日経平均が一日で3,000円超の急落──AI・半導体株の乱高下から長期投資家が守るべき3つの原則

株・投資

「日経平均がまた急落してる…これって、もう売ったほうがいいの?」

「最高値を更新してたのに、一日でこんなに下がるなんて怖すぎる」

2026年6月26日(金)、東京株式市場で日経平均株価が前日比3,005円安(-4.15%)の6万9,360円で取引を終えました。下げ幅は史上3位を記録し、その週に最高値更新を繰り返していた相場が一日で急転換するという、衝撃的な展開となりました。

結論から言えば、こうした急落局面で長期投資家が取るべき行動は「何もしない」か「積立を続ける」の二択です。慌てて売ったり、損を取り戻そうと無理に動いたりすることが、最も損失を拡大させます。

この記事では、今回の急落の背景を整理したうえで、こうした相場の荒れ方から長期投資家が学べることを考えていきます。

6月26日の急落──何が起きたのか

直前まで最高値更新が続いていた

6月22日(月)から25日(木)にかけて、日経平均株価は終値ベースで最高値を更新し続けていました。AI・半導体関連銘柄への期待感と、米国企業の好決算(半導体大手マイクロン・テクノロジーの決算発表が好感されたことも一因)が追い風となり、7万2,000円台を記録するなど、市場は強気ムード一色でした。

📰 出典:日本経済新聞「東証大引け 日経平均が反落 下げ幅は歴代3位、AI・半導体株安で」

一転、3,000円超の急落

ところが6月26日(金)、相場は一変します。AIのデータセンター向けメモリー価格が急騰しており、AI向けの大規模投資が将来的に鈍化するのではないかという懸念が浮上。国内外でAI・半導体関連株が軒並み売られ、日経平均は一日で3,005円安と歴代3位の下げ幅を記録しました。

原油価格の上昇による景気・企業業績の下振れリスクへの警戒も重なり、「売り」が「売り」を呼ぶ展開となりました。

📰 出典:ダイヤモンド・ザイ「来週(6/29~7/3)の日経平均株価の予想レンジ」

翌週には反発

6月29日(月)〜30日(火)にかけて、米国株式市場の上昇を受けて日経平均は反発。6月30日には7万500円台で取引が始まるなど、市場はひとまず落ち着きを取り戻しています。ただし、AI・半導体株をめぐる不確実性は続いており、来週(7月第1週)もボラティリティ(価格変動の大きさ)が高まる場面が続くと見られています。

なぜ相場はこれほど激しく動いたのか──筆者の私見

ここからは筆者の私見を交えて考えてみます。

今回の急落で印象的だったのは、「最高値更新」と「歴代3位の下落」が同じ週に起きたという事実です。これは偶然ではなく、相場の構造的な特徴を示しています。

AI・半導体関連株への資金集中が進んだ結果、株価が短期間で大きく上昇し、その分だけ「利益を確定したい」という売り圧力も蓄積していた──というのが自然な読み方です。一つのニュース(メモリー価格の高騰)がきっかけとなり、蓄積した売り圧力が一気に解放されたと考えると、3,000円という下落幅も理解できます。

ただし、これはあくまで筆者の解釈であり、相場の先行きを断定するものではありません。「だから日本株は危ない」でも「だからAI株は終わり」でもなく、「こういう動きが起こりうる」という事実として捉えることが大切です。

資産形成への発展──急落局面でのNGと正しい心構え

NG①「怖くなって全部売る(狼狽売り)」

急落時に最も多い行動が「怖いから全部売る」という狼狽売りです。しかしこれは、安値で売り、後で高値で買い直す(または買い戻せない)という最悪のパターンを自ら作り出すことになります。

今回も、6月26日に売った人は翌週29〜30日の反発を享受できませんでした。長期目線の積立投資をしている方は、基本的に急落時に「何もしない」ことが正解であることが多いです。

NG②「下落を取り戻そうと、追加で大きく賭ける」

下落を目の前にすると「今が底かもしれない、ここで買えば儲かる」と考えたくなります。気持ちは分かりますが、生活費や緊急予備資金を投入したり、借金(信用取引・ローン)で大きく賭けたりすることは非常に危険です。相場はさらに下がり続ける可能性があり、取り返しがつかなくなります。

NG③「SNSの情報に流される」

急落が起きると、SNS上では「○○株は終わり」「今すぐ現金化しろ」「この銘柄が狙い目」などの情報が飛び交います。しかし、これらは根拠不明なものが多く、実際に行動に移すと損失を被るケースが少なくありません。本記事も含め、SNS・ネット上の情報は参考程度にとどめ、最終判断は自分で行うことが重要です。

長期投資家が今回の急落から学べること

「ボラティリティは相場の一部」と割り切る

過去の市場を振り返ると、大きな急落は繰り返し起きています。リーマンショック、東日本大震災、コロナショック──いずれも当時は「相場の終わり」のように見えましたが、長期では回復・上昇した局面が多くありました。今回の急落も、長期で見ればその一コマに過ぎない可能性があります(ただし、将来の相場動向は誰にも分かりません)。

「自分が耐えられるリスク量か」を見直すきっかけにする

急落を経験すると、自分が「思ったより怖い」と感じることがあります。それは悪いことではなく、自分のリスク許容度を確認するチャンスです。急落のたびに眠れなくなるほど不安なら、資産配分(株式の割合)が多すぎる可能性があります。今一度、余剰資金の範囲内で投資しているかを確認しましょう。

積立投資は「下落でも続ける」ことに意味がある

毎月定額を積み立てるつみたて投資の場合、下落局面は「安く買える機会」でもあります。ドルコスト平均法(価格が安いときに多く、高いときに少なく買える仕組み)を活用するためにも、急落したからといって積立を止めるのは本末転倒です。

注意点・NG行動のまとめ

  • 急落時に感情で全売却するのは危険
  • 取り戻そうと無理な追加投資・借金投資はしない
  • SNSの「今すぐ〇〇せよ」という煽りには乗らない
  • 特定の銘柄や通貨の売買タイミングを断定する情報は鵜呑みにしない
  • 自分のリスク許容度を超えた投資をしていないか定期的に見直す

まとめ──「波乱相場」が長期投資の本質を教えてくれる

日経平均が1週間で最高値更新と歴代3位の急落を経験した今月の相場は、投資の本質を改めて教えてくれるものでした。

相場は上がり続けることも、下がり続けることもありません。急落は怖いですが、長期目線を持ち、余剰資金の範囲で積立を続けている方にとっては「乗り越えるべき波のひとつ」です。

今回の急落で不安を感じた方は、「なぜ自分はこんなに怖く感じたのか」を振り返ることから始めてみてください。リスクの取りすぎではないか、長期目線を保てているか、生活防衛資金は十分か──そういった点を見直すきっかけにしていただければ幸いです。

※ 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品・銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。相場の先行きは誰にも断定できません。投資は必ず自己責任で、余剰資金の範囲で行ってください。

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