NISAなど非課税制度を利用する場合は、金融庁や各証券会社の公式サイトで、執筆時点(2026年6月)以降の最新情報を必ず確認してください。

注意点・NG行動 「みんなやっている」を投資額の根拠にしない

調査結果をきっかけに投資を始める、または増額を検討すること自体は前向きな行動です。ただし、以下のような行動は避けたいところです。

  • 周囲や統計上の平均に合わせて投資額を決める: 「30代の約8割が増やしているから自分も」という発想で、生活防衛資金を削ってまで投資額を増やすのは本末転倒です。
  • 短期的な値上がりを期待して一括投資に偏る: 相場の先行きは誰にも断定できません。「今買えば必ず増える」という考え方には注意が必要です。
  • 投資額を増やした後、値下がりで慌てて売る: ボーナスで投資額を増やした直後に相場が下落すると、狼狽して売却してしまうケースがあります。最初から「長期で持つ前提の金額か」を自問しておくことが大切です。
  • 調査結果を鵜呑みにして資産配分を検証しない: 民間企業の調査は、調査対象や設問設計によって結果が変わります。数字はあくまで参考情報として受け止めましょう。

まとめ 数字に流されず、自分のペースで配分を決めよう

夏のボーナスで投資に回す人の割合が増えているという調査結果は、資産形成への関心の高まりを示す興味深いデータです。とはいえ、この記事で見てきたように、投資は元本割れのリスクを伴うものであり、「みんなが増やしているから自分も」という理由だけで金額を決めるべきではありません。

生活防衛資金を確保したうえで、余剰資金の範囲で、自分にとって無理のない配分を落ち着いて決めること。それが、ボーナスシーズンの情報に振り回されないための一番のポイントだと言えるでしょう。最終的な投資判断は、ご自身の状況を踏まえて自己責任で行ってください。

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